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【仕事】自分のタスクは自分のもの

「生殺与奪の権を他人に握らせるな!」とまでは言いませんが…

「タスクは自分で管理してないから、わからない」

私は現在、基本的にはDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に関連して、価値創造やその伴走支援などが生業なのですが、たまに社内の人材育成のワークショップのお手伝いをすることがあります。

とあるワークショップで、自分のタスクを棚卸しして可視化しましょうという機会があり、来られていた方々に自分のタスクを並べてもらったのですが、その中である方が仰っていた言葉が自分としては衝撃でした。

「タスク…思い出せないですね。自分でタスク管理してないですから」

正直、私は信じられなかったです。
会社の仕事の中で、自分がどのような仕事(タスク)をしているかを自分で把握し、管理してないという人がいるということが。

私自身の仕事のスタイルや価値観として、自分の仕事は自分で把握し、自分自身や部署のミッションや責務とステークホルダーとの関係から、タスクの優先度を決めて対応を進めていくものだと、普通に思っていました。

何故タスクが自分のものになっていないか?

とはいえ、自分が普通だと思っているだけで、実際自分のものになってない人もいるということで、何故自分のものになっていないか、考えてみました。

プロジェクトで管理されている

プロジェクトのリーダーやマネジャーがいて、彼ら主導の下、多くの関係者が関わりながら、納期や予算が決まったプロジェクトを回していく場合、全体の統合日程を管理されていたりは確かにします。

WBS(Work Breakdown Structure)のように作業分解されて管理されていればそこに担当として割り付けられていてタスクが明確になっているかもしれません。

だからといって、「自分でタスクを管理しなくてよい」わけではないです。
計画は一度固めたからといって全く変わるものではありません。プロジェクトの進行によって入替があったり、優先度が変わったり、必要無くなったりすることもあり得ます。

実際にやるやらないをリーダーやマネジャーと整合を取る必要があるとはいえ、そのタスクはあなたの専門性と責任として任されているものであり、本来は一番どう扱うべきかをあなたは知っているはずです。

自分でタスクを管理していないということはそのコントロール権すらも人に渡してしまっていることになります。

言われたことだけやっている

新人さんならまだしも、そこそこ社会人経験を積んでいる人でも、言われたことだけやっている人は多いです。
「言われたとおり、やりました。なので自分のせいではないです」
「なので、悪いのは指示したマネジャーです」
と言い訳すればその場は済むかもしれませんが、その先にはそれによって影響を受けている仲間やお客様がいます。誰も嬉しくありませんよね。

タスクを自分のものにしていれば、そのタスクはどこから生まれてきたのか、何故そのタスクをすべきなのか?それは今すべきなのか?と問いが生まれてくるものですが、自分のものにしていないか、するつもりがない場合には言われたことだけを言われたままやってしまいます。

人のせいにするのは楽ですが、それを評価する人は居ないと思った方が良いです。

優先度が分かっていない

仕事が来た順、やりたい順、楽にやれる順からやっているというスタンスも自分からタスクのコントロールを手放している状況です。

これも仕事の背景や内容に対して考えを持っていないから起きることです。
こういう場合、忙しいだけで成果も出てなかったり、実際何を自分がやっているのか、役に立っているのか、も見失いがちになります。

やりたい仕事や楽にやれる仕事をやるというのは、モチベーションの維持やタスクとタスクの隙間でやる分には良いでしょう。ただ、それだけやってて、仕事をした気になっているのは問題です。

あと、マネジャー層に多いのが、「全部重要だから全部やる」というスタンスです。気持ちはわからなくはないですが、マネジャー自身も疲弊していたり、それを落とされている部下となるメンバー自身の仕事の優先度も付けられず、組織やチーム自体がアンコントロールになってきます。
マネジメントは、やることを決めるのもそうですが、やらないことを決めるのも大事な仕事なのです。

自分でコントロールできるものを増やそう

タスクがコントロールできなくなると、終わる見込みが立てられず、完了しないという不安が常に起こり、ストレスになって疲弊していきます。
それが負のサイクルとなり、結果的に本来やるべきことが納期通りできず、周りにも明確をかけ、評価も下がります。

そしてタスクを自分のものとせず、コントロールできずにいると、タスクごとの意味も分からなくなり、仕事としてはフローとして流れていくこととなります。流れていってしまう仕事はふりかえりができません。

ふりかえりができないということは、改善をする機会を失うということです。
そうなると状況は悪いまま、もしくはより悪くなり、良くなることはありません。

仕事にしても何にしても、コントロールできるところとできないところがあります。少し意識を向け、起きていることに問いかけてみるだけでも気づきを得て、コントロールできる部分を増やせると思います。

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