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【仕事】「心配事」を掘り下げる

心配事の根っこには、ビジネスの宝があるかもしれません。

課題や困りごとを聴いているのに…

仕事柄、ユーザの調査や研修のフィードバックのためにアンケートを採って分析することがあるのですが、その中で次のような質問項目がありました。
(正直、アンケート自体に私は価値を感じてません。理由は後述します)

「○○するにあたって、課題や困りごとはありますか?」

このような質問をすることにより、ユーザや参加者の現場で起きていることを把握したいのですが、回答に実際現場で起きている事実ではないことを書いてくる方がいらっしゃいます。

「○○しようとするのだが、周りに言いにくい」
「○○するときに、他の人とのやる気に差があると、やりにくい」
「○○しようとすると、手間が増えて嫌がられる可能性がある」

一見、課題や困りごとのように見えますが、全てこの回答をした人が実際に行動を移して起きた事実に基づく課題や困りごとではなく、「心配事」を書いてくるのです。

しかも上2つは気持ちの話であり、このままではフォローするにもどのように対応すればよいか判断できません。
まだ、最後の話は課題っぽいですが、これも実際現場で手間が増えたという事実を元にしたものではないので、「心配事」とまでは言わないなら「リスク」くらいの話かなと思います。

とはいえ、うまく言葉にできる人は多くない

日頃から課題発見や課題解決を生業にしていて、常に向き合っている人からすると、課題にもなってない心配事だけ言われても仕方が無いとシャットアウトしたくなりますが、アンケートの一文を正しく理解して正しい観点で回答が書ける人というのは実はそんなに多くない印象です。

色んな人と関わっていると個人的な観点ではありますが、物事を表出したり、言語化する能力は誰にでもあるものではなく、むしろちゃんとできる人は少ないと感じます。(コーチングでも我慢強く傾聴姿勢で、言葉になるのを待つ事も多いです)

今回のケースのように、アクションに至らず心配事になっているということは、何かそのような感情を呼び起こしているような職場・現場の環境や雰囲気があるのかもしれません。

実はそのようなものこそ根深く、もし現場の課題を解決しにいこうとも、課題解決することのメリットを合理的に説明しても、理不尽で不合理な理由で拒絶されていることもあります。

アンケートはフィルタであり、事実はインタビューで

最初にも書きましたが、個人的にはアンケートそのものに価値は感じていません。
先のようにテキストで本質的なインサイトを含んだ回答をできる人は多くないのと、結局アンケートというものを挟んでしまっているので本音が聞けているかどうかもわかりません。

ただ、そのアンケートの内容をきっかけに掘り下げに行く先を見つけてインタビューをかけにいくという点ではアンケートは有効です。つまり、インタビュー対象を絞り込むための「フィルター」の役割をしています。

「心配事」をインタビューにより掘り下げていくと、もしかすると新たなビジネスの種やブレイクスルーになるネタが含まれているかもしれません。

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