見出し画像

EditageのJournal Selectionを使ってみた

Editageに英文校正をお願いするついでに、ものは試しということでJournal Selectionのオプションもつけてみたところ、校正から数日してPDFとdocmの2つのファイルでレポートが納品された。公式で公開されているサンプル(PDF)どおりのものが届いた。

すでに50件ぐらい比較検討してますので、投稿先も自分で選べないのかというのはとりあえず置いておいてください。純粋な興味なんです。

このレポートの作成にあたっては、Editage reviewerなる人物が私の校正済の原稿を読んだ上でジャーナルを推薦しているっぽい。校正の納期を変えてもジャーナル選択の納期は常に校正の3日後が目安だった。
そして最後のFAQsにあるのだけれど、レビュワーは"Our experts reviewers have a minimum qualification of a PhD in your relevant subject area and have extensive experience in publishing and peer-reviewing manuscripts. These experts also have experience of writing and publishing their own manuscripts in peer-reviewed journals. Many of our experts even serve as peer reviewers on journal editorial boards."とのこと。今回はComputer Science分野で出したのでCSのPhD持ってる人なのかな。

Section 1. Recommends

そして今回のトップ候補として挙がってきたのは"IEEE Transactions on Neural Networks and Learning Systems"

いや、これちょっとどうかなー…
確かにそう遠くないうちにIEEE載せたいなとは思ってるんだけど、今回のプロジェクトで行けるかはちょっと微妙なんだよなあ。無理って言い切るのもそれはそれで研究者として負けを認めるようなものなのでアレなんだけど、ただ今回の論文っていうのは(新しいアーキテクチャーとある程度の網羅的な分析で新しい知見は提供しているのは確かだけど)、プロジェクトとしてはこの後にさらに発展モデルが控えていて、あくまでもその準備段階としてのモデル提案なんですよね。ここで一旦まとめておかないと次の論文の論点が増えすぎてオーバーフローする。

このコメントの内容を見るに、もしかすると今回のreviewerさんは最新のニューラルネットワークのアーキテクチャーまではキャッチアップできていないんじゃないかなという気がする。それでも別にいいんだけど、ただ、端的にいうと褒めすぎっていうか、自分ではIF 5~7ぐらいが妥当なんじゃないかと思っているので少し驚いた。

Section 2. Journal Comparator

次に出てくるのがジャーナル比較。一覧表にして比較されている。ありがたや。

一応マーケティング系のジャーナルも挙げてくれているけど、今回は明らかにNeural Networkとしての面白さを推している論文なので今回は外す。"Applied Intelligence"は僕自身の当初の投稿先候補にも入っていたので、今回のレコメンドが見当違いとかいうことではないのがわかる。
そしてここでIEEEのページ制限が10枚を基本としていることが発覚する。しかも1ページにつき$110、さらには15ページを上限として11ページ以降の単価は驚異の$200、今の原稿の長さは12ページなので$1500かかることになる。英文構成と合わせて40万近く使うことになる。ゲロ吐きそう。

Section 3. Supporting Information

ここでは、先ほど挙げられたジャーナル上で自分の論文に引用できそうな論文や類似した論文が公刊されているかを教えてくれたりするところっぽい。

何よりも悲しいのは、これ以上ページ数を増やしたらIEEEには投稿できなくなるということですね。

おわりに

初めてこういうのを使ってみたけど、率直にいって結構面白かった。各出版社にもアブストやキーワードから投稿先ジャーナルを推薦するJournal Finderは存在しているわけだけど、それに比べても精度や内容の幅広さという意味ではこういうpersonalizedなサービスはまだ必要なんだなと思う(裏を返せばそれはAI分野の現状での限界でもあるわけで)。

次にもっと大きなプロジェクトが控えているので、その辺でまた使ってみたい。欲をいうなら、分野的にもJournal Comparatorの中にpreprintサーバー (arXiv等)への投稿可否が入っていたら嬉しいなー。

サムネイル画像: Dubai Mohammed Bin Rashid Library (UAE, 自分で撮影)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?