見出し画像

スイカが怖い!!食にまつわる真夏の3連発ぷらす1話

画像1

<スイカ攻め!>
離島生まれの私。子どもの頃の我が家では、遠くの町の親戚の家を訪問することがたびたびありました。

ある夏の日、母と兄と3人で連絡船に乗り、バスを乗り継いで目指すのは、父方の叔母の家。
この日は他の親戚の人たちも集まっていて家の中は人であふれていました。
この叔母はにぎやかな人で、悪く言えば「お節介&口うるさい」ことで親戚筋では有名で、兄と私は苦手でした。

「よく来たね~」と叔母に歓迎され、親子3人で長旅の疲れを癒していると、さっそく叔母自慢のスイカが食卓にドーンと出されました。
「うちの畑で採れたスイカだよ!」との号令で兄と私はスイカを食べ始めます。
もともとスイカが大好きな私はうれしくてたまりません!

「シャカシャカ」とスイカにかぶりついていると、「さあ、もっとお食べ!」と叔母がせっせとスイカが載ったお皿を繰り出します。
だんだんとお腹いっぱいになり、横にいる兄に「どうしよう、もう食べられないよ…」と目配せして、どう断ろうかと思案していると、
叔母は「さあ、遠慮せんとどんどん食べなさい!」と無理強いしてきます。

どうやら遠慮していると勘違いされているのがわかりましたが、そんなに食べられるはずもなく、必死でスイカをほおばる苦しさが増すばかり。

「しばらくスイカはいらないわあ!」とまで追いつめられた思い出は、夏が来るたびによみがえります。
まあ、今も夏になると何度もスイカを買ってくる私ですが、あざやかな赤い色を見ると叔母の顔が浮かぶのです。

画像2

<ウスターソースが怖い>
学生の頃は東京のある女子学生の寮に住んでいました。
夏休みの寮は帰省した学生が多いため、しんと静ずまりかえります。

ある日、寮内でお昼ご飯を食べていると、コロッケに小さなビニール袋に入った「ウスターソース」がついていました。
いつもは普通におかずにウスターソースをかけて食べるのですが、この時だけは何かが違っていました。

ウスターソースに「おえっ!」となってしまったのです。
体調になにか問題があったのだろうとは思うのですが、これを機にウスターソースが食べられなくなってしまったのです。
匂いを嗅いだだけで吐き気を覚えるので、それ以降、何年間かはソースの容器を見るのさえ苦痛になるほど。

たった一度の経験で、私の家からはウスターソースが消えたのでした。
あの夏の日からウスターソースをかけて何かを食べたことはありません。
ウスターソース好きな方、ごめんなさい!

画像3

<テーブルいっぱいのご馳走に悲鳴!>
長崎県にいる姉の家に遊びに行った夏のできごと。

大歓迎の姉夫婦とその娘婿にすすめられたご馳走が、ところ狭しと並べられたテーブルを見て、ひっくり返りそうになりました!
こんなに暑い日に、私たち訪問者のために用意してもらったことを申し訳なく思うほどでした。

家に着いてすぐに始まった宴会。
「長旅で疲れたでしょ。さ、遠慮しないで食べて!」とみんなですすめてくれます。

やがて、食べ疲れた私たちに、「ほら、ほら、もっと食べて!」とせっつく姉…

その優しさに感謝しつつも、全然減らない膨大な料理を恨めしく眺める私。
辟易しながらお腹に詰めこむ絶望感をお察しいただけますでしょうか…

画像4

おまけのもう1話
<かまぼこの呪い>
これは夏ではなく、春の日のひとこまです。

田舎から都会に出る列車のなかでの経験です。
他の学校から来た2人の女の子と同席になり、3人で会話を楽しんでいると、1人の子がおもむろに紙包みを開けました。
そこにはなんと、かまぼこがギッシリ!あっと驚く光景でした。
家がかまぼこ屋なので車中で食べるようにと、その子の両親が持たせてくれたそうです。

「さ、食べて!」と渡されたかまぼこは、食べても食べてもなかなか減りません。
うれしそうに見ているかまぼこ屋の娘の視線を感じながら、無理して何個か口に詰め込みましたが、とうとうかまぼこを見るのも怖くなりました。次第に苦みを増すかまぼこの味は忘れられません。

大量のかまぼこに迫られ、あの時ほど、「もう、かまぼこなんて見るのもイヤだ!」と思ったことはないほど…(でも、かまぼこは今でも好き♥)
好きな食べ物でも度を超すとこんなにも恐怖の対象になるものだということを知ったのでした。

みなさんには食に関する怖~い経験はありませんか?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?