バンクシー作品を、単なるきれいなトリックアートで終わらせず、20億円の価値たらしめているのは、その卓越したPR戦略
バンクシー展に行ってきました。
バンクシーは、落書きというメディアだけで世界を取った、すごいアーティストです。
彼の作品は、ストリートにそぐわない美しい絵柄が目を引きます。路上のアイテムを活かしたトリックも楽しいです。
しかし、バンクシーの真髄は、絵がキレイなことでも、トリックが楽しいことでもありません。それだけではなく、すばらしいPR戦略にあると思います。
バンクシーは、反戦や反消費主義など深刻なテーマを問います。時事性をよく捉えたタイミング・場所で仕掛けます。誰もが分かるシンプルな風刺作品です。
そして、バンクシー自身が器物破損の犯罪をおかし、反体制を体現しています。だから、彼は匿名なのです。
こうしたPR戦略が、作品に深いカタルシスをもたらしていると思います。
例えば、『難民のジョブズ』が描かれたのは、切迫した状況のフランスの難民キャンプでした。そこに故スティーブ・ジョブズを描きました。ジョブズは、シリア移民の息子なのです。
難民を救う大事さが切に伝わる見事なPRだと思います。
SNSでも多く拡散されました。
バンクシー作品を、単なるきれいなトリックアートで終わらせず、20億円の価値たらしめているのは、その卓越したPR戦略だと感じました。
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