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生き物の世界に戻ってきたエンジニアの入社エントリー

こんにちは、今月(2021年2月)からUMITRONに入社しました みややま(jkatagi)です。ソフトウェアエンジニアとして入社してから約一ヶ月が経過しましたので、入社の経緯から入社後に感じたことを書こうと思い、筆を取りました。UMITRONという会社がどういう会社なのか、1エンジニア目線から紹介したいと思います。

1. 私について

非常に長い自己紹介なのでUMITRONについてのエピソードを知りたい方は2章からお読みください🤲

1.1 私と生き物と外来生物

あらためまして簡単に私の自己紹介をします。私は幼少の頃は北関東の片田舎で育ちました。住んでいた家の周りは田んぼに囲まれ、朝は草刈り機の音で目覚め、夜はアマガエルの鳴き声で寝るといった生活を送っていました。そんな田舎で育ったこともあり、田んぼで見つけたアメリカザリガニを飼ったり(今はもうできませんね...)干上がった水で死にそうになっている小魚(アブラハヤやギンブナ)を掬って水槽で飼ったりと、生き物と触れ合いながらの幼少期を過ごしていました。また中学の頃に友人の影響で熱帯魚を飼い始め、熱帯魚の世界にもどっぷりハマりました(私の魚好きはおそらくこの頃から始まったのだと思います)。

そんな幼少期〜青年期を過ごしていたときのことでした。私の家族が飼っていたブルーギルが飼えなくなる、ということを家族から聞きました。ブルーギルは2005年の6月に特定外来生物に指定され、許可なく生きたままの移動・飼育が禁止になったのです。そのことがきっかけで私は外来生物および生態系保全(特に魚類)について興味を持つようになりました。

中学卒業後は普通科の高校に通いました。高校2年の頃にオープンキャンパスがあり、外来生物や生態系保全に興味があった私は生物系の学部を探していました。私の学力的に近いということと、研究学園都市という響きに憧れ、筑波大学の生命環境学群が良さそうだなと思いました。当時の生命環境学群は生物学類・生物資源学類・地球学類の三つから構成されていました。名前的には生物学類と生物資源学類が近そうだなということで、日程の都合があった生物学類のオープンキャンパスに行きました。そこではイモリの再生の話を聞いたり公開講義で遺伝学についての講義を受けた記憶があります。色々と話を聞きながら、生物学をやるよりも生物学とその応用を実践する生物資源学類の方が自分の興味的には近いのかな?と思い、生物資源学類を目指すことにしました。そして応用を実践するには潰しが効いた方がいいなと考え、高校2年の選択専門科目も生物ではなく物理を選択しました(今の教育課程では生物基礎・物理基礎は両方必修のようですね)。余談ですが物理は苦手で、いつも後ろから数える方が早かったです(高校物理は微分の考えを教えないので、ひたすら暗記していたのが悪かったのだなと大学に入ってから気づきました)。

1.2 念願の志望大学への入学!しかし...

高校卒業後、なんとか筑波大の生物資源学類に合格した私は夢に描いていた外来生物・生態系保全の研究ができるぞとウキウキとしていました。大学入学後の午後に学類の懇親会があり、先生を捕まえて「大学で魚の外来生物・生態系保全をやりたいです!」と高らかに宣言しました。そしたらその先生から意外な言葉が飛び出しました。

「え、生物資源にはそんな研究室ないよ...?」

なんと生物資源学類には魚類の生態系保全の研究をしている研究室はなかったのでした。今となっては大学入る前に研究室くらい調べておけよ〜と思いますが、当時の高校生の私には研究室まで調べるという発想がなかったのでした。その日はショックを受けながら宿舎に戻った記憶があります。

さて研究室がないなら何をしようかと困った私は、とりあえず野生動物研究会というサークルに入ることにしました。野生動物研究会はいわゆる生物サークルで、生き物が好きな人たちが集うサークルでした。そこには私が入らなかった生物学類の学生が多く在籍し、生き物マニアたちが日々楽しそうに活動していたのでした。私自身も幼少期は生き物好きを自称していましたが、野生動物研究会に属している人たちは私とは比べ物にならないほどの生き物マニアだらけでした(例えば幼少期から十数年間セミの研究をしている人や、学部在籍中にクモに関する論文を書いている人など)。彼・彼女らから刺激を受けつつ、大学生活を謳歌していました。

サークル生活は楽しみつつも研究は何をやろうかなーとぼーっと考えながら、とりあえずいろんな講義を受けてみることにしました。その中でも大学一年の学類の数学の講義が面白かったこともあり、物理数学の勉強を頑張っていました。また統計学の授業でR言語を使うということで予習でプログラミングの勉強を始め、その後どっぷりとプログラミングの世界にはまっていきました(野生動物研究会のメンバーの同期がなぜか生物学類なのにプログラミングにハマっている人が多かったことも影響としてありました)。

そんなこんなで自分のパソコンにLinuxを入れるときに間違ってWindowsが消え去ってしまったり、情報科学類の講義に潜り込んでプログラミング言語論について学んだり、プログラミングをしながらお金を稼ぎたいということで外部の研究機関のバイトをやったりしているうちに研究室配属の時期になりました。その頃になると学類の主流である化学系や生物系の研究室には興味があまり湧かなくなり、大学一年生の時に受けて面白かった数学の講義を担当していた先生の研究室に話を伺うことになりました。

1.3 リモートセンシングとの出会い

その研究室は生物資源学類でも一風変わった研究内容で、人工衛星を使ったリモートセンシングに関する研究室でした。また教員もJAXAと大学教員の兼任をしている方で、研究室に入ればJAXAと共同研究ができるということでした。実はJAXAはつくばに研究拠点があり、筑波大から自転車で通える距離にあるのです。またJAXAというと漠然と宇宙のイメージしかなかったのですが、実は地球観測もしており、その教員が属しているのは生態系部門 でした。 JAXAと共同研究できるなんて面白そう!という気持ちとパソコンでカタカタ遊んでいたい!という二つの気持ちから、その研究室に配属することになりました。ここまで色々と遠回りはしてきたのですが、リモートセンシングというアプローチで当時自分がやりたかった生態系に関する研究ができることになったのでした。その後大学院も同じく筑波大学に進み、その研究室には計3年在籍しました。その当時の成果物は実際にJAXAの公式プロダクトとして公開されました

1.4 卒業後のキャリア選択

さて研究は色々と楽しかったものの、博士課程に行くよりは働いてお金を稼ぎたいな〜という気持ちが強くあり、就職をすることにしました。そこではリモートセンシングの技術を生かす仕事として測量系の会社に進むことが第一の選択肢としてありました。しかし大学時代の講義・アルバイト・研究生活をしていく中で一つのことを実感していました。それはプログラミングができる人は重宝されるということでした。ある分野にとても詳しい人でもプログラミングはそこまで得意でなかったり、二つの分野の橋渡しとしてコードをかける人材には需要があるのだなあと体感していました。そこで卒業後はまずはソフトウェアエンジニアリングの力を伸ばしたいと思い、いわゆるWeb系の企業を受けることにしました。その中でもありがたいことに、とあるニュースアプリの会社から内定を貰うことができ、卒業後はソフトウェアエンジニアとしてのキャリアを積むことになりました。

その会社ではデータ分析・機械学習エンジニアという肩書きで入社し、アルゴリズムの改善を行なっていました。また機械学習エンジニアといってもロジックの部分を担当するだけではなく、KPIの設計からバックエンドのコードの実装、ABテストの集計まで幅広い事柄を経験させてもらいました。私自身、何か専門的にこれ!と絞ってやるより色々と手を出すのが好きだったため、この仕事内容は非常にしっくりときました。当時の仕事の様子については個人のMediumに書いてあります。

ソフトウェアエンジニアになって1年が経過したので振り返る
MLエンジニアからバックエンドエンジニアに転向しました

2. UMITRONとの出会い

そんなこんなで日々楽しく仕事をしつつも、私の中に後ろ髪を引く存在がありました。それがUMITRONでした。UMITRONという会社を知ったのは2019年のことで、スタートアップに詳しい友人が「お前にぴったりな会社があるぞ!」と紹介してくれたのでした。人工衛星やエンジニアリングを活用して養殖業の問題に取り組むというUMITRONの事業内容は、まさに自分の興味関心にぴったりの企業でした。ニュースアプリの会社で1年ほど経験を積みそろそろ挑戦してみようと思い、2020年の1月にUMITRONの採用に応募しました。その時の結果は残念ながら不採用で、その理由としては「経験が足りないのでもう半年から1年、ソフトウェアエンジニアとしての経験を積んで欲しい」ということでした(不採用の理由を丁寧にフィードバックしてくれたのはありがたかったです)。確かに!と文面通りに受け取った私はその後会社に留まってさらに経験を積み、9ヶ月後再び応募しました。その後無事内定をいただき、2月から正式にメンバーの一員として働くこととなりました。

なお入社後に知ったのですが、「不採用後に再度2回目の応募をしてきたのは初めてだった」とのことでした。

3. 入社から一ヶ月経って感じたこと

入社から一ヶ月経って感じたことはみんな落ち着いている・徹底的なユーザーファースト・皆でビジョンに向かって働いていることでした。

一つ目はベンチャーだからといって変なノリがないということです。ベンチャー企業で働くのは初めてということもあり、入社前は馴染めるか心配でしたが、メンバーはみんな落ち着いており、スムーズに馴染むことができました。

二つ目のユーザーファースト(養殖事業者ファースト)は、UMITRONの事業対象である養殖業者の方々と密にコミニュケーションを取り、徹底的な現場主義を貫き通しているのを感じました。実際にプロダクトを作っていくときにもユーザーファーストは大事なことですし、またリモートセンシングの視点でも現場を訪れることは衛星画像を見ているだけではわからない沢山の気づきを得られます。主に現場とやりとりをするフィールドサクセスの方のみならず、ソフトウェアエンジニアも機会があれば現場に同行しているようです(今は感染症の影響でなかなか現場に足を運びづらいですが)。

三つ目の皆でビジョンに向かって働いているというのは、皆が口に出さずともUMITRONのミッションである持続可能な水産養殖を地球に実装するを実現するために働いている、そんな雰囲気を感じ取れました。まだ約30人と小規模な会社ですが、皆が一つのミッションに向けて仕事に取り組んでいるのはやはり一緒に仕事をしていく上で大切だと感じます。

4. 最後に

入社してからあっという間に一ヶ月が経ちましたが、日々ワクワクしながら仕事をしています。色々と曲がりくねった人生を歩んできましたがまた生き物・リモートセンシングの世界に戻ってきました。ソフトウェアエンジニアとしても大規模衛星データ/海洋データの水産養殖への活用といった技術的にも面白い仕事でもあります。この記事がUMITRONってどんな会社なんだろう・どういう人が働いているのだろうと疑問を抱いている方の参考になれば幸いです。



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