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子育て、今思えば……。別に好きなことがなくても大丈夫です

息子は現在18歳、大学生です。この春、彼が高校を卒業したとき、「母親業も第一段階は終わったなあ」と思いのほか強く感じて、いろいろな重荷から解放された気がしました。

重荷とは何か? 
世間の風潮のようなもの、と言えばいいのでしょうか。
子育て中ずっと、見るたび聞くたびに少し気が重くなっていた言葉がありました。
「〝好き〟を伸ばそう」「好きなことがあるのはすばらしい」
「好きなことがあれば大丈夫!」
といった言葉です。

「一人ひとり違うところや特徴があって、それが個性」という観点で見れば、息子にももちろん個性はあるし、見ていて面白い所もたくさんあります。けれど、わかりやすく「好きでたまらないもの」があったわけではありません。
「○○ばっかりしている」というほど熱中するものも、ありませんでした。もちろん男の子あるあるで、小さい頃は恐竜・電車・ポケモンなどはびっくりするくらい覚えたし、ゲームも好きでしたが、まあふつう程度。

今も「○○博士」的な子は人気がありますよね。実際見ていても「本当にすごいな~好きなんだな~」と感心するし、好きなものへの愛がこちらにも伝わってきて、ほほえましい気持ちになります。
大人でも同じですが、「好きこそものの上手なれ」って本当だなあと思います。

でも……うちの息子はそういう意味で本当に「ふつう」でした。勉強にしても、あれは超得意、これはできない、というのがはっきりあるわけでもない。運動にしても、足は少し速いけれど、ほかは並みかそれ以下。友達いっぱい人気者!でも全然ない。遊びやゲームも、親が怒るまでやめないほど夢中になることもない。

今にして思えば、別にそれで問題はありません。けれども私はずっと、「好きなことがあるのはすばらしい」という風潮に縛られてきたなと思います。
「うちの子は暇さえあれば絵ばっかり描いてて……」という類の話を聞いて、うらやましい気持ちになったりしました。なんなら、「ゲームばっかりしてご飯に呼んでも来ない」とか、「算数はほんとにできない、20点だよ」なんて話にまで、「そこまで好きなのか……」「そこまではっきり個性があるのか……」と、もやもやしていました。

息子が中学生、高校生になっても、そういう気持ちをずっと心の奥に持って、どこかで気にしていたと思います。
「好きなことがないと、だめなのかな」と。
(次回へ続く……)


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