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【検証シリーズ】トヨタはオワコンなのか。

こんにちは。Jammyです。今回は日本時価総額1位、トヨタの今後について書いていきたいと思います。

先日、新社長を発表したトヨタですが、多くのメディアでは、楽観的な意見はほとんどなく、むしろ厳しい見方をしている方が多いように感じます。

この検証シリーズではそのような、メディアや世間の意見に対して、本当にそうなのかというものを経営や数字、株式市場などの観点から紐解いていきます。

話は戻り、トヨタは今後どうなのかということですが、やはり私もあまり楽観的なことは言えないと思います。

自動車産業の大局

自動車産業は日本にとって大きな産業になります。多くの企業がグローバル進出しており、特にトヨタの売上は日本市場において大きく関わります。

しかし、その自動車産業は大きな転換期に入っています。

世界ではSX(サステナビリティートランスフォーメーション)やESGなどの考えが進むにつれ、ガソリン車への疑問視が強くなってきています。それとともに、毎日自動車事故での死者は計り知れず、その危険性も懸念点としてあげられていました。

これらの問題が近年のEVやHV、ハイブリッド車などの台頭を加速させ、また自動運転などの研究が至るところで行われていることに繋がっています。

つまりは、自動車はハードウェアから自動運転などのAIを兼ね備えたソフトウェアの観点が大きくなっているということです。

トヨタの強み

その上でトヨタの強みについて触れていきます。

トヨタの強みは1.海外への販売網 2.トヨタ生産方式の2つです。

1.海外への販売網
トヨタは海外に60以上の工場を持ち、車の売り上げ台数の約9割が海外です。それだけ海外への販売網があり、これは大きな強みです。

2.トヨタ生産方式
トヨタは自動化とジャストインタイムの2本柱を掲げており、お客様の要望で清算計画を決めることにより、顧客満足度と無駄を省くことにより、コスト削減、従業員の満足度向上などを図っています。このトヨタ生産方式のモデルは多くの工場で参考とされるなど、理にかなっておりかつ高い評価を受けていることがわかる。


またトヨタを含め、多くの自動車企業がCASE(コネクティッド、自動運転、シェアリングサービス、電動化)を推進していくと宣言しています。やはり、多くの自動車企業が大局と並走しています。

トヨタとテスラ

次にトヨタと他社を比べトヨタを観察していきます。

まずはこちらをご覧ください。

日経新聞より

トヨタは売り上げが3倍、販売台数は約8倍なのに対し、利益はさほど大差がありません。

収益率が低いことは一目瞭然だと思います。

生産性が低い理由に関してはこちらにわかりやすくまとめてあります。


これらのビジネスモデルを見ると一時、テスラの株価がトヨタの4倍になったのも理解できます。

テスラの強みは自動運転技術を今走っている車からデータを取り、アップデートしている点です。また車はソフトウェアの観点が強く、こちらもアップデートが可能です。

さらに電気自動車の充電場所はアメリカにコンビニ並みであり、工場も機械化を図ることにより人件費の削減を実現しています。

トヨタと中国

中国では大手電池会社から自動車事業をスタートさせたBYDをはじめ、多くのEV会社が出てきています。

BYDだけ取れば電池会社ならではの電池の専門性を活かし、EVを作るとともに、EV用の電池を他社に販売しており、これまた強いビジネスモデルを構築させようとしています。

中国の強さはなんといっても多人口による経済力と人件費の安さにあります。

技術力においても中国との差をつけることは難しくなってきています。

つまり、同じ技術なら価格競争になり、その場合中国に勝つことはなかなか難しいです。

ただ、中国には難点があり、日本においてはやはり中国ブランドよりも日本ブランドの方が圧倒的に信頼が高いです。またアメリカとは冷戦の状態にあり、EVブランドとしてアメリカ市場に出ていくのはなかなか簡単ではないと考えます。

マクロから見ると

コロナにより、アメリカでは大量のお金がばら撒かれました。ヘリコプターマネーです。またドルが基軸通貨である限り、今後もお金の量は増えていくでしょう。

そこで懸念されるのが経済格差問題です。

金を手にする人はどんどんと富豪になり、金がない人は貧乏のまま。

あなたが富裕層だったらどんな車を買うでしょう。
ほとんどの人がフェラーリやロールスロイスのようなブランド力の高い車を買うと思います。

また貧乏な場合は技術力に問題がなければ極力安いものを買うと考えられます。そのような価格競争の場合は中国に強みがあります。

また自動運転が完成すればタクシーなどにも活用され人件費がかからないため、安否で活用できるようになります。その場合、そもそも車を買わないという家庭も多くなると考えられます。

今後、自動車産業は富裕層をいかに囲い込むかが鍵になると考えられます。

飽和状態になる

自動車産業は少し前のテレビ事業に似ていると思います。

かつては綺麗さ、画素数がものを言いました。技術力があった東芝やパナソニックは広いシェアを獲得していきました。しかし、だんだんと韓国や中国の技術が追いつくと価格競争が始まります。そんな中、パナソニックや東芝はさらに画素数を高めるために工場などに投資していきます。しかし顧客の重要度はコンテンツにあり、またある程度綺麗であれば、満足いく人がほとんどでした。東芝やパナソニックの勢いは以前より無くなり、そのようにして寡占状態にあったテレビ業界も飽和状態になっていきました。

車も、かつては日本が世界を席巻していました。しかし、中国など多くの競合が出てきており、またハードウェアに関してはものすごい差がつけるのが難しくなってきている。多くの企業が参入してくれば、さらに競争は激化し、飽和状態になっていくのでないかと考えています。

他業種大手の参入

アップルは昨年の終わりに2026年までにアップルカーを出すことを発表しています。またGoogleやソニーが参入するなど、CASEという考え方をはじめ、やはり車はハードウェアという考え方は無くなり、ソフトウェアとしての考え方が強くなってきています。

アップルカーなどが皆さんがお持ちのアイフォンと連動できるとなると、また魅力的ですよね。これらを含めても車業界はどんどん競争が激化すると考えられます。


まとめ

今後自動車産業はソフトウェアの重要性が高まることにより、参入が多くなり、競争がどんどん激化していくと考えられます。日本のトヨタも決して未来が明るいとは言えない状態でしょう。36万人の雇用を抱えているトヨタですが潰れることはないにしてもこのまま、この雇用を維持することは難しいと考えられます。しかし、世界のトヨタの技術力や販売力は競合に引けを取らないので、今後が楽しみです。みなさんも、今後の自動車産業に注目してみてください。

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