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36. 「健やかなるときも、病めるときも…その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」YES!

今日はちょっと真面目なお話をひとつ。

私が車椅子ユーザーになるまでにはいろいろなことがあった。

なぜ健康な身体に産んでくれなかったのかと親も恨んだし、自分のことは後回しで、子育てと仕事に追われ、やっとこれからという時にこの身体。

なぜ私からそんなに自由を奪うのかとあまりの辛さに精神も病んだし、どれくらい涙を流したか分からない。

そんな中、夫はよく病院で付き添いをしてくれた。個室だったということもあって、簡易ベッドで泊まってくれた。夫が来れない日には、子供達も来てくれた。

病院の方からしたら子供じゃないんだから…と思われていただろう。他にそんな患者さんはいないので、私の方が恥ずかしくなる。それでも病院から会社へ出勤しながら付き添ってくれた。

ただただ一緒にいてくれた。もともと言葉数の少ない人だが、それが私には良かった。自宅で二人でぼーっとしているかのようで、心が安らいだ。

結婚式で交わした「健やかなるときも、病めるときも…その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」の誓いを体現してくれた。

結婚当初、挙式での誓いの言葉は、皆んながやるから当たり前くらいにしか思っていなかったし、考えたこともなかった。こんなに深い意味を持つことを知ることになった。

退院して自宅に戻り、車椅子での生活にも慣れてきた頃、夫へ言った。

「結婚式での誓いの言葉を守ってくれたよね。」

夫は一言

「そうだね。」

もちろん夫はそんな〝誓い〟を守ろうとした訳ではないだろうが、献身的な夫への感謝は決して忘れない。

こんな感じで家族の支えがあったから乗り越えられた。病を通して家族の在り方を考えるきっかけにもなった。

私は夫への依存が高いのかもしれないが、何となく二人で一人のような感覚で生きている。愛だ恋だなんて感情は今更ないが、これが家族になるということなのかもしれない。


37話目へ続く…



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