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12.選択

いよいよ症状が悪くなってきていたため、MRIで脊髄の検査をすることになった。今回は閉所恐怖症を発動しないように鎮静剤を飲み準備万端。人間は学習する動物。回数を重ねると慣れるもので前よりは落ち着いていた。こんなことに慣れたくはないけど、でもドラえもんの歌にはお世話になってね。

初めての検査の時はこんな感じ↓


なんとか無事に終わり診察室に戻ると、脊髄の画像がPCに映し出されている。私の胸は不安と恐怖で固まっていった。

ドックン!ドックン!ドッ!ドッ! ド!ド!ド!ー
鼓動が駆け足を始めた。

先生は画像を見るなり

「腫瘍が大きくなっていますね…」


やはりそうか…
グレーが黒に変わった瞬間だった。それでも落ち込んでいる余裕もなく、次の選択が迫ってきた。

そして3つの治療法が提案された。

1.化学療法
2.腫瘍の摘出
3.放射線治療

2と3は体の機能を失う確率が高かった。脊髄は一度損傷してしまうと、今の医療では治すことはできない。歩けなくなる恐怖と戦っていた私には、選択できなかった。いろいろと考えた末、できるだけ体の機能を温存するために、化学療法を選択することにした。

しかし大事なところでまたポカが出た‼︎︎

化学療法と抗がん剤治療が同じことに気づいていなかった。どれだけ抜けているのかと声が飛んできそうだが、こんなおバカな大人もいるのかと笑って下さいませ。

もちろん抗がん剤治療の怖さは知っていたが、それと化学療法が同じだと思っていなかった。自分の都合のいいように、何か化学を使った治療法があるのかな…と思っていた。

それは直ぐに気づくことになるが、我ながら情けない。

そして、治療は始まった。


13話目へ続く…


1話目から続けてお読み頂けたら嬉しいです🙇‍♀️↓

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