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「演劇集団キャラメルボックスを開けてみた」Part.7

城西国際大学メディア学部キャンパス誌「Update Vol.2(https://online.fliphtml5.com/kbtoy/ayak/#p=1)」で行ったインタビューの完全版。
これを読めば、あなたもキャラメルボックスのことをもっと知りたくなる!
7つに分けて掲載しております。
こちらPart7です。是非最後までご覧ください!


Part7

——読者の皆さんへのメッセージをお願いします。


成井:演劇をやったことがない人には演劇をやることを是非お勧めしますね。
人前で面白いことをやりたいっていう人は、90年代のイカ天ブームの頃にはバンドに行っている人が多かった。今は、お笑いにどんどん行っちゃっている気がするんですよ。以前だったら、小劇場に来た人たちがお笑いに行っちゃっている。演劇に来てよーって思いますね。演劇は面白いです。
去年一昨年と2年間、杉並区の中高生を対象にしたワークショップを定期的にやっていて、その時ワークショップのタイトルに“演劇”って言葉を使ったら、どうもそれが良くないのではないか。演劇ってついちゃうと堅苦しく感じるから、それを演技とか俳優にすればもっと人が集まるのではないかって言われて。
ああ、確かに小劇場に来る人が少なくなっているのって、小劇場でお金にならないところでちょっとだけのお客さん対象にやるよりも一足飛びにテレビとか行きたいのかなって。でも演劇をやることによって人格形成もできるし、演技力をつけたいのだったら演劇をやるしかないんですよ。
日本は特殊で、演劇をやらない人がテレビでデビューしていて、アイドル出身とか、モデル出身の俳優が日本ほど多い国はないです。欧米の俳優というのは基本的に舞台で演技力を培って、それからハリウッド映画が出るとかっていう風に、ハリウッドの俳優の99%が演劇出身。それがもう当たり前なんですよね。ですから、どこの国に行っても演劇大学とか大学の演劇科っていうのがたくさんあって、お隣の韓国だってそうですよね。俳優さんたちはほとんど大学で演劇を学んでいます。日本だけですよ。演劇の専門教育を受けずにデビューできちゃう。間違っていると思います!
演劇は演技力をつける上でとにかく必須です。
かつ、プロの俳優にならなくても人間形成していく上でコミュニケーションの術を学ぶのですから、社会生活を営んでいく上で演劇を経験するってことは非常に。
例えば、営業するのは怖くないし、人前でプレゼンするのも怖くなくなるし。ですので、若いうちに少なくとも大学生までになんとか演劇を経験してほしいと思いますね。

成井 豊 さん

多田:演劇は人生を豊かにするツールだと思っております。舞台に立って大きな声を出して楽しいっていうこともそうですし、例えば何か役をいただいてその人物のこと、その人物の感情・心情を追求していくっていうことも、すごく心を豊かにする作業だと思うんですね。それから日常生活においても声が大きくなったりとか、人と話すのが得意になったりするってこともあるのかもしれないですけど。例えば好きな子と話していて、あんまりうまくしゃべれないなっていう、この自分をまた分析したりとか、とても大事な人が亡くなったのになんだか涙も出てこない、これは一体何だろうとか。
日常生活のいろんなポイントにおいて改めて自分を俯瞰できるようになるっていうか。そうすることによって人の気持ちがもっと分かるようになるし、自分のことももっと分かるようになる。そして、それをまた演技に還元していく、そういったサイクルが演技をやっていると生まれ始めるんですよ。そうするともう演劇の虜というか。なので、是非人生を豊かにしたいと思っている方は、少しでもかじっていただければいいと思うし、もうすでに始められているよ、という方は、どんどん日常から追求していってほしいなと思っています。

多田 直人 さん

鍛治本:僕ここ5, 6年で声の仕事もやっていて。アニメや映画の吹き替えをしているのですが、やっぱりその現場行って演劇やっていてよかったなってとても思うんですよ。やっぱり声優になりたい人っていっぱいいますけど、現場にポンって出た時にお芝居ができているかできてないかっていうのが如実にあるなと思っていて。声の表現、声真似だけではやっぱり立ち打ちできないものっていっぱいあるので、僕は演劇がスタートでよかったなって思います。
あと個人的に定期的にワークショップをやっていて、僕は本当に演劇やったことない人に来てほしいんですよ。上は本当に5, 60代の普通に働いている方から、お芝居をほとんど見たことない人とかが来てくれて、すごく楽しいんですね。お医者さんやっているけど、患者さんに声がちっちゃいって怒られるんです、すぐ患者さんとか看護師さんに怒られたりしますという人がちょっとワークショップをやると自信を持って、私、明日看護師さんにも怒られずに診察できそうですって言ってくれるとすごく嬉しいです。
ワークショップを受けて、演劇を1回やってみることでお芝居を見た時の見え方も違うだろうなと思っていて、僕は本当にプロにならなくても気軽にみんな1回でいいから演劇を迂闊に体験してほしいなと思います。そこからいろんな人とのコミュニケーションもやっぱり取り方が変わるし、見え方が変わっていくのではないかなと思うので、本当に気軽に始めてほしいなと思います。

鍛治本 大樹 さん
キャラメルボックス
『サンタクロースが歌ってくれた』(2021) (c) 引地信彦

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<演劇集団キャラメルボックス 次回公演予定>
キャラメルボックス2024 クリスマスツアー
2024年12月 大阪・東京公演

<成井豊さん 最新作、鍛治本大樹さん 出演予定作品>
NAPPOS PRODUCE 『湯を沸かすほどの熱い愛』
【原作】中野量太 【脚本・演出】成井豊
2024/5/18(土)~5/26(日) @サンシャイン劇場
2024/6/1(土)~6/2(日) @サンケイホールブリーゼ

<成井豊さん 脚本・演出・作詞、多田直人さん 出演予定作品>
『無伴奏ソナタ-The Musical-』
【原案】 オースン・スコット・カード 【翻訳】 金子司
【脚本・演出・作詞】 成井豊 【音楽】 杉本雄治
2024/7/26(金)~8/4(日) @サンシャイン劇場 ※大阪公演あり
2024/8/10(土)~8/11(日) @森ノ宮ピロティホール

村上


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