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【キラキラポエム】SNSで人気のあの人の何がすごくて、どんなところを尊敬しているの?フォロワー数や再生数だけで無闇にすごいと持ち上げるのはやめましょう【中村淳彦の名前のないコラム】

SNSを見回すとみなさん成功者や上流ばかりですごいですよね。SNSができる以前は日本にこんなにすごい人がたくさんいるとは思わなかったです。ところで、あのすごい人たちは一体、どこから出てきたのでしょう? というかそもそもあの人たちって、本当にすごい人なのでしょうか?

尊敬する人の「なにを尊敬しているか」を説明できますか?

 ノンフィクションライターの中村淳彦です。
 僕はある媒体で音声配信をしているのですが、Cさんって方からコメントが入りました。読みますね。

「(人気の女性パーソナリティに)のぼせ上がったコメントしてしまった…上流パーソナリティのポエム、キラキラに簡単に流されて騙されてしまうタイプだと自覚しました。中村さんの放送聞いて気を引き締めねば(涙)」

 とのことです。
 素敵ですね。学びになりました、成長になりました。みたいなことを書かれたのかな? そういう定型文を書かれたのだと思いますが、それは相手の応援になるから、いいと思うのだけど、ご本人は「気を引き締めねば」とのことですね。自分がキラキラに流されるのが良くないと思っているようです。
 まず、自分自身の状態があまり良くないと言えるでしょう。ポエムキラキラに簡単に流されるとなると、そのキラキラパーソナリティのことをすごい人とか尊敬しているのではないでしょうか。おそらく、そうでしょう。

 大前提としてどんなトップであろうと、音声配信レベルの人はすごくありません。普通の人か、キラキラな言葉に頼っているならば普通よりも少し下くらいが現実でしょう。要するにあなたが尊敬している人が、あなたと同等程度か、キャリアウーマンをしているあなたより、少しレベルとかランクが下な人なわけです。どうして、レベルやランクが下の人のことを尊敬するのでしょう? おかしいと思いませんか。
 すごい人と尊敬するべきは、人の価値感なので人それぞれ、いろいろいることでしょう。僕でいえば、ミュージシャン向井秀徳とか作家村上龍はもう大変尊敬していますが、音声配信のパーソナリティのなにを尊敬しているのですか? Cさんは言えますか? たぶん、なんか勘違いして、キラキラな雰囲気に流されているだけだと思うのです。

 説明しますが、トップパーソナリティはフォロワーとか再生数が多いのは、その部分はすごい。けど、そのパーソナリティのことをどうして尊敬するのか、一歩引いて考えるとまったく共感されないだろう感覚なわけです。声の魅力があるから、この人好きという好感はもちろんあるでしょう。その好きという気持ちは普通のことだけど、ある特定の媒体で人気パーソナリティをしているから、だから好きを超えてすごいとか尊敬してしまうとか、ちょっとおかしいと思うわけです。俯瞰してみましょう。
 俯瞰すると著名人、有名人がたくさんいて、僕個人でいえば向井秀徳とか当然すごい。それ以外にも、浮かんだのはサザンオールスターズとか矢沢永吉とか、ホリエモンとか、それはすごい。でも、Cさんが舞い上がってしまったトップパーソナリティのなにが具体的にすごいのでしょう。説明できますか。たぶん、説明できないでしょう。そうなると理由がなく相手のことを尊敬して、すごいと思ってしまったメンタルに問題があるわけです。やっぱり俯瞰して、正常な状態に戻していかないといけないでしょうね。

 だから、のぼせ上ってしまった女性パーソナリティの、なにに影響されて、なにに心が動いてしまったのか、俯瞰して自分自身に向き合って欲しいのです。僕個人の評価では、この女性パーソナリティは、少なくともすごい人ではないです。すごくない人に、すごいという勘違いをして、そこにズレが生じて、おかしなことになっている。
 で、俯瞰している僕からすれば、Cさんがどういう人かわからないけど、僕もCさんも、こののぼせ上がってしまった女性パーソナリティもまったく変わりません。全員すごくないし、尊敬するところなんかないし、ただの人なわけです。
 どうして、ただの人がポエムとかキラキラしたこととか、いいことを言っているとのぼせ上がってしまうのか。繰り返しになっちゃうけど、尊敬したり、すごい人と勘違いしたり、聴いている側のCさんの問題なわけです。そういう現象が起こって、素敵です、学びになりました、みたいな定型文みたいなコメントをいい気分になって思わずしてしまったということだと思うのです。

どうしてキラキラパーソナリティはポエムを言うのか?

 それとパーソナリティたちがどうしてポエムとかキラキラしたことを言うのか、冷静に相手の立場になって考えた方がいいでしょう。僕もCさんもこの女性パーソナリティも、同じ普通の人です。どう考えても、どっちが上も下もありません。
 対等な同じレベルの人がキラキラしたことを発信して、身近な人の応援だったら好循環だと思うけど、そうじゃないですよね。キラキラパーソナリティも勘違いして、私はすごいから、役立つことを言ってあげる、みたいなスタンスかもしれない。
 どうしてキラキラパーソナリティがポエムとかキラキラしたことを言うのかというと、なにかしら利益があるからです。その利益に乗ってしまう聴取者がいて、それで承認欲求が満たされたり、儲かったりするのでポエムが蔓延しちゃうわけです。もっと自分がすごいと思われたいとか、尊敬されたいみたいな欲望があるのでしょう。ビジネスマンだったら自分の利益に誘導したいわけです。

 相手の目的とか欲望を察しながら、この人が言っている言葉は正しいのか正しくないのか、みたいなことを一言一言、判断していきましょう。だから誰かのことをすごいとか思うときには、よほどの根拠が必要です。
 僕は向井秀徳のことをすごいと尊敬しちゃっているけど、そういう状態に陥るのはたまにしかないから。向井秀徳がどれだけすごいのか、素晴らしいのか一応根拠があります。でも、Cさんはこのパーソナリティに対してそういう根拠を言えますか? 客観的に正しいのですか? ということだと思うのです。

 おそらく、Cさんはこのパーソナリティのことを勘違いして、過剰評価しています。ただの普通の人をすごいとか尊敬して、痛いです。実際はただの人ですよ、ただの人。どうして尊敬するのでしょうか? という、この一点です。
 だから、誰かを簡単に尊敬したり、すごいと思ったりするマインドはリスキーです。冷静に人のことを評価して、分別して、本当にすごい人だけを尊敬するべきだし、根拠がある人だけに対して心を動かすべきなのです。

 小手先のキラキラなポエムや美辞麗句は、俯瞰してみたら現実と違うことが多い。そういう人もいて全然いいけど、自分がハマってのぼせ上がるのは、どう考えてもよくないです。マイナスです。だから、心を落ち着けた方がいいんじゃないでしょうか。
 今回は「簡単に人のことを尊敬したり、すごいと思うのはやめましょうね」ということを言いたいわけです。

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<著者プロフィール>
中村淳彦(なかむら・あつひこ)
ノンフィクションライター。無名AV女優インタビュー『名前のない女たち』シリーズ、『東京貧困女子。: 彼女たちはなぜ躓いたのか』、『悪魔の傾聴』などヒット作多数。花房観音との共著『ルポ池袋 アンダーワールド』(大洋図書)が絶賛発売中。Voicy「名前のない女たちの話」ほぼ毎日放送中。ニコニコチャンネルプラス「中村淳彦の40歳からの婚活ちゃんねる」が2月より配信スタート。

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