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日々是暴食★トラウマめし【第18食】エチオピアの銭湯と野コーヒー

 以前書いたエジプト旅行へ行った際、中継地点のアディスアベバのトランジット時間が長くかかるためプチ観光をしてみた。アディスアベバとはエチオピアの首都で、アフリカ随一のハブ空港「ボレ国際空港」がある。食に関してかなり興味深い文化を持った国だったので十数時間の滞在だけでも空港の外に出て正解だった。

アディスアベバの街並み
ペンキ職人? の賑やかな少年たち

 一般的なアフリカのイメージと違い、標高2400メートルにあるアディスアベバは涼しかった。来訪前に調べていた情報で楽しみにしていたのが風呂。同地は温泉が湧くらしく、街には日本でいう銭湯のような庶民向けの入浴施設があるらしい。これは行くしかない。

 空港からタクシーで運ちゃんに入浴施設「フィンフィネ温泉」に行きたい旨を伝える。「他にも観光地はあるけどお前は何目的だ?」的なことは聞かれたけどしつこくない。すんなりと場所へ行ってくれたし「この先の市場は危ないから近寄るな」と注意もしてくれた。エチオピア人優しい。

おしゃべり好きな運ちゃん

 温泉に着いた。受付でコースを選ぶと石鹸とタオルを渡され、番号を呼ばれたら個室に入るというシステム。料金によって風呂のクラスが変わるらしいが、とりあえずよくわからないので数百円?の1番安いコースにしてみた。そうしたら湯船が無いシャワータイプの部屋だった…。うーん、失敗。

フィンフィネ温泉はホテルに併設していた
1番安いシャワー室。これじゃなかった

 日本に帰る便で同じ温泉に立ち寄り、一つ上のクラスにしたらちゃんと湯船があった。自分で湯を張らなければならないが、45分ほど時間はあったのでまったり楽しめた。泉質はサラッとした無臭の肌触りが軽いもの。ゆっくりと浸かっているうちに旅の疲れが取れました。は~エチオピア温泉、極楽極楽。

風呂は個室になっており、順番がきたら番号で呼ばれる
お風呂を待つ少女
ちょっといい個室には湯船が。ここに湯をためて肩まで浸かれば疲れもとれる

 風呂上がりにはやっぱりビールでしょ。噂によるとエチオピアはビールが美味いらしい。温泉に併設したレストランで一杯いくことにした。アムハラ語はさっぱり分からないが、ビールが飲みたいと伝えると「ジャンボビール?」と店員さん。頼んでみたら生ビールがきた。さっぱりとした口当たりの軽いピルスナーでこれは美味い。

風呂上がりのジャンボビール

 調子に乗ってハベシャビールというのも注文してみる。あっ、これはエチオピア航空の機内で提供しているやつだ。黒ビールのようなデザインだが、飲み口はライトな日本人にもあう味。格安チケットだとヨーロッパへエチオピア航空で行く場合もあると思うけど、これは美味しいからぜひ飲んでみる事をお勧めする。

キャラクターが可愛いハベシャビール

 酔っ払ってきたのでステーキ定食も頼んでみた。牛肉だと思うけど、しっかりした味付けで、肉は硬い。グニグニと噛みちぎりながらビールで流し込むべし。140ブル(約400円)なり。

ステーキ定食。米もパンもついてきてボリューム満点
カダフィ大佐的なキャラ濃いお客さん

 酔った勢いで街ブラをしてみる。昼間なら治安は問題なさそう。風俗系の店が立ち並ぶエリアも全然余裕。道の脇にはスラムっぽい地域もあるが興味本位で立ち入らないようにしよう。外壁にレゲエ風味なグラフティがそこら中にあり、ラスタマン的なお兄さんが「ここがラスタファリアの中心地だぜ」と教えてくれた。そうか、ジャーはエチオピアの皇帝のことなんだ。疎いのでさっぱりわからなっかったが聖地みたいな所なのかも。

ハイレ・セラシエ皇帝とボブ・マーリーが並んで描かれる
めっちゃ元気な女の子

 もうひとつエチオピアで飲みたいものがあった。コーヒーだ。エチオピアにきてエチオピアコーヒーを飲まない手はないだろう。普通のカフェで飲むのもつまらないので、路上で豆をひいている野コーヒー屋(?)で一杯頼んでみた。

屋外で営業するコーヒー屋さん
 エチオピアは世界で初めてコーヒーが発見された国といわれる

 まず感じたのはトロッとした口当たりと程よい酸味。そして押し寄せる豊穣な香りと苦味と、最後にスッと甘味が。などと山岡士郎的に説明してもよく分からないと思うが、1番違うのはトロトロしていること。まるで葛湯をちょっと薄めたみたいな感じ。

ジャバナからコーヒーが注がれる
トロッとした口当たりが特徴的だった

 これはエチオピアでは伝統的にジャバナという素焼きのポットに直接コーヒー粉を入れて抽出するため、日本で飲むの物とは全く違った口当たりになるのだとか。ヤカンで代用すればエチオピア式の淹れ方もできるらしいので、好きな人は試してみては。ちなみに1杯で50円くらいだったが、多分現地の人はもっと安いような気がした。

 ジロジロ見られながら、あんまり歓迎されていない空気を感じつつ飲み干して店を後にした。
 さて、エチオピアは美女の産地としても有名だ。夜のパトロールもしなければね。酒と飯も。

続く

【写真・文】バーガー菊池
岩手県出身。花巻東高校卒。 実話ナックルズ編集部在籍の編集者。不良からエロまで何でもやります精神の何でも屋。注射を打ちながら毎晩暴飲暴食を繰り返すハゲ巨漢。

https://twitter.com/kikuchi_BURGER