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酒井透

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(さかい・とおる) 東京都生まれ。写真家・近未来探険家。 小学校高学年の頃より趣味として始めた鉄道写真をきっかけとして、カメラと写真の世界にのめり込む。大学卒業後は、ザイールやパ…
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#珍スポット

【写真家・近未来探険家 酒井透のニッポン秘境探訪】東京都杉並区の『商船三井・上井草社宅』

 廃墟マニアや建築構造物マニア、ゴスロリファッションマニア、写真愛好家などから親しまれていた「商船三井・上井草社宅」(東京都杉並区)が取り壊されていたことが分かった。  この建築物は、 1970年代に建てられたものと見られ、2018年まで住居として使われていた。閉鎖されてからは、敷地内に入ることはできなかったが、独特の外観がフォトジェニックなことから注目を浴びていた。  何と言ってもその特徴は、住宅公団などで良く採用さていた階段室型の住棟になっていることや階段室部分にある

【写真家・近未来探険家 酒井透のニッポン秘境探訪】姿を消した調布駅前公園の『タコのすべり台』

 日本全国の公園で見ることのできる「タコのすべり台」。その第1号だったとされる調布駅前公園(通称・タコ公園/東京都調布市)のすべり台が、2016年9月30日をもってその姿を消してしまった。当日、同公園では、午前9時半から「タコのお別れ会」が行われた。   昭和46年(1971年)に設置され、40年以上の長きに渡って多くの子どもたちから愛されてきた「タコのすべり台」。平成元年(1989年)に赤色からピンク色に塗り替えられ、平成21年(2009年)には、再び赤色に塗り替えられた

【写真家・近未来探険家 酒井透のニッポン秘境探訪】栃木県宇都宮市の性文化を集めた博物館『性神の館』

 1975年8月1日に開館した「性神の館」(栃木県宇都宮市)が突然閉館してしまった。館内には、日本はもとより世界中から集めた性に関する貴重な資料が展示されており、その中には、学術的価値のあるものも含まれていた。  三角屋根の建物は、那須高原などのリゾート地にあるペンションを思わせるような趣を持っている。ところが良く見ると、普通のペンションにはないものがある。入口にあるのは、巨大なま○こ岩。その前にある太鼓橋の脇には、ち○こを模した石碑が鎮座…。巨大なま○こ岩は、栃木県那珂川

【写真家・近未来探険家 酒井透のニッポン秘境探訪】中国・重慶市の『世界最大のトイレ』

 「聖母マリアの像」型の男性用便器があったことで知られる『世界最大のトイレ』がその姿を消していたことが分かった。このトイレがあったのは、中国・重慶市内にある『洋人街』という遊園地だ。    『世界最大のトイレ』は、中国語で『世界最大的厠所』と表記する。問題のトイレは、遊園地の入口付近にあり、「聖母マリアの像」の他に「口を大きく開けたもの」や「チューリップ」、「ワニ」などといった形をした便器が並んでいた。オープン当初は、モノ珍しさも手伝って、ちょっとした観光名所にもなっていた

【写真家・近未来探険家 酒井透のニッポン秘境探訪】中国蘇州市のエロ珍スポット『中華性文化博物館』

 「中国・珍遺産」のひとつとして知られていた『中華性文化博物館』が閉館に追い込まれてしまった。  「性文化」という名がつく通り、この博物館は、「中国の唯一の秘宝館」とも言えるような施設だ。館内には、性的な展示物が数多く展示されていて、数多くの人が展示物を見るために足を運んでいた。  とりわけ人気のあったのは、唐の時代に作られた四十八手人形だ。陶器で作られていたこともあり、かなりいい〝味〟を出していた。驚かされるのは、男性器と女性器があって、しっかりとジョイントしていたこと

【写真家・近未来探険家 酒井透のニッポン秘境探訪】大分県大分市内の「〝敬礼〟する像」

夜中に右腕がスッと…  大分県大分市内の墓地に色褪せた兵隊の像が立っている。住宅街の一角にある墓地にぽつんと立っているのだが、夜中になると〝敬礼〟をすることがあるという。  地元に言い伝えられている話によると、造られた頃は、右手を挙げて敬礼をしていたという。しかし、その後、少しずつ下がっていったとされている。草やぶをかき分けて像に近づいてみると、袖と服の間に隙間はなかった。本当にそんなことが起こりうるのだろうか? 「かつてあの兵隊の像の右手が挙がっていたという話は、亡く

【写真家・近未来探険家 酒井透のニッポン秘境探訪】宮城県某所の「キリスト看板を作る男」

ちょっと怖い、あの看板の正体  日本全国いたるところで目に飛び込んでくる〝キリスト看板〟。黒をベースにして、白と黄色の文字で書かれている〝あの看板〟は、宮城県丸森市某所にある『聖書配布協力会』というところで製作されている。  気候も穏やかなある日、現地に着いて〝キリスト看板〟を見せてもらうためにしばらく待機していると、「看板の発案者」であるリチャード・ノーマンさんがやって来た。 「看板に書かれているのは、神の御言葉や救いの御言葉です。ところどころ聖書からとって短くしてま

【写真家・近未来探険家 酒井透のニッポン秘境探訪】古河市高野の「ろうそく地蔵尊」

300年続く奇祭  茨城県古河市に『奇祭中の奇祭』と呼ばれている祭りがある。8月23~24日にかけて古河市高野の高野八幡宮で行われている「ろうそく地蔵尊」がそれだ。  この祭りがピークを迎えるのは、初日の午後8時頃。硬い石で作られた地蔵は、紅蓮の炎に包まれ、その周りは、ろうそくの炎が発する熱の影響で灼熱地獄になる。ろうそくに火をつけている世話役の人たちの額からは、幾状ものの汗が滴り落ちている。でも、この地蔵は、何を語ろうともしない。ひたすた”耐えて”、”耐えて”いる。世話

【写真家・近未来探険家 酒井透のニッポン秘境探訪】埼玉県入間市の「透明人間の殺人鬼に狙われた芸術家」

透明人間に放火された家  ネット上には、廃墟に関する情報があふれている。廃墟の王様として知られる軍艦島から、廃墟マニアが見つけた廃屋まで、その数は2万とも3万とも言われている。ある日、ネットを見ていると『???』となる物件が目に止まった。  『透明人間の殺人鬼(電波物件・埼玉県入間市)』。このページには、人間を模したような絵が描かれている看板の写真がアップされていた。気になる… 〈この家に来て2・3年の頃。夜中寝ているとなんとなく人の気配がするので半分体をおこしたら、そ

【写真家・近未来探険家 酒井透のニッポン秘境探訪】愛知県豊川市の「琺瑯看板研究所」

1500枚あまりのホーロー看板  懐古マニアや古物収集マニアなどから悲鳴が上がっている。愛知県豊川市にある「琺瑯看板研究所」 が突然閉鎖されてしまったのだ。同研究所には、佐溝力(さみぞちから)さんが長年収集してきた1500枚あまりのホーロー看板が展示されていた。これまでに集めてきたものを合わせると6000枚に登る。  ホーロー看板というのは、鉄を使って作られた看板で、光沢のある塗装や印刷で仕上げられているのが特徴だ。『オロナミンC』や『仁丹』、『カゴメケチャップ』などとい

【写真家・近未来探険家 酒井透のニッポン秘境探訪】鹿児島県悪石島の〝ボゼ〟

奇声をあげ棒をふりまわす異形の神  鹿児島県の鹿児島本港から「フェリーとしま」(※)に乗って南下すること約11時間。トカラ列島の悪石島に伝わる『ボゼ祭り』は、悪石島で暮らしている子どもたちにとって、最も恐ろしい祭事となっている。  ヤシ科の植物である「ビロウ」の葉を身に纏い、巨大な面を着けた仮面神のボゼは、聖地を後にすると、赤土が塗られた棒を振り回しながら人の輪の中に突っ込んで行く。そして、ターゲットにした人の前に立ちはだかると、身体をこすりつけながら「ブルッ、ブル。ブル