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公認心理師試験を受けたお話

表題の通り。公認心理師試験を受けた話を書こうと思います。

アウトプットしたいな、と思っていたけど、なぜかずっとできなかったお話。なぜできなかったのか。それはたぶん、Gルート批判をあちこちで見過ぎてしまったせいだと思う。

そう、私はGルートで受験した。ある一定の条件さえクリアしていれば受験できる、5年間限定の特別措置。2022年の試験が特別措置最終回で、その一発にかけて受験し、合格した。

何故、公認心理師試験を受けようと思ったか。それは、元教員の友人とのとある会話から。

2020年、彼女とのとある会話で、私がこんなことを言った。

「私さぁ、教員を定年退職したら、学校の小部屋とかで、教室に入れない子たちとか、ちょっと話したいなっていう子たちの話を聞くおばあちゃんになりたいんだよね、先生とかカウンセラーとかじゃなくて、ただそこにいるおばあちゃん。お茶とおせんべい出したりしてさ、ただ話を聞いて、好きなこと言っているおばあちゃん。」

そしたら、彼女がこう言った。

「ねえ、公認心理師の資格とっておけば?役に立つかもよ。とりあえず、受験資格はあるよ。」

始めて聞く「公認心理師」。彼女が詳しく説明してくれて、大体わかった。そして面白そう!とも思った。

何せ、日々増える、心理的な不調を抱える生徒達。学生の頃に「教育心理学」なる科目を履修をしているけど、当たり前だけれど、そんなの役に立たない。自分の知識不足を自覚しはいても、何を勉強すればいいのかもわからず、何が正しいのかもわからず、とにかくただ必死に目の前の生徒に対応する毎日。

とりあえず、この試験勉強が役に立つかもしれない!と一筋の光を見た気がした。

そこからすぐ、現任者講習を申し込み、受講を開始。予備校や通信教育を受ける時間的余裕はないと判断し、自力で勉強しながら、2022年に受験することを決意したのが、2020年であった。

そこからは、朝4時半に起床し1時間~1時間半、勉強する日々が始まった。「学校」に関することは、経験があるから理解も速かったけれど、他の項目、例えば、統計とか脳とか体の仕組みとか病気の名前とか、とにかく新しいことが盛りだくさんで、予想以上に難しい・・・。

しかし、そんな時にはYoutubeにわかりやすくしてくれている動画がたくさんある!プロロゴスの山崎先生の動画には死ぬほど助けてもらったし、精神科医の松崎朝樹先生の動画もたくさん見た。

そしてペンギンシリーズの参考書のみを使い、ひたすら勉強した。過去問はこれでもか!というほど何周もした。

必死に勉強している一方で、「こんなに試験勉強して、たとえ合格したとしても、『公認心理師に合格しました』って自信を持って言えないな」と思っている自分もいた。

その理由が、たびたび目にしていた「Gルート批判」。

ざっくり言うと、大学などで心理学を専攻していないのに、ちょっと試験勉強して合格しただけで、「公認心理師」を名乗るなんてダメじゃん?!臨床のトレーニングも受けていないのに、カウンセリングなんてできるわけないじゃん?!という批判。

ごもっともだと思う。私、これに合格したからって、カウンセリングできる自信なんて全くないもん。そんな責任負えない。だから「公認心理師」なんて大っぴらに名乗れないし、名乗る気もない。

じゃあ、なんで受験したの?って問われると、前述したように、日々対峙する生徒たちの心の悩みのケアをする必要性がどんどん高くなってきている今、心理学の知識を身につけたかった。その入り口として、勉強するモチベーションとして、ペーサーとして、公認心理士試験は使えると思ったのだ。

「2022年が最終チャンス」という時間的制約、「合格」という目的がないと、「心理学の知識を身につけて、仕事に生かす」という目標に向けて動き始めることはできず、忙しさを理由に先送りをし続けていたと思う。

結果、合格できた。そして、心理学の大きな枠組み、基礎的な知識をさらっとカバーすることができた。ここから学びをどう深め、仕事に生かしていくのかは、私自身が決めて動いていくことだと思う。

公認心理師試験は、私にとってはとっかかりに過ぎなかったけど、とてもいいチャンスをもらったと思うし、心理職に携わっている人たちへの尊敬は増すばかりだ。そして、教員が心理的サポートをする限界も見えた。保健室が兼任するのも無理。スクールカウンセラーをフルタイムで配置して欲しい…。

そして、「カウンセラーほどではないけれど…」「カウンセリングはハードルが高い…」という子供たちの為に、いつかおばあちゃんが配置できるように、少しずつ今いる学校で種まきしていこうかな。


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