ハリーポッターと秘密の部屋

柳さんと見た!

ハリーポッターシリーズって冒頭虐待シーンから始めなければならないという決まりがありますか?

冒頭で「ドビー」とかいう知らない「やしきしもべ」が出てきて、全部に(?)と思っていたら話がぐんぐん進んでいくので置いていかれそうになった。ドビーのことを考えるのはやめることにした。

と思ったのも束の間、あのやしきしもべ、ハリーの手紙を全部ぶんどってたりすげえめちゃくちゃするんだけど、何!?ここに倫理観はないのか!?と思ってたらもうもうもう……
ドビー、許せません。

空飛ぶ車でロンが助けに来てくれたところは感動しちゃった。
ハリーの誕生日を祝ってくれる人がいるという事実に毎回少し泣きそうになる。
ロンの家族みんなに大歓迎されているハリーの構図、すごく良い。
でもハリーはそんなウィーズリー家のみんなを見て寂しいとか思ってたりしたのかな。
貧しいながらもみんな仲が良い家族なんだろうなぁというのがよくわかる。

汽車に乗れなかったロンとハリーを乗せて廃車寸前になった車が禁じられた森に行くシーンは、へ?どこへ行く!?と思っていたが、この野生化した車が後に2人の命を救ってくれるとはね……
車が野生化している上に意志を持って動いているのが面白可愛い。
自分をめちゃくちゃにしたロンに怒ってはいるし、おそらくそのせいで野生に帰っちゃったけど、ロンの命が危機に瀕していたらちゃんと迎えに行く車。男前だよ。
車が野生に帰るって何?

フィルチさんの猫ちゃんが宙に浮いてたのが本当に悲しかった。石になっているだけでよかった。
よくはない。猫ちゃんを石にしてはいけない。

ロンがなめくじを吐くだけの人間になった時、ハリーが「仕方ないよ」と言っているのを見て、まぁそりゃ仕方ないんだけど、ハリーってこういう諦観があるよなぁと思った。
いい意味で諦めがついているというか、悟っているというか。
あの家で育ったが故なんだろうか。

今回ロックハート先生が嫌な大人として描かれていたが、記憶を失った後の先生は天真爛漫でとにかく可愛かった。
なんらかの出来事のせいでああいう虚像の権力に縋り付くような性格になってしまったが、本来はああいう愉快な性格なのかもしれない。

ハリーって勇敢で優秀でちょっとワルだから、嘆きのマートルが好きになっちゃう理由がわかる。
ちょっとワルな男の子には惹かれやすいのもわかる。
規則をじゃんじゃん破っていく。それよりも大切で救わなきゃいけないことがあるからだ。
しかしもし私がよしんばグリフィンドールに入寮できていたとしたら、ハリーのことはめちゃくちゃ嫌いだったかもしれない。規則をやぶり、しょっちゅう減点されているからだ。
ライスロボは学生時代校則を遵守する生徒だったため。

リドルのアナグラムが私はヴォルデモートになるのにびっくりしたし、それが自分で付け直した名前であるというのにもびっくりしたし、過去あんなに美青年だったことにもびっくりした。
弱った結果あんな鼻が低くなって髪の毛も無くなってしまわれて……
そりゃヴォルデモートを信奉する者たちもまたヴォルデモートに力を取り戻してほしいと思うわな。
ダンブルドア校長は学生時代のリドルを知っているにも関わらず、ちゃんとリドル自身が後から付けてあげた「ヴォルデモート」で呼んであげるの、意志を尊重してあげていて優しいなと思った。さすが最も優れた魔術師は違うよ。

最後、ドビーがマルフォイから解放されたことで、あのめちゃくちゃな情緒と共にえげつない力を手にしており、こんな恐ろしい生き物おらんよ……と怯えた。
もう森の奥とかでひっそり豊かに暮らして精神を整えることに専念してほしい。
穏やかに、静かに暮らそう、ドビー。

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