ハリーポッターと死の秘宝2

柳さんと見た!
ああ!とうとうハリーポッターシリーズが終わります!
最初に言っておくと今回の感想文はアホの量ある。とにかく長い。なぜなら1万字以上あるから。
覚悟して読んでください。

冒頭からグリフィンドールの剣はベラトリックスの金庫に隠されていたと思っていたけど、金庫にあるのはスネイプがすり替えた偽物だと判明する場面でかなりすでにスネイプ!スネイプ!?って思いながら見てました。
バレたらえらいことになるだろうしめちゃくちゃ大変な仕事をしている。

ポリジュース薬でベラトリックスになって人に「おはよう」って言ってマジ?って顔されるハーマイオニー、かなりキュートだった。
ベラトリックスがおはようなんて言う訳がなさすぎる。デス・イーターにたぶんおはようって概念ないよ。

銀行の偉そうなゴブリンに服従せよの魔法を使ってしまうの、かなり悪いことをしててワクワクしますね。
というか服従せよの魔法を使うと人って恍惚としてしまうんだな。
そして銀行でロンがまた湿ってたけど今回もロンはめちゃくちゃ湿る。長いこと濡れている。ロン、湿りがち。

ベラトリックスの金庫には双子の呪文がかけられていて触れたものが分裂するせいで宝物がめちゃくちゃ増えて窒息しそうになるんだけど、これ増えた分もちゃんと実在を持って存在しているんですか?だとしたらめちゃくちゃお金持ちになれませんか?
私も諭吉に双子の呪文かけたいよ。

えらいゴブリンに服従の呪文をかけているので全ての動作がまったりしているんだけど、そのせいで銀行で飼っているドラゴンに一瞬で焼かれてしまうシーン、笑っていいいのかかなり迷った。テンポは完全にギャグのテンポだったんだけど、人(ゴブリン)があっさりと死んだので……
ロンの字幕が「あれまぁ」だったので笑ってよかったのかもしれない。いやゴブリン死んでるんだぞ。

銀行で飼ってたドラゴンが逃げ出して銀行がめちゃくちゃになってしまう場面、一番めちゃくちゃになってはいけないところがめちゃくちゃになってしまった!という衝撃があった。
ハリーのお金もここにしまってあるんじゃないのか。大丈夫なのか。しっかり顔を見られていたがちゃんとお咎めなしで済むか?

突然「こっちだポッター」の声が聞こえてついて行ったらダンブルドアそっくりなおじいちゃんがいるの、よく混乱せずに済むな……
アバーフォース、なんでここにきた!って怒るから第一印象怖い人だけどこの後話を聞けば聞くほどあまりにも真っ当な人だということがわかる。ドビーを遣わせてくれたのもこの人らしい。その節は本当に助かりました。

そして何も言わず机にバン!と食べ物と飲み物を置いてくれるアバーフォース、ハリーもロンもハーマイオニーもちゃんとしたものを食べられてないだろうという配慮なんだろうな……と思うと優しさに泣けてくる。
この人は言葉を使わなくても優しいことが滲み出ている。食べ物をくれる人が優しくない訳がないので……
実際ヴォルデモートと決着をつけてホグワーツ校内に帰ってきた時、アバーフォースが生徒2人と話しながら「こいつは肝が据わってた」と1人を指しながら笑っている場面があるのでマジでいい人。生徒をちゃんと守りながらも一人一人を見て活躍を褒めてあげられる人。教師向いてるよアバーフォースさん。

そしてダンブルドアに任された任務があるから力を貸して欲しいというハリーに「兄が課したのは仕事じゃない、自殺行為の任務だ。自分を大事にして長生きしろ」というアバーフォース、いい人じゃない訳がない。今まで誰もハリーに「自分を大事にして長生きしろ」なんて言ったことがなかったから。
ハリーの周りに必要だったのってこういう大人だったのかもしれない。ハリーのことを大事にしてくれる大人ってだいたいはジェームズやリリーのフィルターを通してハリーを見ているけど、おそらくアバーフォースはそういう目抜きでハリーを1人の子どもとして見ているよね。
そして後になったらわかるけど校長は(おそらく本当に死ぬことはないだろうという推測はしつつも)死ぬべき時にハリーが死ねるようにと生かしていた節があり、アバーフォースは兄のそういう部分が反吐が出るくらい嫌いなんだろうな。
そしてアバーフォースから「なぜ兄を信じる?」と訊かれて、特に強い理由とかないけど信じるんだ!って言えるハリー、あまりにも真っ直ぐに生きている。校長から貰ったものは確かにあり続けるものな。校長亡き今、もうそれを全うするしかないんだ。
それに対して「俺にウソをつくのはいいが自分を欺くのは愚か者がすることだ。君は愚か者には見えんぞハリー・ポッター」と言うアバーフォースさん、本当にいい人なんだよ。
俺に今この場でウソをつくのは構わないと言える人。しかしウソをつくならば自分が本当にするべきことを考えなさいとちゃんと諭してくれる人。自分の命は大切だと言ってくれる人……
ここって来るべき時に死ねと言っていたダンブルドアと対になるよね。

でも「僕の知ってる先生を信じる」と一点突破するハリー!今はそうするしかないものな。今までずっと校長を信じて動いてきたから、今さらそれを覆したらこれまでのことが無駄になってしまうし、ハリーが逃げ出したらヴォルデモートもいなくなるというわけではない。今ヴォルデモートに対抗できるのはハリーしかいない。まぁそう仕向けたのはアルバスなんだけど……
その頑なさにアバーフォースも折れちゃう。そういう頑なな部分は父親譲りなのかな。

そして絵画を通してやってきたネビル!一年生相手に磔の呪文を行使しろと言われて断って体罰を受けるネビル……ボロボロなのにそれを気にも留めないネビル……本当に強くなったんだなと思うんだけど、ネビルを強くした環境の過酷さに思いを馳せてしまう。
高学年になった今のネビルはたぶん低学年の子達を励まして、リーダーシップがある心優しい少年なんだろうなと思う。しかもできない子の気持ちがわかるからきっとできない子にも寄り添ってくれる。ああネビル……

ネビルがハリーたちを連れてきて「みんな!びっくりするぞ!」と言った時「もうアバーフォースの食えない料理は充分だよ」みたいなヤジが飛んでくるんだけど、アバーフォースさんってそんな軽口叩かれるくらいこの寮でご飯を提供しているんだと思うと胸が詰まる。
兄がいなくなって闇の魔法使いに支配された学校の子どもたちを救おうとしているじゃん。自分にできることをやろうと一生懸命動いているじゃん……

寮でやっとハリーと再会できたジニー、ロンもいるけど真っ先にハリー!って声をかけて、それにハリーが悲しそうな顔で「やあ」と答えるの、おそらくここでまた会えたとしてもまたすぐ離れ離れになるもしくはもう会えないだろうなと思っているのかなと考えると切ないものがある。
後ろで「6ヶ月ぶりの再会なのに兄貴は無視か?」「兄貴は大勢いるけどハリーは1人!」「黙れシェーマス」とかやってるので頑張って和むしかない。シェーマスは鋭いことを言う。ジニーにとっては本当にその通りなんだと思う……

スネイプに魔法攻撃をぶつけて逃げ出させるマグゴナガル先生、メロメロになってしまった。サラッとスネイプの後ろに立っている人も2人倒すマグゴナガル先生、お強くていらっしゃるのね……
その後ネビルの「許可してくれるんですか!?爆破を!?ドカンと!?」に「ドカンと!」って返すところ可愛かったし、「でも一体どうやって?」と言うネビルに「ミスターフィネガン(シェーマス)に聞いては?何でもかんでも爆発させる術がお得意のようですから」と言い「あんな橋一発だ!」と自慢げに言うシェーマスに「その意気です!お行きなさい」という場面、全ての良さが詰まっていた。
今まで画面の隅っこの方でサラッと流されていたシェーマスの爆破癖がここでこんな形で役に立つとは思わないじゃないですか!過去を思い出してアツい。

その後壁に嵌め込まれていた石でできた騎士の像に命を与えて「ホグワーツは脅かされています!盾となり守りなさい!学校への務めを果たすのですよ!」とキリリとして言った後横にいたロンの母に「この呪文一度使ってみたかったんですよ!」ってチャーミングに言うところ、ギャップでメロメロになってしまった。
この石像の場所に来るたびに一度魔法で動かしてみたいな〜って思っていたのかな。それが叶ったのかな。そりゃワクワクするよね。そしてここで石像軍隊を作ってワクワクするあたりマグゴナガル先生もグリフィンドールの人だな〜と思う。
この辺ずっと柳さんと一緒にキュンキュンしていた。

ヴォルデモート率いる死喰い人の集団、あまりにも数が多くてちょっとウケてしまった。死喰い人たちってこんなにいたんだ。いやここはウケるところではありません。

秘密の部屋の扉の蛇語の呪文を覚えているロン、お前お前お前〜!という感じだった。さすがロン。
秘密の部屋のバジリスクの牙をとりに行ってくる!そしたら分霊箱が破壊できるはずだから!というアイデアを出したのも、必要の部屋に入った人は地図には出ないと思い出したのもロンだったのでこういう時記憶の引き出しがスムーズに開くんだろうなと思う。記憶力がいいとはまた違った能力である気がする。

死喰い人の集団が駆け寄ってくる入り口(バリアは張られている)に1人ぽつんと立って「やーい!こいよマヌケ!」と煽るネビル、最初はどうしてそんな煽りを!?と思うんだけど後にここにいる死喰い人全員おびき寄せて橋を爆破させて全員落下させなければならないので腹立たしいと思われる行動をする必要がある。
それはそれとしてネビルはおそらくこれまで全く“煽り”をしてこなかったせいでこういう時咄嗟に出てくる言葉か「やーい!こいよマヌケ!」なの、愛おしいし、ネビルの優しいところめっちゃでてるでてる!
そしてこのおびき寄せの役割をするネビルって余裕で死ぬ可能性があったんだよね。敵の呪文が当たるかもしれないし、橋の爆発に巻き込まれるかもしれないし、落下するかもしれないし。おそらく自ら志願してやると言ったんじゃないかな。本当に勇敢な男だよ。
命からがら橋にしがみついて「大成功」って言うネビル、あまりにも輝いていた。
この後もルーナを探して「好きなんだ!命があるうちに伝えたい!」って言うネビル、セリフ自体はお互いこの戦いで死んでしまうかもしれないと死を覚悟したものなんだけど、すごい勢いで言うから熱量に圧倒されてしまう。

ロンとハーマイオニーが秘密の部屋で分霊箱を破壊してびしょ濡れになってキスするまでのテンポ感が凄すぎて前回もだもだしてたのは一体!?となった。
でも今回までもだもだしている暇はない。なぜなら命を賭けた戦いであるからです。
もう手っ取り早く結ばれるべきだった。なので今回サクッと結ばれました。
一方その頃ヴォルデモート卿は分霊箱が破壊されたことによって悶え・苦しんでいた。この対比笑ってしまう。

ホグワーツ戦ではトロールがたくさん出てくるんだけど、賢者の石でトロール一体にも悪戦苦闘していたハリーたちを思い出して感慨深かった。
今やトロールが敵に何体もいるホグワーツで戦っているんだよな、みんな。
あんなに小さかったのに、本当に強くなった。

必要の部屋でハリーと対峙したドラコ・マルフォイが、死の秘宝1で悪のアジトに連れて行かれた時に顔は潰れているけどハリーだとわかっててもベラトリックスにこれはハリーだと告げ口しなかった時のことを「なぜ?」って訊かれて、何も言い返せずに固まってしまってた場面、たぶんこういうちょっとした借りがあるからハリーはドラコを炎の中から助け出したくなったんだろうなと思う。

いやハリーならあそこでドラコがこれはハリーだ!と突き出していても炎の中からドラコを助けていたと思うけど、助けるモチベーションが上がったのはやっぱりこのシーンありきだよ。
ドラコは本当の悪に染まってから自分の消しきれない誇り高さや善性を自覚して苦悩していたんだろうな。
ロンの「俺のハーマイオニーに何をする!」の場面も良かった。ハーマイオニー嬉しそうだったね。俺のハーマイオニーだって。時間かかったね。6年、7年?ふふふ。

ルシウス・マルフォイ、今回のホグワーツ戦の時点で弱っていくヴォルデモートを見て「戦いを中止されたほうが賢明なのでは?」と進言する等、この時点でもうかなりヴォルデモートの部下であるモチベーションが無くなっていたっぽい。部下になった息子ずっと泣きそうな顔してるしね。
まあ確かに八つ当たりで死にたまえ!の呪文をうってくるような男の部下でいたくはない。ヴォルデモート、責任転嫁の天才だし……

スネイプが殺されるシーン、ヴォルデモートは死の呪文すら使われなくて蛇を使って殺されるのが不憫だなと思う。自分がこんなタイミングで殺されるなんて予想だにしてなかっただろうし、痛かっただろうな。
「自分の涙を取れ、頼む。これを憂いの篩へ」という時、どんな気持ちだったんだろう。最後にハリーが居合わせてくれたことへの、そしてもう二重スパイを終えられて全てを知ってもらえる安心なのかな。
ハリーが来なかったらこの真実は一生誰にも知られないまま、死喰い人スネイプとして生を終えることになったわけだから。
「私を見てくれ。リリーと同じ目をしている」と最後に言った時、今まで見たことがないくらい穏やかな顔をしていたものな。
ずっと愛し続けた人と同じ目を持った、これまでずっと守ってきた子に看取られるスネイプの心が穏やかなものであったことだけは救いかもしれない。

ここからは憂いの篩で見た過去の回想です。
幼少期、ジェームスよりも先にリリーに出会っていたのにジェームスに愛するリリーをとられてしまった(この言い方はおそらく適切ではないけど、スネイプからはそう見えているので)スネイプの心中は察するに余りある。
それでも自分がヴォルデモートに進言した言葉によってリリーが危険な目に遭うかもしれないと気付いて一目散に校長に助けを求めに行くスネイプ、こういうところが校長にとっては憎めないところなんだろうな。そしてスネイプはその代償に一生をかけて二重スパイをやることになる。

リリーを救ってくれなくて泣きながら詰め寄ってくるスネイプに向かって「リリーとジェームズは間違った人間を信用した。お前も同じじゃ」と声をかけるダンブルドア、そんな、そんな言葉の選び方があるか!?とひっくり返ってしまった。
自分を信用したのがそもそもの間違いだと言うダンブルドア、あまりにも不器用だよ。恨まれてもおかしくなかった。
でもスネイプはハリーにそれを明かさないと約束するならリリーと同じ目を持った子を命を賭けて守ることを決意する。

ここからハリーとの出会いが始まりジェームズの悪口を延々と言い続けるスネイプに父を悪く言うな!と反抗するハリーの声が入るんだけど、これを追体験したハリーは胸が痛むだろうなと思う。
ハリーは良くも悪くも父親を知らないから、父親がスネイプに刻んだ心の傷なんて知る由もないよね。
そしてダンブルドアが1年以内に死ぬことも、スネイプに殺されるであろう覚悟をしてそれをスネイプに打ち明けていたことも、時が来たらハリーは死ななければならないことも知る。
「あの子は死なねばならぬ」というダンブルドア、本当にすごい。ダンブルドアほどの人だったらもっとたぶん言い方がたくさんあると思うんだけど、スネイプの前ではそのクッションのようなものを一切合切取り払って話をするから超合理主義で冷酷な人に見える。

ハリーは死ぬべきだと言うダンブルドアに「死ぬべき時に死ねるように生かしておいたのですか?屠られるべき豚のように育ててきたのですか?」と詰め寄るスネイプ、やっぱりハリーに対する愛情が少なからずある。
そしてそのスネイプに「まさかあの子に情が移ったのではあるまいな?」と返すダンブルドアはマジで人の心がない。
そりゃ!命をかけて守ってきた愛する人の息子が!ヴォルデモートの滅亡のために死ななければならないと知ったら!動揺するでしょうが!そんな言い方ないって〜
スネイプの過去編ではずっとダンブルドア校長にそんな言い方ないよ!って叫んでいた。マジでもうちょっと言葉を選べ。

ハリーは全てをスネイプの死後に知るの、虚しいばかりだろうなと思う。死後その人を称えても声は本人に届かない。
感謝の言葉も、謝罪もできない。
でもスネイプがそれを望んだんだものね。本望ではあったのかな。

そしてスネイプがエクスペクトパトローナムで雌鹿を出すシーン、イマイチピンと来なかったのですが後から柳さんに解説してもらったところ、魔法使いの守護霊はあまりに衝撃的な出来事が起こると変わってしまうことがあり、スネイプはリリーという愛する人の死によって守護霊が変化して、そしてリリーの死から10数年経った今もリリーのことを愛し続けている証明があの牝鹿の守護霊であると知ってからあのシーンの深みが桁違いになったんですけど、これは本編で説明すべきかも!
黙っておいていい情報ではないかも!


この後ハリーは覚悟をしてヴォルデモートの元に向かうんだけど途中で仲睦まじげにしているロンとハーマイオニーを見て満足げな顔をするんだよね。
もう自分はいなくてもいいな、この2人は大丈夫だなの顔だった。
そして何を知ったの?と尋ねるハーマイオニーに「なぜ分霊箱の声が聞こえるのかなんとなく気付いてた。君もそうだろう?」の声をかけるとハーマイオニーはワッと泣き出して「一緒に行く」と言ってハリーにハグするんだよね。残って蛇を退治しなければならないから一緒には行けないんだけど、ハリーはハーマイオニーのその言葉が欲しかったのかもしれないな……

ロンも後ろにいるんだけど、ハリーは自分が死にに行くと説明をする気がないからロンはたぶん本当の意味がわかってない。
ハリーがこれから死にに行こうとしているとわかっているハーマイオニーと、よくわからないけどおそらくハリーは危険な場所に赴こうとしているんだろうと思っているロンとじゃ天と地ほどの差がある。
ハリーはあえてこの言葉を使ったんだと思うんだけど、それってやっぱり聡明なハーマイオニーを信頼してのことだなと思う。ハーマイオニーならわかってくれるという確信があった。そしてこういうときハグをするのもやっぱりハーマイオニーなんだよね……
ロンとは一言も言葉を交わさない。でもそれが2人の友情のあり方で、ロンはそれをわかってくれると思っていたからこういう形をとったんだろうな。

蘇りの石を使って両親やシリウス、ルーピンと話をして覚悟を決めたハリーがヴォルデモートのいる森に向かう場面でハグリッドは捕えられているんだけど、そこで柳さんが「お前が今ヒロインやるの?ハグリッドにはその資格があるからいいか……」って言ってたのでめちゃくちゃ笑ってしまった。急にハグリッドが昔のピーチ姫に見えてきた。

ヴォルデモートに死にたまえ!の呪文をうたれて精神世界に行ってダンブルドアに出会うハリー、本当にダンブルドアのこと信頼しているんだろうなというのがわかる。こういう時ダンブルドアの言葉を必要とするんだ。ハリーは。
ここでダンブルドアがわしは言葉を操るのが得意で傷つけるのも癒すのもできる。と言っていて、スネイプ先生の時はやっぱりあえてあの冷酷な言葉選びをなさったんで……?と思うと怖くなってくる。

ハリーの死を確認する時ドラコ母が行くんだけど、生死の確認そっちのけで「生きてるの?ドラコは生きてるの?」と尋ねるドラコ母、それに静かに、かすかに頷くハリーを見て満足そうに「ハリーは死んだ」と宣言するドラコ母、見事だった。
マルフォイがヴォルデモートを裏切った瞬間なんだけど、その理由が息子が生きていると確信を持てたというのが美しい。
家族みんな薄々この人の元で働くの無理だな……って思ってたんだな。
そしてヴォルデモートが学校に再びやってきて、ホグワーツ生みんないる前でドラコ父がデスイーター側にドラコを呼び寄せるシーン、今ここでやる!?みんなの前よ!?ドラコが可哀想だよ!って思いながら見ていた。まあでもここで息子呼んでおかないとこの後めちゃくちゃになるのが目に見えてただろうからな……
親としては懸命な判断ではある。ドラコとしてはかなり最悪だろう。
そしてマルフォイ家はそのままヴォルデモートを見限って戦いには参加せず去っていく!見事!クレバーな選択!だって生きていれば人生なんてどうにでもなるから!みんなが揃っていればまたいくらでもやり直せるから!
マルフォイ家はみんな生きているから、このまま誰も失うことなく戦線離脱した方がいいに決まっていて、その見切りを真っ先につけたドラコ母は美しかった。
最後何度もホグワーツの方を振り返るドラコ父に比べて母は一度も振り返りもせず、ドラコの手を引いてズンズンと歩いていっていたのが印象的。

ヴォルデモートにひと言言いたい!と言って前に出ていくネビル、蛇の頭を持っていたグリフィンドールの剣で見事ぶった斬ったネビル、君が今回のMVPだよ!
本当にかっこよかった。主役かと思った。何度見てもロンとハーマイオニーを襲おうとした蛇の頭をネビルが斬るシーンは惚れ惚れしてしまう。
グリフィンドール生がみんなネビルみたいだったらいいのに。グリフィンドールの悪いところが全部無くなったのがネビルだと思うので、これから教師としてホグワーツの生徒を導いておくれ……

ジニーに呪文を当てようとしたベラトリックスに激怒して、「私の可愛い娘に何をする女狐!」と言いながら呪文をぶつけて最終的には文字通り粉々にしてしまったロン母、あまりにもかっこよかった!この女狐、ネームドキャラを殺した数はおそらく一番ですよ。
常に優しくて明るくいい母親だったモリーが立派な魔法使いである姿を見せてくるの、ずるい。かっこいい。ドラコ母とは違った面で母、強し!と惚れ惚れする。

ヴォルデモートとの最後の戦いで「終わらせよう、トム」と呼ぶハリーの強者感!
ここであえて昔の名前を使うハリーはダンブルドアに言葉の強さを教えてもらった人だよ。みんなが崇拝するヴォルデモート様じゃなかった頃のトム。

最後の場面でフィルチさんが瓦礫を片付けるシーンが少し挟まるんだけど、1回目見た時はパートナーの猫ちゃんが見えなかったのでまさか猫ちゃんあの戦いで死んでしまったのか……?そんな……でもフィルチさんも途中怪我をしていたしその時……と思いながら2回目見たらフィルチさんの足元でちゃんと丸まってくつろいでいた!よかった……最後まで元気だった。偏屈フィルチさんと仲良く元気いっぱいたくさん長生きしてほしいよ。

最後、突然19年時が飛ぶのでマジでびっくりした。
19年!?19年!?めっちゃ刻むじゃん!って騒いでいた。
ハリーたちが親になっている〜!こういうの大好き!
ここ、役者さんはまだ10代とかだと思うんだけど、髪型やメイクで親世代に見えるのすごいよ。

リリーの瞳を持った次男の名前にアルバス・セブルスって付けるハリー、かなり肝が据わっている。
スネイプ先生見てる!?今どんな気持ち!?大丈夫!?誰よりも勇気がある人だったってハリー言ってるよ!どう!?って騒ぎ立てちゃう。


スネイプ先生ってハリーを命をかけて守っていたけどそれはそれとしてジェームズの生き写しのようなハリーのことが普通に気に食わなくはあったと思うのでほんと愛憎入り混じる複雑な気持ちで接していただろうな。それはそれとして会話をしている時に目を逸らさないハリーにずっとうっすらリリーを見出していたんだろうか。
リリーが死んで10数年経っているのに生まれてから死ぬまでずっと1人の女性を一途に愛し続けたセブルス・スネイプ、すごい男だよ。

そして最後の映画で超合理的で冷酷なところが出るダンブルドア。
だからって今までハリーのことを助けたり、かけた言葉が無に帰すわけじゃなくて、人って多面的ないきものであり、そういう合理的で冷たく見えるような部分があったからこそ包容力が際立つし、あたたかくて人にチャンスを与えるようなホグワーツの校長という難しい立場をやれていたんだろうなというのもよくわかる。
それはそれとしてスネイプ先生にかけた言葉選びはかなり最悪だった。校長ほどの人だからあえてなんでしょうけどね。でも肝心なこと何も言わないからさ。わかんないよ。何考えてたのよずっと……
「愛じゃよ、ハリー」でわかってくれるハリーでよかったね。

これからはファンタスティックビーストです!これを書いている今もう1は見たので2と3も楽しみだよ。
アルバス・ダンブルドアが出るらしいじゃないですか。
アルバス・ダンブルドアが何を考えてたか教えてくれ〜

そしてここまで付き合ってくれた柳さんに尽きない感謝を!
柳さんがハリーポッター見ましょう!って声をかけてくれなかったらおそらく自分がハリーポッターを見たことがないという点をアイデンティティにして自分から見ることは一生なかったと思うので、本当にありがたいチャンスを頂いた。
そして見てよかった!
世界中から愛されている作品だからそりゃそうだろ、何を今更と思われるはずなんだけど、ハリーポッターって本当に面白い作品なんですね。
しばらく余韻に浸りつつ、余裕があれば続編の呪いの子とかを読んでみようかなと思います。

ここまで読んでくれた方、ありがとうございました!

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