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一人でもできる! パーフェクト宅飲みガイド(抄・その2)(機関誌『自炊のひろば』創刊号より)

【注意】この記事は、自由炊事党機関誌「自炊のひろば」創刊号(2019年11月発行)に掲載された記事の一部を、見本として掲載するものです。都合により予告なく公開範囲を変更しまたは公開を取りやめる場合がありますので、ご了承ください。

(その1の記事はこちら!)

買い物と材料の保管

 作るものが決まったところで、いよいよ買い物である。卵とほとんどの野菜は常温保存が可能であり、5~3日前のうちに特売日や暇な時間を見計らって買っておくのが吉だ。ただし、夏場はレタスと人参は冷蔵保存が必要であり、冬場でも傷まない工夫が欠かせない。レタスやキャベツなどの葉物野菜を保存する際は切り口の面積を極力小さくし、切り口を上に向けておく。冷蔵する場合は新聞紙又はビニール袋にくるむ。芯をちぎり取るとその不規則な切断面から傷みが進行するので推奨しない。人参は乾燥も湿気も大敵であり、夏場は袋の中で蒸れないよう温度変化に注意する。水滴から腐敗が進行するので水滴が見つかったらすぐに袋から取り出す。冷蔵保存と冬場の常温保存をする際は乾燥を防ぐためビニール袋に入れておく。スーパーや八百屋の袋は野菜の鮮度を維持する特殊な材質なので、買ったときの袋に入れておくのが良い。
 前述したとおり、玉葱・ニンニク・生姜・鷹の爪は長期保存できる。また、ベーコンも冷凍保存がおすすめである。ジャガイモも長期保存できるが気づかぬうちに芽が出てしまうことがある。多少なら取り除けば良いが、あまり成長が進むと全体がしなびて栄養も損なわれるので大量に買い込むのはおすすめできない。
 スーパーや八百屋は、それぞれに得意不得意がある。筆者はおおむね、以下のように使い分けをしている。

・基本的な野菜類:規格外品の野菜を中心に安売りをしている八百屋
・ハーブなど珍しい野菜:野菜を得意とするローカルチェーンのスーパー
・乳製品と挽肉:輸入食料品が安い外資系スーパー
・その他:最寄りでポイントカード会員に登録した全国チェーンのスーパー

 また、羊肉とスパイスはエスニック食材店で買うことを強く勧める。羊肉は1kgあたり1,200円など、他の肉と遜色ない値段で買える。
先述した買物メモのほかに、常温保存できる酒と炭酸水、ミネラルウオーターとお茶も買っておこう。

3日前までにできる仕込み

 あまり仕込みが早すぎると傷んでしまったり風味を損なってしまったりするおそれがある。したがって、ほとんどの調理工程は前日か当日に行うのがよい。しかし、ソースや煮込み料理などは早めに作ってしまってかまわない。作れるものをどんどん作っておこう。また、トマトとアボカドは追熟の必要があるため早めに買うのが吉である。

◆ラザニア用のホワイトソース
フライパンでバター30gを弱火で熱する
溶けたら火を止め、小麦粉40gを入れて練る
弱火にかけ、牛乳400ccを少しずつ加え、ダマにならぬよう慎重に伸ばす
コンソメ・塩胡椒で味を整える
◆ラザニア用のミートソース
玉葱1個・ニンニク1カケ・人参1本・マッシュルーム1パック・セロリの根1本分はすべてみじん切りにする
フライパンを中火にして挽肉500gと玉葱・ニンニクを炒める
脂を捨てたら①の残りをすべて加えてさらに炒め、トマト缶1缶とコンソメを加えて煮込む
あればローリエやセロリの葉なども入れて臭みを取る
★ミートソースは倍量できるため半分は冷凍保存しておくとよい。

 また、これくらいのうちに氷を作っておくと安心である。ドリンク1杯あたり3~4個の氷を使うと考えると、製氷皿1枚分ではすぐになくなってしまう。ミネラルウォーターを使って、時間のあるうちに氷を準備しよう。

2日前までにできる仕込み

 3日前と2日前との違いは大きくないが、たとえば炒め物であれば汁が出すぎないようあまり早く作ってしまうのは避けるなどの区別が一応ある。中華であれば自分で食べる分も一緒に作ってしまい、少しずつ食べ進める こともできるだろう。

前日までにやっておきたい仕込み

 これまでの3日前・2日前と違い、前日は最も重要である。3日前・2日前に終わらなかった煮込み料理はここで作ってしまわないと当日あたふたすることになる。また、デザートもここで作ることが多い。

◆ミネストローネ
人参1本・ジャガイモ2個は皮をむいて1cm角くらいに切る。ジャガイモは水にさらしてアクを抜き、共に電子レンジで7分チンする
玉葱も同様に切り、電子レンジで2分チンする。ベーコン半量も1cm角に切る。ニンニク1カケはみじん切りにする。マッシュルームは軸を外し4等分程度にする(大きさを合わせる)
鍋又はフライパンにオリーブオイルを熱し、ニンニクとベーコンを弱火で炒めて香りを出したら玉葱、①、マッシュルームの順に加えていく
トマト缶1缶と同量の水、コンソメ大3を加え煮込む。あればローリエを入れる

 ハイボールを飲む場合は、レモンを切っておこう。くし形(上から見ると扇形に広がる、リンゴなどと同じ切り方)に切って房の境目の中央部分に切れ込みを入れ、目視できる範囲で種を取り除いておく。こうするだけで絞りやすさが格段に向上する。

(その3に続く……!)

★この記事を書いたのは

秘書 はしも
“きたなうまい店”を自称する宅飲み大好きおじさん。張り切ってコース料理を作るが、デザートまで出し終える頃には酒が回って寝落ちして閉店するのが常。お代を踏み倒されたことは一度もない。あまりにも酒に弱く頻繁に終電を寝過ごした過去と決別し、家飲みの道に足を踏み入れた。ビールグラスに常にエンジェルリングを作ろうと心血を注ぎ、旅行先では地酒と郷土野菜の購入に余念がない。党内ではお茶汲みとコピー取りの担当だったはずだが、酒しか汲んでいないと噂されている。

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