見出し画像

新しい音楽はどのように評価されるか?

22日に福井大学で作曲家の星谷丈生氏と対談形式の講座を行います。「新しい音楽はどのようにして評価されるか?」。対面だけでなく、オンライン(Zoom)での聴講も可能です。申し込み期日がかなり前倒しで設定されていることに気づかずに、「開催が近づいたら宣伝に協力するか・・」などと別件にかまけていたら期限ギリギリ。さすがに宣伝に全く協力できないのはマズいので、募集期間をギリギリまで延ばしてもらいました。コンサートチケットだって、直前の1週間で全体の半数以上が売れたりするのが現代音楽「あるある」でしょう?よって、大学のHPの締め切りを過ぎても、開催前日の21日まで受け付けをいたしますので、私か星谷氏までDMを頂ければ(junichi.ishizuka@gmail.com宛 @は半角に置き換えてください)、と。

《お申込みに必要な情報》
・名前、ふりがな
・性別/男性、女性、回答しない ※いずれかを選択
・生年月日(西暦)
・職業(学生、会社員、公務員、自営業、会社役員、自由業、専業主婦(夫)、パ ート・アルバイト、団体職員、無職、その他)※いずれかを選択
・電話番号 ※平日の日中に連絡が可能な電話番号
・住所

【記入例】
・名前 福井太郎(ふくい たろう)
・性別   男性
・生年月日 2000年1月1日 
・職業   学生
・電話番号 0776-00-0000
・住所   〒910-8507  福井市文京3丁目9番1号

****

批評といえば、昨年かなり印象的な出来事がありました。書評家の豊崎由美氏がTikTokでの書籍紹介を「批評ではない」、と論評した件です。この件について、私が大変に驚いたのは、豊崎氏を批判する意見が予想外に多かったこと(炎上といっても過言ではないありさまでした)。当のTikTokでの紹介を幾つか見ましたが、あれらが中高生に対しそれなりの影響力をもち、幾ばくかの商業的な価値を持つことを認めるに吝かではありませんが、批評であるかと問われれば「批評とはいえない」と断言しても良いと思います。

感想をいうことと批評することは同じではありませんし、批評の価値は対象となる商品の宣伝に役立つか否かでは決まりません(よって、「豊崎氏の批評よりTikToker氏の感想の方が、本屋の役に立っている」といった批判は、正直、日々批評に取り組んでいる身としては正直受け入れがたいものでした)。優れた批評より、ある種の共感をよぶ(感情的)表現の方が、商業的には有益ということはえてしてあるものです(この点については、講義の中で例示します)。この有益性を否定はしませんが、批評の良し悪しとは別の位相にある話だと考えています。

では、批評とは実際にどのように行っていくのか。本講座は、音楽批評についての講座ですが、音楽とはきわめて抽象的な構築物で、これに対する批評もまた、作品の構造を解析していくなど、抽象的なものとなりやすいものです。だから、私はここであえて、音楽ではなく映画を例にとって批評してみようと思います。題材は、黒澤明の『羅生門』。ネタバレで価値を失う映画では全くありませんが、講義の中でかなりのネタバレをすることになると思うので、気にされる方は事前にご覧になっておいてください。一つの着眼点をいかに肉付けし、作品/作家を読み解いていくか、というプロセスをお見せできれば、と考えています。

そのほか、批評に対する評価軸について、テクノロジーがいかに音楽を、あるいは批評の評価軸を変えたのか、レトリックとその限界について、といった話もできれば、と。

私も星谷氏も、現在の音楽批評の現状に不満があるわけです。星谷氏がいうように、1970年代の日本の音楽批評が現在よりきちんとしたものだったとしたら(といってるそばから、近藤譲氏より、コンサートに来ないで新聞に批評を書いてしまったある高名な音楽学者の話を伺った・・)、それはいったいどのような要因があり、何が現代の音楽批評を難しくしているのか、という点にも言及できれば、と考えています。

2時間でどれだけのお話が出来るかは未知数ですが、かなりコアな話にも踏み込めれば、と(そのための星谷氏の存在でしょう)。ご期待ください。

19日までは、下記リンクから申し込みができます。その後、申し込みをされる方はご相談ください。

【講座番号22】《オンライン開催》新しい音楽はどのようにして評価されるか? (シリーズ音楽の価値とは?Vo.2.) - 福井大学 地域創生推進本部福井大学 地域創生推進本部 (u-fukui.ac.jp)

【講座番号22】《対面開催》新しい音楽はどのようにして評価されるか? (シリーズ音楽の価値とは?Vo.2.) - 福井大学 地域創生推進本部福井大学 地域創生推進本部 (u-fukui.ac.jp)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?