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12月1日 松平頼曉 アリアと変奏 

松平頼曉 アリアと変奏

2022年12月1日(木) 
杉並公会堂小ホール
18:30開場、19:00開演

前売一般 3,500円, 前売学生 2,500円, 当日 4,000円

松平頼曉。現在、91歳の現役作曲家である。総音列技法、12音列の「誤用」による旋法性、ピッチ・インターヴァル技法と、システマティックな方法論によりつつも、柔軟なアイディアに富んだ数々の作品で、今なお日本の創作界の最前線に立つ。

松平には奇妙なオペラがある、≪The Provocators ~挑発者たち≫。このオペラの際だった特徴は、3つのアリアが、既存の声楽作品の自己引用であり、「既存の作品をアリアとするオペラは出来ないか」と、オペラが後付で構想されていることだ。よって、この3つの声楽作品は通常のオペラとは一味違った、際立った密度と、独自コンセプトとを併せ持つ。

そして、ピアノソロのための≪主題と24の変奏≫。1957年、松平が、日本で最初の総音列技法による作品、ヴァイオリン、チェロ、ピアノのための≪変奏曲≫でデビューを飾ったことを思い出そう。その松平が半世紀余を経て、「変奏曲」へと戻ってきた。実に、演奏時間40分超!この驚くべき緻密さとテンションを併せ持つ新作の世界初演となる。

演奏は、いずれ劣らぬ現代音楽、並びに松平頼曉作品演奏のスペシャリストに、今回、数々のクラシックオペラでの活躍で知られる秋本悠希が加わる。システムが作り出す変幻自在な音世界をお楽しみ頂きたい。

●プログラム

イッツ・ゴナ・ビー・ア・ハードコア!(1980/2005)
It's gonna be a hardcore!(1980/2005)
松平敬(baritone)、篠田昌伸(piano)

ビー・イン・ザ・ケージ(2005/2018)
Bee in the Cage(2005/2018)
太田真紀(soprano)、榑谷静香(piano)
*ピアノリダクション制作:小内將人

ベッドサイド・ムーンライト(1982)
Bedside Moonlight(1982)
秋本悠希(mezzo soprano)、榑谷静香(piano)

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主題と24の変奏(2015:WP)
Theme and 24 Variations(2015:WP)
中村和枝(piano)

演奏者が一部、当初発表とは異なっております。

●チケットお取り扱い
カンフェティチケットセンター
https://www.confetti-web.com/detail.php?tid=69641&
0120-240-540 (受付時間 平日10:00~18:00)
≪WEB予約の注意事項≫
・ご予約前に、お得な公演チケットサイト「カンフェティ」への会員登録(無料)が必要となります。
・セブンイレブンの発券手数料がかかります。

●後日配信予定(Zaiko)
近日配信チケット発売予定(12月11日より3週間ほどのものとなる予定)

●お問い合わせ:transient2020@gmail.com
080-5496-6854(石塚)
文化庁「ARTS for the future! 2」補助対象事業
主催:TRANSIENT

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出演者プロフィール

太田真紀(Maki Ota)

大阪音楽大学大学院歌曲研究室修了。東京混声合唱団に所属後、文化庁新進芸術家海外研修制度にてローマに滞在。「松平頼曉声楽作品集」発売中(コジマ録音)。ギタリスト山田岳とともに企画主催・主演を務めたオペラ《ロミオがジュリエット Romeo will juliet 》(作曲:足立智美、演出:あごうさとし)にて第76回文化庁芸術祭音楽部門大賞、第21回佐治敬三賞受賞。神戸大学、和歌山大学非常勤講師。


太田真紀(Maki Ota) (c)渡邊一生

秋本悠希(Yuki Akimoto)

東京藝術大学を経て、同大学院博士課程修了。文化庁新進芸術家在外研修員としてロンドンの英国王立音楽院オペラ・ディプロマに留学。コンセールマロニエ21、リチャード・ルイス・アワード、英国音楽コンクール等で優勝。2020年ウィグモアホールのリサイタルに出演し英国デビュー。NHK交響楽団、読売日本交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、オーケストラ・アンサンブル・金沢をはじめとした多くのオーケストラや指揮者と共演。

秋本悠希(Yuki Akimoto)

松平敬(Takashi Matsudaira)

東京芸術大学卒業、同大学院修了。現代声楽曲のスペシャリストとして、湯浅譲二、西村朗など150作以上の新作を初演。サントリーホール・サマーフェスティバル、新国立劇場などに出演。ソロCDとして3枚のアルバムを、チューバの橋本晋哉氏とのユニット「低音デュオ」名義としても2枚のCDを発表。2019年には著書『シュトックハウゼンのすべて』を出版。平成22年度文化庁芸術祭優秀賞、第32回、第34回ミュージック・ペンクラブ音楽賞を受賞。

松平敬(Takashi Matsudaira) (c) Lasp Inc.

篠田昌伸(Masanobu Shinoda)

東京藝術大学、同作曲科大学院修士課程修了。第22、27回日本交響楽振興財団奨励賞、第74回日本音楽コンクール作曲部門第1位、等受賞。2006年just composed in YOKOHAMA、2011年武生国際音楽祭等に作品が招待される。現代ピアニストとしての活動も多く、様々なアンサンブルに参加するほか、2021年「篠田昌伸ピアノソロ(?)Synchronized」をオペラシティにて開催する。

篠田昌伸(Masanobu Shinoda)

榑谷静香(Shizuka Kuretani)

東京都出身。東京音楽大学ピアノ演奏家コース卒業。古典作品から新作初演まで、幅広く演奏活動を行う。大学在学中より同時代の作曲家たちとの企画に積極的に携わっており、これまでに数多くの新作初演を手がけている。録音作品においては、小出稚子作品集【南国の魚、極彩色の夜】(配信限定版)、星谷丈生作品集【四季】(fontec)、川上統【組曲『甲殻』】(ALM Record)がリリースされている。

榑谷静香(Shizuka Kuretani)

中村和枝(Kazue Nakamura)

日本現代音楽ピアノコンクール、スペイン・シッチェス20世紀音楽コンクール共に優勝。国内外の現代音楽演奏会にソリストとして出演し、同時代の作曲家の新作初演・再演・録音を数多く手掛ける。2002年からは作曲家・山本裕之と現代音楽ユニット"claviarea"でのコンサート活動も行う。CD≪to you from・・・≫≪松平頼暁・24のエッセーズ≫をリリース。尚美ミュージックカレッジ、JML入野義朗音楽研究所講師。ピアノのアトリエ主宰。

中村和枝(Kazue Nakamura) (c) Jun'ichi Ishizuka

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松平頼曉(Yori-Aki Matsudaira)

作曲家、生物物理学者 。松平頼則 (1907~2001)の息子として東京に生まれる。14 歳のころ「科学と、情念のみに依存しない作曲の可能性」に関心をもち、東京都立大学理学部生物学科に進学。1956年、下山一二三ら頼則の弟子とともに「グループ20.5」を結成。 1958年から立教大学理学部で教え、1965年に東京都立大学で理学博士号取得、立教大学教授を1996年まで務めた。総音列主義を試みた後、1961~62年の一柳慧の帰国およびジョン・ケージの来日を経て不確定性に関心を寄せ、電子音楽《トランジェント ’64》(1964)を発表。1960 年代後半、アメリカでロバート・ラウシェンバーグの「コンバイン・ペインティング」に接し、引用を実践。《アークのためのコヘレンシー》(1976)以降、総音程音列を反復的に用いる「新しい旋法性」を採りいれ、《オーケストラのための「尖度 I」》(1982)では新しい旋法性にもとづく「ピッチ・インターヴァル技法」を初め て厳格な仕方で導入した。1980年、《マリンバ とオーケストラのための「オシレーション」》 (1977)で第28回尾高賞受賞。1998年、紫綬褒章受章。日本現代音楽協会(JSCM)委員長(1998~2002)、国際現代音楽協会(ISCM)名誉会員。

松平頼曉( Yori-Aki Matsudaira) (c)Jun'ichi Ishizuka


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