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[モバイル&サウンド 54]〜AIシンガー"Synthesizer V"を試す(2)

今回の[モバイル&サウンド]は、先日オリジナルのデモで試したAI音声合成ソフトの”Synthesizer V”とその周辺についての続編。

オリジナル曲”囚われのタマシイ”ワン・コーラス・バージョン

前回デモ用に作った短い曲をワン・コーラス・バージョンにして、ハモらせたりもしたのがコチラ。

今回もフリー版のSynthesizer V Studio Basicで+小春六花(ライト版)に歌ってもらったもの。

これは。。。「スムーズに」なるように何度も歌わせて、細部を整えていったんだけど、それは「リズムを含むメロディ」を探りながら譜面(スコア)を書くようにグリッドに並べたもので、この界隈での所謂「調声」っていうようなことはしていない。

ただし、使った印象ではNEUTRINOやVoiSonaと違って、グリッドへの音の置き方によって、かなり特徴のある歌い方をしてくれる。



グリッド上でのフレーズの置き方

以下は歌で工夫したパート(太字)。

ギリギリまでキリキリ舞い 飛ばされて
揺れる視線 倒れそうで 限界線

風の気配が導く 怪しい企み
明日を占う何かを 探し求めて 

ギラギラした欲望の海 泳がされ
虚飾の光 目が眩みそうな 境界線

危険な匂いが導く 虚ろなトキメキ
飾られたコトバの画面は 仕舞い込んで 自由に

囚われのタマシイが 息を潜めて
色褪せた思いを 闇に翳して

満たされない タマシイが 光放って
壁のない檻の中 繋がれたまま

Where will you go?
I’ll still be there


・揺れる・倒れそう・ギラギラした・潜めて
「ゆれる」、「たおれそう」、「ギラギラした」って母音を入れ込むことで、「う」「あ」「イ」が小節アタマに来るようにしたところ。。。

「揺れる」「倒れそうで」のグリッド

音階がはっきりと「ド・レ・ミ」みたいな発声ではなく、「ドーレーミー」ってシームレスに徐々に音階が変化するシンセサイザーのポルタメントみたいになっている。

シンコペーションさせるとしっくりくるのとこないものがあったり、変化をつけるためにこういう感じにした。

曲のアタマからいきなり「ぎいりぎりまで」ってやると、ちょっとクドイ!?みたいな。。。でも、「ギラギラした」って次のところも同じだと変化に欠けるって感じで、こうなった。

縦棒”|”を小節の区切りだとするとー

「|ラギラした」
|ーラギラした」
「ギ|ラギラした」

みたいなパターンがあって、アクセント(太字)も違ってくる。オケ全体をシンコペーションさせると、スピード感とメリハリが出るけどー「面倒」(笑)なので、今回はオケはイジらず、歌のフレーズの方を触った。

「潜めて」はフレーズのシンコペーションとかはしてなくて、シンプルに置いたけど、「て」ってのがポルタメントっぽく急降下してる。


・気配が
「けは・いが」
って言葉の途中のグリッドに空白を作ると、ナチュラルにスタッカートしてくれた。

逆に、スムーズに歌わせたいなら、基本隣りはくっ付ける。



仕舞い込んで 自由に・色褪せた・壁のない・繋がれた
この曲はBPM(メトロノーム)170ってイマドキのかなり速いビートで、その上に16分音符を乗せると。。。スムーズには歌ってはくれるけど、ちょっと発音弱め!?


・Where will you go?・I’ll still be there
これはですね。。。ダメなところ。このフリー版では日本語と英語のフレーズごとの切り替えが出来ないので、カタカナ・エイゴになってしまっている。

通常はそういう特性の場合、日本語にするかカットするか。。。なんだけど、Pro版を手に入れた時にどう歌ってくれるのかを比較するために、敢えて歌わせた。


これまでメインで使ってきたNEUTRINOの「完全お任せ」なソフトと比べると、フレーズのグリッド上での置き方だけでも、色々と歌い方に表情を付けることが出来そう。。。


前回の(1)はこちら。

この1を書いた時よりは、かなり扱いにも慣れてきた。

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