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切れない切り絵

はたらいて、はたらいてんのに、

なんにもはたらいていないよね

春にくすむ食堂から聞こえてきたため息は


わかっているくせに


かさねたつもりで、あかるくしたとこで、

まったくひろがりもしないよね


誰か歌にしてくれないかな

右車線に降り口のある

どでかいばかりの環状線








わかってるくせに

誰?てラインに

いまだこだわりすぎて

くりかえすパターンに

思うことはたくさん、

もうたくさんだと思うことはもっとたくさん


思い出しながら、二人だけの食卓

遠のくだけ遠のくまなざしの空遠く

メタバースに草枕

つれづれなぐさむもの

碁。双六。物語(アナザーストーリー)。

少なからず

清ければ

納まっちゃう

言葉のディテール

つれづれなぐさむものどもが

夏(草)にして、夢枕


フーと所有格

アセタール化がほどく

ほんとは虹色 なのにその

揮発性の高さから

ため息と呼ばれる凡人らが

馳せる三白

埋めんと余白

また来て視覚

二卵性のピカソ

霞がかる遠野とその物語


「願はくはこれを語りて平地人を戦慄せしめよ」


   山のあなたのなほ遠く 

   「幸(さいはひ)」住むと蜘蛛のいふ






毎日誰かの命日で新鮮、繰り返し生まれて死んで

Connecting The Dots,

ドット、ドドドドド

JOBS、JOBS、JOBS‥‥‥

エサウ装う現代のヤコブ

Theの采配(さいはひ)に

いたずらに広がる無数の点の旋律に、

OhNoNoおののいて

途方もないツールとルーツを

仕方なくも借りもので

指環にも神話にもつなげないまんま

賞味の切れた卵白にも映る秋の夕暮れ


不感症なる不定冠をあみだに

種なしのapple

ワッツアップする塞ぎの虫々

食べても、食べても、なくならないもの、

クッキー。凡人。平地人。

Youは何しにMy Tubeに?


AdoにODD足せば動物の心拍、

自己嫌悪が奏でるノイズキャンセルは

戯も己も痴もなき自己愛の三連符

Migosに踏ませらブリンブリンのミダス

わかっているくせに

頭からつま先までどっぷりのミドリ

アスファルトに蒸す霜柱まで金と化す


「考えろ!」と命令するポッツォ

「考えるな!」と助言するドラゴン

GODDOT = GOD + dot

腕力なら後者なのに

無限の前に腕を振るだけの

背中合わせの盲目が二人

月を指差し、または月を浮かべ

長すぎて短すぎる中秋の迷月

ドットとピリオドの違い

わからさすヤツ刺す

わかっているくせに


「今日はこない。明日はくる。」

そう告げる少年役もなく

ゴドー待つこと秒で

セカイノオワリに踊らせられる

出来合いの自画像、右目と左眼が非対称

「いっそ耳を切り落とすほうが」

不可能は証明の未完成

不自由は大人の未成年

   おとなしていつはりなれたるわらはかな

わかっているくせに

そんな歌が、それでもほしい

素直な私

悪いのは、みんなみんなの資本主義


耳がなくても聞こえる歌

漫画じゃなくても迫り来るチェンソーの音

「僕が描くものは堅く、潤いがない。」

ドットの盛りはモンティセリ

渦の消失点は星月夜の自撮り(セルフィ)

だからこそ見えてくる原点の常春

動けぬ筆先にフカすシャバンヌ

はじめから風化された人工のモチーフ

そう、なるべく、そうなるべく

絵にならず手を汚すだけの絵の具

挫折した原色の迷彩が走らす

モノクロの息苦しさとその筆圧



   遠くの方は青で、

   白い町と川がある。

   全人類、全自然が単純化されている、

   もし、

   (もし、)

   それがすでに実現されていないなら、

   かくあるだろうという形で。 


もし、

(もし、)

それがすでに実現されていないなら

わからないことをわからないままに

描くことしかできなかった偉人たちの

わかりあえない散文を

バカの見たさに、タガのイタさに

コピペしてペピコして

切れなくて、節をなくして

白くなってのびたパピコの首



問われれば誤魔化す

殻の中でわかれたウスカワな二つ、




   割ってしまえばふたつはふたつ落花生


   ピカソの女ににらまれ落花生を食ふ


   落花生咀嚼してなお消せぬ実の





   しかし、それが何かは分らない、

   つひぞ分かつたためしはない。

   それが二つあるとは思へない、

   ただ一つであるとは思ふ。





ぼやけきった近景に蠢いて 

折り紙と鋏、幼き鼻歌


正方形の裏地に

幼い指が十字を切って

走らす鋏、のびのびとヒトのかたち

   やさしくね

ひらこうとする不器用に

くびれた体と、つながるほそい腕と、

千切れてしまわないかと

不安になり、動いてしまう唇と手

   そっと、そっと、ひらいてね

   そっと




  「ねえ見て」

   言われなくても見てる

手をつなぎ、薄ぺらくうねる歓喜のダンス

生まれたままのカリドール


切りすぎた爪先につままれて揺れる

肌色の輪の中で、赤くなる食卓

窓の外も、クロスの柄も

描いた少年の目にだけは

はっきりと見える

交差するベクトルどもは

僕たちにしか見えない綾の目



揺らせる域にあればプネウマ

裸でも、踊ればひとつ

なくなるかたち

からだは音楽になり

やがてはやがてのままに

流れゆくピンク色の血のままに


「考えるな!」とは「もっと考えろ!」

あははと掃いて、残りの息は

字余りのまま

余るものは誰か、掬われるものは

、夏草、夢の跡

また坂道を、来た坂道を、

ゆっくりと、そっと、

ひらひて

etc…のゲート









  こんなかたちでも踊れる春のマチスかな









はたらいて、はたらいてんのに、

なんにもはたらいていないよね

春じゃなくても、夢じゃなくても

聞こえてくるため息は

ほんとは虹色

わかっているくせに

くすめた春は手の中に


  しかしそれが何かは分らない、

  つひぞ分かつたためしはない。

  それに行き著く一か八かの方途さへ、

  悉皆分かつたためしはない。


もし、それがすでに実現されていないなら

わからないことはわからないままに








みんなができていないこと

バツと化したチャット、覆面キメた青い鳥

BAD POP WILL BET

それがみんなの歌になる








セカイノハジマリは口ずさむ

つくっても、つくっても、

誰も踊ってくれないのにね

そんで放り込む二つのナッツ

結ぶ口の中、コナゴナにして一色多

食えぬウスカワ、キラキラと化し天の川








わかっているくせに

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