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世界の音楽との「出会い」

大阪のレコード店で出会ったインドネシアのダンスミュージック

ダンドゥット(DANGDUT)の女王、エルフィ・スカエシ(Elvy Sukaesih)と言ってもまずは誰もわからないだろう。インドネシアの美空ひばりと言ってもピンとこないな、きっと。それに正しくもない。インドネシアは多様な民族の集まる国だから国民を代表する歌手はいない。ひとつの大衆音楽の女王である。
大袈裟だが、このレコードと出会わなかったら、自分の人生は変わっていただろうと思う。ただ、それはわからない。でも、出会うべくして出会ったのだろう。

今、この古いレコードを聴いている。

正確には覚えていないが、レコード会社の関西担当の宣伝マンとして着任していたのは1年1か月。まだ世の中のことは何もわかっていない27~28歳の頃(今から37,8年前)。関西担当の宣伝マンは自社のカタログ全ジャンルを把握していなければならない。外資系だったので、クラシック、ジャズ、ポピュラーとカタログは多かったが、当時は新たに「世界の音楽」をリリースするムードは無かったように思う。比重としても、売れる作品、アーティストに重きを置くのは当然だ。コンサートでトップミュージシャンが来阪するときには挨拶くらいはする。ホイットニー・ヒューストンが大好きで会ったときは舞い上がった。

大阪のレコード店で買った最初のエルフィのレコード

そんなミーハー気分の抜けていないレコード会社の宣伝マンだったが、梅田のレコード店でこのレコードを試聴もせずに買った。多分、ジャケットから何かを感じたんだろう。聴いてみたら、どはまりだった。バックグラウンドはようわからんけど、初めての感覚。摩訶不思議な世界へと誘われた。
興味のある方は、YouTubeで「Elvy Sukaesih」と検索すると大量にヒットするはず。個人的リコメンド:Elvy Sukaesih - Syirin Farhat [OFFICIAL]

その後、東京本社でパコ・デ・ルシアのような音楽、ラテン、ヨーロッパの音楽を制作するセクションをつくることになったから、東京に戻ってこないかと打診を受けた。3年行ってこいと言われた関西だったけど、一晩だけ考えて、東京に戻ることにした。まだ「ワールドミュージック」という言葉は無かった。
最初の仕事はアルゼンチン・タンゴだった。コンチネンタル・タンゴとの違いもわからないところからの新制作部での初仕事。次がシャルロット・ゲンズブールとジェーン・バーキンだった。そしてセルジュ・ゲンズブール。どんどんはまっていった。時代のムードに乗っかっていった。めちゃくちゃ楽しかった。パブリシティも沢山獲れた。いろんなひととの出会いもエキサイティングだった。

話をエルフィに戻そう。その後、やりたい放題やったからか、独裁社長に干されて制作から左遷人事。半年後に文化芸術に力を入れていた百貨店に転職。その後音楽制作を行うグループ会社を兼任することになり、そこでエルフィのCD制作を行うことになった。ジャカルタのエルフィの豪邸を訪問したり、東京でライブをやったりとつながっていった。すべては大阪の梅田のレコード店での出会いから始まっていたということか。

ワールドミュージックって素晴らしいから多くの皆さんにも是非聴いてみてほしいということは言わない。音楽って自由なものだから。感じるものだから。音楽にワールドも何もない。
ただ、少し政治的な話になるのだけど、ブッシュがアラブやイスラム文化に対して少しでも理解があれば、あんなことをしようとは思わなかっただろうにと思った。

出会わない、出会えない、出会っていたとしても感じないこともある。
「そのとき」は準備が出来たときにやってくるのだろう。

※参考:AIによる「インドネシア音楽とは?
インドネシアは多くの異なる民族と文化が共存する国で、そのために多様な音楽が存在します。以下に、インドネシアの音楽についていくつかの代表的なジャンルや楽器、音楽の特徴について説明します。

  1. ガムラン音楽: インドネシアで最も有名な音楽ジャンルの一つで、特にジャワ島とバリ島で広く演奏されています。ガムランは、鉄や青銅製の打楽器アンサンブルで構成され、木管楽器や歌声と組み合わせられることもあります。ガムラン音楽は独自の音楽スケールやリズムを持ち、宗教的な儀式や娯楽のために演奏されます。

  2. ケチャック音楽: バリ島で非常に人気がある音楽ジャンルで、声楽と合唱、打楽器、そしてダンスが組み合わさったものです。ケチャック音楽はしばしば宗教的な行事や儀式、観光のエンターテインメントとして演奏されます。

  3. ダンドゥット: ジャワ島発祥のポピュラー音楽ジャンルで、インドネシア全体で愛されています。ダンデュットは通常、ボーカルと多様な楽器を組み合わせたバンドの演奏に特徴があり、リズミカルで踊りやすい音楽です。

  4. サンディ:スンダ族の音楽で、西ジャワ州で演奏されています。ギター、アンガク(縦笛)、カロム(太鼓)などの楽器がよく使われます。サンディ音楽はしばしば伝統的な楽器と現代的な音楽スタイルを組み合わせたものです。

  5. デッサ:マレー系の音楽で、特にスマトラ島で演奏されます。デッサは歌とパーカッション楽器に焦点を当てたもので、社交的な集まりや祭りで演奏されることが多いです。

これらはインドネシアの音楽の一部にすぎません。インドネシアの音楽は多くの異なる地域と文化からの影響を受けており、地域ごとに独自の音楽スタイルが存在します。また、インドネシアの音楽は伝統的な要素と現代的なアプローチを組み合わせたものも多く、非常に多様で魅力的な音楽文化が根付いています。(ここまでAIから)

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