サプライズは、至上の快感。
木曜日は、『持論を求めて、初体験』です。
未体験の経験を通して、新たな持論を生んでいきます。
今回は、『作詞を依頼されたこと』で、生まれた持論についてお話します。
その名も、サプライズこそが、"至上の快感"論
作詞を依頼されたと言っても、そんなに大それたものではなく、小中学校の同級生の笹塚が「これ、ちょっと見てほしいんだけど・・・」と言ってきたものを、手直ししただけです。
ほぼほぼ完成しているものを、僕が手を加えてさらに良くするというのが、課せられたミッションです。
パッと歌詞を見た瞬間、この曲をどんな曲にしたいのかが伝わってきたので、笹塚に「どんな気持ちを大事にしているか」「どんな言葉を削りたくないか」を聞き出して、笹塚と相談しつつ、それが色濃く出るように、曲の見せ方を変えていきました。
その時にルールを一つだけ決めました。
それは、全権限を笹塚に任せることです。
たとえ、僕がどんなにいい表現を使ったと思っても、笹塚が首を縦に振らなければ、即刻ボツにして書き直しました。
「夏の季語を入れてほしい」という希望があったので、僕は歌詞の中に「鈴虫の鳴き声」を入れましたが、笹塚に「鈴虫があると、なんかな・・・」と言われて、それはボツになりました(笑)。
でも僕は、その表現に代わるもっと良い言葉を持って来て、際立たせるために書き直しました。そうして、何度か書き直しを繰り返して、ようやく夜中に完成した歌詞に、笹塚は満足してくれました。
夕方に依頼が来たのですが、締め切りは次の日までだったので、一気にかけ抜けました(笑)。
締め切りがギリギリなのに、なぜ僕がルールを徹底したかというと、笹塚に対してサプライズをしたかったからです。
笹塚としては、本当は作詞までしてもらおうとは思っていなくて、ちょっとした助言が欲しかったそうです。
しかし、僕と笹塚は15年以上の仲です。
僕としては、自分の意見なんて、全く優先させなくて良くて、笹塚を喜ばせることで頭がいっぱいでした。
作詞とはちょっと違いますが、僕は作家として働いているので、企画案やネタ案を短い締め切りに間に合わせることには慣れています。
自分の能力を最大限に活かして、相手が求めている以上のことができるなんて、こんなに大チャンスはありません。
しかも笹塚は、ここ何年も作曲に挫折して、なかなか良い曲が仕上がらなかったので、ここはなんとしてでも背中を押してあげたい一心です。
笹塚にサプライズができた瞬間には、僕の体に大きな快感が走りました。
無茶ぶりされても応えられるのは、自分が一生懸命働いてきたおかげだし、サプライズされた人は、いつも以上に喜びますし、サプライズする人は、やる気を馬鹿力に変えることができます。
何もこれは、仕事に限った話ではありません。
電車で席を譲ってあげたり、落とし物を拾ってあげたり、いきなりプレゼントを渡したり、いつの間にか家事をやってくれてたり…。
サプライズは、いつでも誰でもできるのです。
もちろん、サプライズの質を高めるためには、普段から鍛えておかないといけません。普段自分のために頑張っていることが、直接誰かのためになるなんて、こんな素晴らしいことはありません。
サプライズを起こし続ける人生を、これからも謳歌したいと思いました。
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