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キャディは本当にテックカンパニーなのか? 〜キャディのテクノロジーの現状と課題

創立5周年記念noteの16日目を担当します、テクノロジー本部のエンジニアリングマネージャー平岩です。

なお、これまでの創立5周年記念noteは以下にまとめられています。

弊社キャディは、テクノロジーによって製造業のサプライサイドを改革していこうとしていますし、社外からもある程度そのように思われていると思います。

そもそもテックカンパニーって何でしょうね?
一般的にはGAFAMなどのビッグテック、あるいは各領域のテクノロジースタートアップのような会社がイメージされると思いますが、それで言うとキャディはどちらでもありません。

製造業の主に調達領域に向き合っているキャディは、主に産業装置の加工品製造における見積や生産管理や生産技術、そして物流や品質管理、さらには情報管理や原価企画など、多岐にわたる課題に日々向き合っています。そう、キャディはターゲットを絞ったテクノロジーソリューションを提供することが目的なのではなく、調達をはじめとするサプライサイド全体の課題を包括的に解決することを目指している会社なのです。

そうなると当然、テクノロジーだけで解決できない問題があります。
調達領域だけでも製造業はかなり大きい市場ですし、それだけ多くの人々が関わっており、長い製造業の歴史の中で未だ解決されていない課題もたくさんあります。それに対し、我々は実際に顧客やサプライパートナーなど、製造業の生身の人々にも向き合い、テクノロジーだけでなくオペレーションも含めて、あるべきを追求し、包括的な解決を目指しています。

ただ、そのテクノロジーの部分はどういうことをやっているのか社外からは見えづらいと思っています。直接的には社外提供していないテクノロジーも多いですし、製造業の複雑さが実際に何をやっているかを見えにくくしていると思っているからです。そこで、キャディがテックカンパニーと言えるのかを考えるため、現状開発しているテクノロジーをまずはまとめてみようと思います。

現状のキャディのテクノロジー(事業別)

CADDi MANUFACTURING事業

主に産業装置向けの特注部品を提供する事業です。装置メーカー等からキャディが発注を受け、キャディが複数の加工会社(サプライパートナー)をつなぐことで構築・運用しているサプライチェーンによって、実際に顧客へ特注部品等の提供・販売を行っています。

この事業においてはこのようなテクノロジーの開発を行っています。

  • 特注部品の見積や設計情報に関するテクノロジー

  • 部品製造の生産管理や生産技術に関するテクノロジー

これらのテクノロジーは内製開発されているものがほとんどですが、現時点ではキャディ社内のみの利用に留まっているものも多いです。ある意味、キャディ自身がサンプルとなって、サプライサイドDXのあるべき姿を探索している、とも言えます。

特注部品の見積や設計情報に関するテクノロジー
キャディは創業期には「7秒見積」という、部品の設計情報である3D CADデータから即時に見積を作成するテクノロジーを開発していました。しかし、特に日本市場において3D CADデータよりも2D図面が利用されているケースが多く、まずは2D図面に注力することをこれまでやってきました。
その成果としての見積システムも社内では利用されていますが、直近ではその発展として、サプライパートナーごとに見積ロジックを作って最適化していく取組みや、"MO-CAD"という様々な設計情報をつなぎ最適な調達につなげる技術の開発も進めています。

見積に関するテクノロジーについてはこちらのnoteでも言及されていますので、ご興味がある方はぜひ。

さらに"MO-CAD"についてはこちらのnoteでも言及されていますので、ご興味がある方はぜひ。

部品製造の生産管理や生産技術に関するテクノロジー
キャディでは生産管理の一環として、その膨大な受発注情報を管理する基盤システムを内製しています。また、その基盤とデータを活用し、各サプライパートナーに案件依頼を行うシステムや、物流拠点での検査や在庫の管理システムに展開されています。会計処理ともつながったものになっており、これらはCADDi MANUFACTURINGを下支えするテクノロジーです。
他にも、"CADDi Factory System(CFS)"というサプライパートナー側での生産管理だけでなく生産技術も含めて改善していく取組みをはじめています。この領域がしっかりとしたシステムになるのは少し先かもしれませんが、テクノロジーとオペレーション両面でのソリューションを開発していきます。

"CFS"については各担当者のこれらのnoteでも言及されていますので、ご興味がある方はぜひ。


CADDi DRAWER事業

図面データ活用クラウド"CADDi DRAWER"を開発、販売、運営する事業です。

CADDi DRAWERそのものについては、上記の紹介ページやnoteを見ていただければと思いますが、比較的シンプルな機能ながら、その裏側では様々な開発が進んでいます。

  • ユーザーが実際に使う画面の開発

  • 導入時に大量図面を解析するなどのオペレーションにまつわる開発

  • 類似図面検索など独自のアルゴリズムの研究開発

といった形で、ざっくり分けたとしても3つの領域で開発が進められています。開発チームとしてもそれぞれにあるような形になっており、2022年6月にリリースしたばかりのプロダクトですが、事業・組織ともに急成長中です。

CADDi DRAWERとCADDi MANUFACTURINGは現状はそれぞれ独立した事業ですが、CADDi DRAWERの立ち上げには、CADDi MANUFACTURINGで積み上げてきた知見やテクノロジーが間違いなく礎になっています。

将来的には、図面データの活用だけに留まらず、図面や設計情報を中心としたサプライチェーンにまつわるデータのインフラとなること目指しており、2つの事業を横断した連携やテクノロジーも可能性があるかもしれませんね。

キャディのテクノロジーにおける課題

キャディのソフトウェア開発の現時点の技術スタック

キャディが現状取り組んでいるテクノロジーを全体的に概観してきましたが、いかがでしたでしょうか。

結構進んでいるなと感じる方もいれば、まだまだだなと感じる方もいるでしょう。キャディ自身としては、できている部分もあるが、まだまだテクノロジーによって解決できる課題が残されていると考えており、逆に言うと全体としてはまだまだオペレーションに頼っている部分もあるのが現状です。

そんなキャディのテクノロジーですが、現時点で私が思う課題は以下のようなものがあります。

「何を作るか」の不確実性

CADDi MANUFACTURINGに関しては、事業環境の変化が目まぐるしいです。フォーカスする製品カテゴリや業界が毎年のように変化し、最近ではUS進出も爆速で進めようとしています。テクノロジー開発というのはどうしてもリードタイムがかかりますから、変化のスピードになかなか追いつかないのが実情です。そもそもの開発に対する考え方も含めて改善していく必要があると思っています。

また、先ほど話に上がったMO-CADのような研究開発要素の強い開発に関しては、たくさんの技術的不確実性があります。現在主に進めている2D図面への対応も、図面には無数のパターンがあるなかで、それをシステムが処理しやすいような形に落とし込んでいくアルゴリズムを開発しようとしています。

CADDi DRAWERに関しては、図面データ活用以外のユースケースについては、多くの不確実性があります。我々は、図面を中心にしたコミュニケーションやプランニングを改善していくことで、製造業自体が改善されていくと信じていますが、その具体的な形は未だ明らかになっていない箇所が多くあります。

スケールに対する不確実性

キャディは創業5周年にして、急速に成長してきた企業です。社員数500名規模になり、今後も組織・事業ともに急成長を続けていきたいと思っています。

CADDi MANUFACTURINGにおいては取引量がどんどん増え続けており、それをさばくためのシステムが必要不可欠です。世界複数拠点で事業を進めていくなど、事業環境の変化の早さも相まって、属人的なオペレーションを排して業務を進められるテクノロジーを一刻も早く開発していかなければなりません。

また、CADDi DRAWERに関しても、ユーザー数やそれに伴うデータ量、機能の拡張における技術的スケーラビリティが課題になっています。リリースして1年経っていないプロダクトのため、今は問題なくとも将来的に考えると改善が必要な箇所が複数あります。

これらを今後数年で解決していけるかどうかが、キャディのテクノロジーにとっての勝負になります。カジュアル面談等でも議論させていただければと思っておりますので、ご興味ある方はぜひ申し込んでみてください。

結局、キャディはテックカンパニーなのか?

方向性としては、キャディはテクノロジーを活用して製造業を変えようとしているが、一方でテクノロジーだけで解決しない課題を多く抱えている事業を行っています。したがって、ある見方をすればテックカンパニーだし、また別の見方をすればそうではないということになるでしょう。

そもそもの話で言えば、テックカンパニーであること自体が、必ずしも企業にとって存在意義になるわけではないとは思います。ただ、キャディに対して何となくテックっぽいイメージを持っているけど実際よくわからない、という感覚の人も多いのではないかと考え、本noteを執筆させていただきました。

結局のところ、キャディはテックカンパニーになりたい企業なのではなくて、製造業の課題に向き合って解決していきたい企業ということです。テクノロジー自体を発展させていくことも重要ですが、テクノロジーは事業にとってHOWであって課題そのものではない、というスタンスを持っている企業であると思います。

最後に、キャディはこの課題だらけの事業に一緒に取り組んでくださる新しい仲間を常時募集しています。技術や事業に関するご意見交換など軽い面談からでもウェルカムです。ご興味お持ちの方は、ぜひ以下からご応募いただければと思います。

■会社概要Q&A

■募集ポジション
JP-BIZ:https://herp.careers/v1/caddi
GLOBAL:https://caddi.freshteam.com/jobs
TECH:https://recruit.caddi.tech/

■カジュアル面談ご希望の方


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