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物語思考

2月2週目

「物語思考」
著:けんすう

物語思考とは、自分のやりたいことが見つからない、得意なことがわからないといった人に対して、自分の理想の状態に向かうキャラを設定して、そのキャラになりきって行動するというキャリア設計術。順を追って考えていく。まず自分の理想を言語化する。何をしたいか(Do)ではなく、どうありたいか(Be)で考える。過去の経験や考えを排除し、未来になっていたい状態をイメージし、言葉で書き出す。その際に枷(ブレーキ)を外す。自分で限界を決めるのではなく、現実的な範囲で可理想の形を拡張する。次にキャラを設定する。自分が定義した理想の状態を体現している実在の人物を想像し、その人の性格や考え方を抜き出す。抽出された性格の中で、自分の理想に近い状態をイメージし、キャラとして設定する。その後キャラを動かす。そのキャラだったらこんな時どう行動するだろう?を書き出す。他人はその人の行動をみてその人の内面を認識する。また、自分自身も自分がとった行動から自己評価を行う。つまり、キャラを動かすことで行動の基準が上がり、他人からの評価が変わるし、自己評価が書き換わる。環境も重要である。自分の周りを、自分の理想を達成している人たちで固めてしまう。それにより自然と行動の基準が上がり、行動の基準が変わることで自己認識が変わる。未来になりたい像から逆算し、そのなりたい像に向かって進めるキャラを作って、行動していくことで思考と行動を変化させる。

気づき
先週読んだメンタルモデルの考え方では、過去の内的世界の問題が外的世界(行動)へ影響する、つまり内的世界を受け入れることで行動の質を変化させるという内→外の考え方。一方で本書は、行動のレベルを自分の理想の状態まで上げることで、自分の思考、内的世界を変化させるという外→内の考え方であり一見すると相反するように感じた。しかし、本書の言う行動のレベルを上げるためには、それ以前に自分の内的世界と向き合う必要があるため、まずは自己認識(メンタルモデル)から始め、自分の内的世界が受容できたら、物語思考で未来を軸に行動の基準をあげるといった段階的なプロセスと考えることもできる。そういった視点でみると一見相反するような内容でも、本質的には一貫性のあるものと理解することができた。

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