サービスについて考える

サービス業やサービスって抽象的で分かりにくいですし、カフェをやるまでは、まったく未経験分野だと思っていました。
でも学んでみると、どの領域にも少なからずサービスは提供していると気が付きました。会社員時代もお客様の課題を聞き、原因を考え解決策を考え、それを実現する仕組みを作る。まさにサービスそのものでした。

サービスってなにか?
それは、問題や要望を抱えたお客様が、人や設備を通してサービスを経験することで問題解決したり、気分が変化させられるもの。

例えば、カフェの場合、38℃の猛暑日午後2時に道を歩いていて、熱いなー少し涼みたいなーという課題をもっているお客様が、カフェに入りクーラーの涼しい部屋でアイスコーヒーを飲んで涼しくなり気分が良くなって頂くことだと言えます。

サービスの特徴と気をつける事
サービスは、受ける前に体験しにくい。買わなければわからない。形がない
サービスは、提供した瞬間に利用することができる。同時発生する。
サービスは、提供者により質がかわってしまう。質の変化
サービスは、貯えて置くことができない。消えてしまう

抽象的なので、例えば、

・カフェの場合、クーラー本当に聞いているの? 飲み物は冷えている?かいかなければ、わかりません。
・カフェの場合、ご入店、利用されてから、同時に冷えた部屋を体験します。サービス提供は同時に行われます。
・カフェの場合、コーヒーの淹れ方により味がかわります。人により、質が変化します。上手でない人にあたったら、残念ですよね。
・カフェの場合、今日の涼しい部屋を明日提供することはできません。今日は空席で余っていても、翌日は満席で提供できない可能性があります。時間は保存ができないのです。

これがサービスの特徴と気を付けるべきポイントです。

満足度を上げるには

お客様の満足度を高めるには、サービスの品質をお客様の想定以上にする必要があります。これが難しいのですが、、、
ニーズには、基本的な機能のニーズと表層的な機能があります。

暑い日にカフェで涼みたいというニーズの場合、涼しいカフェの空間を提供し、涼しい飲み物を提供すること。これが基本的な機能です。お客様のニーズに応えるべきことです。

さらに、オシャレな空間で、工芸作品に触れあえたとか、新たな体験ができたというのが、表層的な機能です。期待していなかったけども、価値を高める機能となります。

満足度を上げるには、基本的な機能を満たすことは最低限必要です。しかし基本機能をいくら完璧にしてもお客様は満足しません。いくら涼しくても、それ以上の満足はえられないのです。例え、期待値を超えようとして、キンキンに冷えた空間にしたら、寒くてたまらないと逆効果かもしれませんね(笑)

でも、想像していた以上に、オシャレだったとか、雰囲気が良かったとか、店の感じが良かった場合、想像を以上の体験ができるので、お客様の満足度があがるのです。

涼しい部屋→基本的な機能(ニーズ)→満たして当然
オシャレ空間→表層的な機能(ニーズ)→想像を超えた体験で満足度高い
快適な空間→表層的な機能(ニーズ)→想像を超えた体験で満足度高い

サービス提供者のサービスを提供したいという想い、熱意が重要

この快適な空間でさらに質の高いサービスを提供するためには、サービス提供者の満足度が高い必要があります。お客様に喜んでもらうことが好きで、笑顔が好きという方であれば、喜んでお客様の想像を超えたニーズを発見し、サービス提供することができると思います。

でもその熱意を全員もっているとは限りませんよね? 全員同じ熱量なんてことはないですよね? だから、提供する人によってサービスの品質がバラバラになりがちなのです。

ある人はとても熱心にサービスするから、お客様満足が高く、ある人は本質的な機能しか提供しないから満足が得られない。とういことも有り得るのです。

これが会社だった場合、たまたま、低いサービスを受けると、お客様の会社全体への評価が下がってしまう可能性があります。

だから、ある程度の高いサービスを誰がやっても提供できる。そんな仕組みを作ることが大切です。

高いサービスが提供できる仕組みを作る

有名なのが、会社のクレドに目的や、サービスのレベル感や、心得などを書き、共有することでサービスレベルを統一するこ方法です。またあるカフェのように、創業者の理念、第三の場所を提供するという想いも大切だと思います。
でも実際にサービスを提供するには、現場の人、バリスタのかっこいい動きやお客様との会話。香りも含めプロセスを設計することが仕組み作りなのかもしれません。

また、ある程度作業手順などの標準化も必要です。例えば、ファストフードに行って20分も待たされると、ファストフードの意味がないですよね。1000円カットサービスもカットに20分もかかったら、利用しないかもしれません。それを実現する、手順や設備の充実が重要だと考えます。

成功している会社はそれらを実現しているのです。

仕組みの共有と練習と評価制度の連携

作った仕組みをある程度のレベルまで実行できるようになるには、練習が必要です。練習できる機会を提供し、時にコンクールなどを開催し表彰するなども必要かもしれません。さらに、あるレベルの方には評価や見合った報酬も提供しなければなりません。

これらを行う事で従業員満足があがり、高いサービス提供が可能となり、お客様の満足度が上がるのだと言われています。

適切なお客様に提供するマーケティング

例えば1000円カットサービスは、時間がなくて、効率的に、低コストでカットしたいというニーズを持っているお客様にとって価値があるのだと思います。逆に結婚式のために人生最高の髪形にしたくて、時間かけてセットしてもらい、メークもしてほしいというお客様のニーズには答えられません。
明らかに求めているニーズがことなるのです。だから

適切なお客様に適切なサービスを提供する事。これも重要です。

大きな会社がこれらを実現するには、個々の人の努力では限界があります。でも多くの会社は個々の努力に依存して提供していると考えます。それで今までは良かったのかもしれません。

サービスの体系化が求められている

でも、国内で新たなサービス体系を持って成長しているサービスや海外からグローバルに展開しているサービス会社がサービスを提供し始めています。ですので、個々のスキルに依存したサービスを提供していては、仕組みをもった会社にいつか追い抜かれてしまいます。

今までは、数人のスーパースターがいて、その人が複数の会社を担当することになったとします。スーパースターは徹夜をして、お客様の要求するサービスを何でもかなえてあげ、お客様は喜ぶかもしれません。でもその人からサービスを受けた会社は満足しますが、その人以外の方からサービスを受けた会社は、満足しない可能性があります。全員が徹夜してサービス提供はできませんし、会社としての提供できるサービス基準を超えた、過剰サービスになっている場合もあります。スーパースターのサービスを真似て全員が徹夜して頑張ってサービスを提供したら会社は赤字になるかもしれません。従業員が過労で倒れてしまうかもしれません。スーパースターはもしかしたら、ある程度の規模の会社にとっては、デメリットなのかもしれないと言われています。

サービスを受ける人によって、品質にバラつきがるのがサービスの特徴ですが、それが弱点でもあります。提供できるサービスレベルを定め、訓練をし、基準レベルに達するサービスを提供することが、スーパースター1人で頑張ってサービスを提供するより、会社全体としては良い結果につながります。

サービスについて学んだ事を自分なりに整理してみました。

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