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「次から気をつけます」は嘘【書評:優しい社長が会社を潰す】

「識学」をご存知でしょうか。
意識構造学を通して組織の問題を解決するために作られたメソッド。

その識学を用いて3,000社以上導入をしたという株式会社識学の代表である安藤さんの著書。

最近本屋に行った方であれば、別の本も平積みで置かれているのを見たことがあるかもしれません。

私はすでに安藤さんの著書を何冊も読んでいたため既知の情報が多かったですが、改めて思い出す良いきっかけとなりました。

ストーリー形式で描かれているため、初めて識学にまつわる本を読む方には非常に読みやすい一冊になっています。

組織学の話だとある程度社会人経験がある人が読むものと言うイメージを持つかもしれませんが、そんなことはありません。

主人公の1人は20代前半の子が識学と向き合う姿も多く描かれ、新入社員の方でも読むべき本だと思います。

「え、会社ではこう教えられているのに」「そんなことみんなやってるんじゃないの?」といった、いわゆる「社会人の常識」というものが覆される内容もあり非常に面白いです。

あらすじ

あなたがイメージしやすいように敢えて偏見を持った言い方をすると「渋谷のイケイケIT企業」。若い社長、陽キャ集団、仕事を頑張りつつも飲みにも行く、そんな企業が潰れかける状態から識学を導入して再編していくストーリー。

主人公の社長は、世間一般でいう優しい社長だと思う。
・部下からの相談は親身にのってあげる
・部下を引き連れて飲みにいく
・社員が喜びそうな自由度の高い社風

若手社員から見ると「こんな会社で働きたい!」て思う人が多いのかなと思います。

でも識学は今までのやり方を真っ向から否定し、全く逆と言っても良いぐらいガチガチにルールで縛り組織づくりをしていく。

このやり方に共感できるかはともかく、自分の仕事の仕方を見直す良いきっかけになる一冊です。

ルール化を徹底し、ルールを守る

私はつねに仕事上ではルールを守ることをメンバーに徹底させています。

もしミスが起きた時には、ルールを守った上でのミスなのかを確認します。

仮にルールを守った上でのミスであれば、ルールの見直しをします。

ルールを守っていなければ、ルールを守るための環境を見直します。

1年に1回起こるかどうかのミスに対してルールの改善をすることはありませんけど、1ヶ月内に数回起こりそうなものであれば必ずアクションを変更するようにして、再発防止策の提案を求めます。

「次から気をつけます」は言ってはいけない

「次から気をつけます」
「以後このようなことがないよう注意します」

私はこの言葉をまったく信じていません。

ミスした時は「なんでこんなことしてしまったんだ」「やってしまった」と後悔と反省し、落ち込み、次からは絶対しないぞ、と意気込みます。

でもその時の熱は徐々に冷めます。

直近でもいいので自分が起こしたミスを思い出してみてください。

その時に感じた「次からミスしないように気をつける」を今も同じ熱量で持っていますか?

おそらくほとんどのかたが「No」だと思います。

人は徐々に忘れていくものです。試合で負けた悔しさや彼女に振られた辛さを一生引きずるなんてことはほぼありません。

なので、意識に頼る「次から気をつけます」というのはその場しのぎの嘘でしかないと私は思います。

大事なことは意識しなくてもミスが起きない仕組みづくりです。

仮にメンバーがミスした時は、

「次このミスが起こらないようにするには、仕組みをどう変えればいいと思う?」

と聞いています。

そして多くは自ら出してもらった仕組みを取り入れ、実践してもらう。

もしその仕組みでうまくいかない場合はまたアクションを変えて実践してもらう。

この繰り返しをすることで、自然とミスは減るようになります。

これは個人的にかなり効果的だと思っています。

まとめ

この本から私が学びとって、現場で活用してほしいと思ったアクションは、

・会社で決められたルールは守る
・ミスを起こしてしまった時は、意識に頼らずにアクションを変える

です。

あなたが部下の立場であれば、2つ目のアクション変更は自ら提案してみましょう。

「この度は〇〇でミスをしまして申し訳ございませんでした。次から同じことが起こらないよう〇〇をすることでミスしないようにしたいと思います」

このように具体的に提案することで、上司も納得しやくなります。

ぜひ実践してみてください。

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