ふしぎなきこう

1ヶ月ほど前だろうか。異常に暑い時期があった。
その影響なのかは分からないが、色々な変化を感じる。
まず、蝉が遅い。
例年なら、もう五月蝿いぐらいに鳴いている時期だと思う。私が住んでいる辺りでは、まだようやく蝉の声がし始めた段階だ。
そしてもう一つ。鳥が早い。
毎年、夏の終わり頃になると、大量の鳥が飛来する。ムクドリなのだろうか?夥しい数の群れを成し、その数のおかげか、音量が凄まじい。
一帯では鳥のなすり付け合いが行われ、追い払われるたびに狭い範囲で移動を繰り返す。あいつらが電線に陣取ると、その下が真っ白になる。壮観ではあるが、気分は良くない。
その鳥が、7月上旬に現れていた。今年は早いなぁ、不思議だなぁ、という感じだ。


不思議といえば、昨日の話。
ある芸能人が動物の保護活動を行なっていることの特集を、テレビでやっていたらしい。
私はその人について全然詳しくないのだけれど、インターネットで常に非難の業炎にまかれていた印象がある。まるで、全人類の親の仇であるかの様な勢いで。
でも、その人が、テレビの仕事をなかば捨ててまで、動物の保護活動を行っているという。
私にそのテレビ番組のことを教えてくれた人は、「人間が嫌いなんだろうね」と言っていた。私も、その見解には全面的に同意した。
彼に関わらず、やたらとよく分からない集団から目の敵にされる人がいる。別にそのこと自体は、そういうものなんだろうなとも思うので、そこまで気にはならない。
しかしまぁ、叩き回る人たちの心理は未だによく分からない。相手はひとりの人間であり、叩く側もまた、よく分からない集団を構成する一人である。
私は、たとえばTwitterなどでその様な状況を目にしたとき、とくに「なんでこの人はこんなに怒っているんだろうな」という書き込みを見つけたら、そのアカウントを見にいく様にしている。以前はわりと、リプライ以外は懸賞のリツイートばかりというものが多かった。もちろん統計の手法などは用いていないので、個人の主観として捉えていただきたい。
最近は、少し違う印象がある。自分をひとりの人間として認めてほしい、誰かに相手をしてほしい、面白いことを言って他者から崇められたい、という感情が見てとれる。
他者からはひとりの人間として扱われたがるのに、その人自身は集団の尖兵として、積極的に個人攻撃に勤しむ。他の誰かから「取り合う必要のない相手」とされる事を厭わない姿勢は良いのだろうけど、それをやるなら、その対象から相手にされないことを怒ったり、相手にされるまで粘着する様な行いは違うだろう。
不思議な奇行だよな、と思ってやまない。


気候も奇行も、もう少し穏やかでありますように。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?