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初めての黒楽茶碗購入

昨年申請していた上級(裏千家)の許状をようやくいただいたので、黒楽茶碗の一つも持とうかなと、四条河原町の茶道具屋「龍善堂」さんに行ってきました。

四条河原町と言えば、京都で最も人が集まる場所といっても良いところなので、この日も人通りはそれなりにあったのですが(それでも以前に比べたらだいぶ少ない)、店の入り口がある地下に降りていくにつれて、地上の喧噪も遠ざかり厳かな心持ちになっていきます。

入口のアルコールで手をしっかり消毒し店内へ。以前懐紙や小茶巾入れなど細々としたものを買わせてもらったことはあるので、その点は勝手知ったる所ではあるのですが、いざ茶碗を買うつもりで入ると自然と緊張感も生まれていきます。

ちょうど良い時間だったのか、自分以外にお客さんもおらず、主に茶碗が展示されている所を中心に心置きなく見ていくことが出来たのですが、目当ての黒楽茶碗は、ほぼ同じ見た目なのに値段がピンキリ。

これまでいろんな美術館に出かけて、良い茶碗をそれなりに見てきてはいたのですが、ガラスケース越しで距離があり、また他のお茶碗と違って基本的には絵柄が入ったりしている訳でもないので、実のところ違いがよくわかっておらず……

その中でひとまずサイズ感や釉薬のかかり方など、気になるお茶碗があったので、店員さんに「触っても良いですか」と尋ねてみました。

他にお客さんもいないタイミングだったこともあってか、快く鑑賞用の席に案内されて、安いのから高いのまで、いろいろと出してきてもらえることに。

この時お店で取り扱っておられたのが、京都の北西にある亀岡で昭楽窯を開く、佐々木昭楽さんの黒楽茶碗。

こうした機会はなかなかないので一つ一つ手に取って、手首をくるくると返しつつ様々な角度から見ることにしました。

やはりというべきか、1ヶ月間飲まず食わずで働いてようやく手に入るかどうかというお値段の茶碗は、縁の辺りに楽茶碗特有の手捏ねによる歪みがわずかにあるものの、調和が取れているからか逆にそれがよい景色を生んでいるのが素人目にもわかり、相応の値段がつくのも肯けます。

ただ、茶会を開いてお客さんを招いて出すのであれば、そのような良いお値段のお茶碗をということになるでしょうが、自分用に楽しむのに使うということであれば、そこまで良いお茶碗にする必要はありません。

最初に気になったお茶碗も、手に取った触り心地や釉薬の掛かり具合が良く、何よりお茶を点てやすそうだったこともあり、今日のところはそのお求めやすいお値段の方にしておくことにしました(カードで払えるので、どちらも買うには買えたとだけ……ちょっとした見栄です)。

何かと包装に気を遣う昨今ではありますが、さすがに割れ物と言うことで丁寧に梱包してもらい、支払いを済ませて帰路に。

家に着くや否や箱から出した茶碗がこちら。

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最初のうちは使用前に1~2分ほど水に浸しさないといけなかったり、使用後も湿ったままだと臭いが付くとのことで、しっかり乾燥させないといけなかったり、何かと面倒な部分もありますが、お稽古の時も黒楽茶碗で点てるお茶が一番上手く点てられて、緑色が映えて美しいので、この茶碗でこれからお茶を楽しんでいくつもりです。

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