食品ロスと貧困 株式会社StockBaseによる解決

食支援団体×企業の災害備蓄品の有効活用


今回はこの掛け算を実現し、株式会社StockBaseを運営する横浜市立大学の関芳美さんと菊原美里さんに取材をさせていただきました。

突然ですが、現在の日本では年間でどれほどの食品ロスが生じているかご存じでしょうか?




答えはなんと612万トン。
612万トンと聞いてその量を想像できますか?
私には全く想像できず、とにかく莫大な量の食品が廃棄されているというイメージだけが思い浮かびました。

そんな中でも、日々の食事に困る人は存在しているのです。

そういった人たちを支える食支援団体に、企業が廃棄する予定の備蓄食を提供してもらうことで食品ロスをなくし、食品の廃棄問題と貧困による家庭の食料不足を改善しようとされている企業が株式会社StockBaseさんです。


ざっくり株式会社StockBaseさんの事業とは


①災害備蓄品を有効活用したい企業と食支援団体(フードバンク、子ども食堂、NPO法人等)のマッチング
 企業が物品を寄付する際に、「寄付先の団体を見つけることや数量・品目の調整」をStockBasdeさんが代行することで企業の負担を減らしています。

②ECサイト:ストックパントリーの運営
 寄付をする企業の物品をサイト内に掲載し、寄付を受けたい団体はその中から必要な物品と数量を選択してもらうサービスの運営を行っています。


このような事業を通して、なんと今まで32団体に備蓄食約11.1トンを有効活用してもらったというStockBaseさん。
具体的に今までどのような活動をされてきたのでしょうか?


ひとり親家庭のシェアハウスに災害備蓄品を提供


事務所があるシェアオフィスのオーナーの方から、ひとり親家庭はゴールデンウイークになると子供の学校給食がなくなり家でお昼ご飯を食べるため、家計がいつもより大変になってしまうというお話を聞いたことをきっかけに、ひとり親家庭の方に支援をしたいと思ったそうです。

そこで、ゴールデンウイーク前に食品を届けるために、備蓄食を集め、それを母子家庭の方々が集まるシェアハウスへ届けることができたお二人。関さんはこのお話の最中「(食品を)一番欲しい時期に届けることが大事だ」と仰っており、まさに有言実行されていると感じました。

また、企業で余っているノベルティグッズ(ノートやファイル等)をお子さんのために、7か所の上記のようなシェアハウスへ届けられたそうです。

ひとり親家庭の方が困っているというお話を聞いて、それを解決できるならと備蓄品を用意する関さんと菊原さんの行動力の高さは、貧困や食品ロスといった社会問題に真摯に取り組もうとする姿勢の表れだと思います。

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今後の展望

今後は備蓄食を廃棄している企業に対して、廃棄ではなく寄付をしてもらえるように働きかけ、横浜市の企業をターゲットにしたモデルケースを作ること。そして、それを東京など各地に広めていくことを目標とされています。

お二人がこの横浜市からどのように活躍されていくのかとても楽しみです!


私が思ったこと


 今回の取材を通して、子どもの食費が家計にかける負担や食事が十分にとれない子どもの深刻さを知りました。お話を聞く中で、その日の食事に困っている人は多く存在することを感じ、実際にインターネットで調べてみました。すると、ひとり親家庭の経済状況の厳しさや「子どもの貧困」といった問題を扱うウェブサイトやブログがあり、日々の食事があることを普通だと感じていた自分とのギャップを感じました。これらの問題に対しての一番の解決は、国や市町村がより広範で積極的な福祉制度を設けることだとは思いますが、実際にそれを行うことは難しい面があります。そこで、そういった方を支援するために様々なNPO法人があります。しかし、それだけではなく株式会社StockBaseさんのような企業が太いパイプとして、安定した生活を送る上で欠かせない“食”支援を行うことは社会的にとても意義のあることだと改めて思いました。


ここまで記事を読んでいただきありがとうございました。

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