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もうすぐ春のはず

もうすぐ春です、そんなことわかっているはずなのに私の心はどうも春にはなりません。私の心は灰色です。私は自分が統合失調症だと医者に告げられ、やはりそうかと思う反面、これまで色鮮やかに見えていた世界が途端にモノクロの世界になっていしまったようです。

自分が病気だとは思わず懸命に走り続けてきました。病気であったときは苦しくとも周囲の景色がいきいきと私に語り掛けてくるようでした。日差しも柔らかくなり、暖かくなってきました。季節は個人の状況に関わりなく、動いていきます。社会も冷酷にも私を待ってはくれません。

それでも季節が廻り、社会が動き続けているなら私の人生、病気によって5年10年止まってしまうように思えたとしても、静かに進んでいるのかもしれないと思い、ゆっくり療養しなくてはならないのかもしれません。私は動き続けなくてはならない、働き学び続けなくてはならないと思いを強迫観念のように持ち続けてきました。

統合失調症という診断はある種、私にもう休みなさい、しばらく止まりなさい、と言われたかのような面持ちです。私の人生にもいずれ春は来るのかわかりませんが、静かに春を待ち続けたいと思います。

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