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ぅちら美大生わ楽ち”ャなLI☆〜最高で最強のLIヵれナ=仲間達⤴︎〜

普通の学校に入って、普通の共学ライフを送って、普通に勉強して、受験していたら、今頃どんな人生になっていただろう。

私は美大出身である。それも女子校の。それも中高大一貫校で10年間。

当たり前に送っていた10年間の生活が、だいぶ世間の「当たり前」とズレがあることに気づいたのは、卒業して総合職として一般企業に勤めるようになってからだ。

今回はそんな世間とズレまくっているイカれた美術学校生活のあるあるを、実際にあったエピソードと共にここに記録しておこうと思う。

近しい環境で育った人は是非熟読して共感して欲しいし、遠い環境で育った人は通りすがりに鼻で笑ってほしい。(あくまで私のあるあるなので、偏見も含まれると思いますがご容赦ください。)


・露出狂への受容度が高い

最初にこれを持ってきて良いものか迷ったが、これを語らずして美術学校生活は語れないので最初に書いておこう。

露出狂は、男慣れしていない女子が一気に集まる場所を狙うので女子校はターゲットにされやすい。

露出狂サイドの気持ちを考えると、男性経験のないウブでイタイケな女子が自分の裸をみて顔を真っ赤に染めてくれることが一番嬉しいだろう。そこに「キャッ」なんて声がプラスされれば更に満足すること間違いなし。帰宅後、「"キャッ"、もらいました〜。イェ〜イ」と、一人で祝杯を挙げているに違いない。(そんな方はすぐに滝打ち修行でもしてもろて)

ただこれが女子校の中でも美術学校の生徒だったらどうか?

残念ながら、全く期待通りの反応は得られない。

何故なら普通じゃないもの、見慣れないものほど面白がる傾向にあるのと、特に上級生になればなるほどヌードを描く経験やヌードの作品を観る機会も増えるので、裸に対する免疫がつき、驚かなくなるからだ。

男慣れしてないのに裸慣れしているという謎の感覚を持つ美術学校生は、一度露出狂を発見すると、そこからものすごい拡散力で人を集める。

「ねぇ、あっちに露出狂いる〜〜〜!!!」

「え〜〜〜どこどこ!?!?」

こんな調子で、第一発見者が声をかけると、作業してた生徒も、ご飯を食べていた生徒も、談笑していた生徒も、みんな一旦目の前のことを投げ捨てて、見える場所までダッシュする。意味不明な優先順位だ。

現場に辿り着くと、

「ほんとだ〜〜〜!!いる〜〜!きも〜〜〜!!」

何の確認やねん。ただただ止まらない好奇心に素直に従って行動する人種だ。

更にその野次馬群衆に先生が駆けつけて一言、

「お前ら更に興奮させてどうする!?!?」

いや、先生も突っ込みどころ違くない?


・人が理解できないポイントに情熱を燃やす

私が印象的だった思い出は、高校の卒業制作期間中のこと。

卒業制作はテーマはなく自由だったが、外部の受験生(小学生〜高校生まで)も観にくる展示なので、さすがに刺激が強すぎるという理由で、ヌードを描くことだけは禁止されていた。

にも関わらず、何故か一人物凄い情熱でヌードを描くことを渇望している友達がいた。(何か裸の話ばっかりですみません。。)

何に突き動かされてるかはわからないが、とにかくヌードが描きたい、の一点張りで美術の先生を説得しようとし、もちろん先生は反対なので、半ば喧嘩のような口論に発展していた。

しかもその口論が美術の授業中に行われていたので、全員がデッサンに集中する静かな教室の中で、嫌でも内容が耳に入ってくる。

先生「ヌードなんて絶対ダメ!小さい受験生も観に来るんだよ!?」

友達「嫌です、ヌードが描きたいんです!!」

先生「絶対に許しません!!一体誰のヌード描こうとしてるのよ!?」

友達「お父さんです!!」

補足すると、この友達は本当は彼氏のヌードを描きたがっていたのだが、流石にそれは却下されると思ったのか、お父さんを描くと嘘をついていた。

それを聞いて、先生も流石にたじたじだ。

先生「おっお父さん、、!?大体ね、お父さんの裸描くなんて、恥ずかしくないの!?!?!?」

先生の疑問は真っ当だが、本当はこの友達は愛する彼氏の裸が描きたいのだ。自分でついた嘘を、どのように回収するのだろう。。私はデッサンするフリして、耳を傾けていた。周りの生徒たちも回答が気になったはずだ。

静かに注目が集まる中、その子がその日一でかい声でこう言った。

友達「うち、裸族なんで!!!!!!」

えええ〜〜〜っ

このご時世にその嘘苦しくない〜〜〜〜!?!?!?

流石に斜め上の回答すぎて、先生も、聞いていた生徒も、みんな吹き出してしまった。

こんな普通では味わえないような愉快なやりとりが日常的に聞けるのも美術学校生活の醍醐味だ。

ちなみにこの口論の行方はというと、あまりの情熱に最後先生が折れて、後ろ姿であればOK、という結果に落ち着いていた。

頑固ともいえるその情熱は、時にはルールをも変えてしまうことがあった。



と、具体的に2つエピソードを挙げてみたが、あるあるは他にも沢山ある。

・白絵の具を忘れると美術の先生が見たことない形相でブチギレ(色彩をコントロールする一番大事な色のため)

・美術以外の授業の宿題は夏休みほぼ宿題が出ない(その代わりえぐい量の美術の宿題出る)

・中学生でも作品提出日前の徹夜は普通に経験している

・運動部基本的に弱い

・文化祭の装飾クオリティが半端なく高く、そこで受験生の心を射止める

・先生も生徒に負けないくらいキャラ濃い

・制服は基本的にどこかしら絵の具などで汚れている

・画材費を上乗せして親に請求し、臨時おこづかいを強引にゲット

・なんかわからんけど、みんなめっちゃ仕事できる

・「美大出身なの!?なんか描いて!」と地獄のフリ

・カッターで鉛筆削らせたら右に出るものはいない

・どの旅行にも呪縛かというほど写生か美術鑑賞がつきまとう

などなど、あげればキリがないが、どうやらこういったあるある1つ1つが世間的には「ないない」らしい。

冒頭申した「もし普通の学校に入っていたら」という妄想は今でもすることがある。

全国大会に行くような部活動に入って打ち込んでみたり、好きな人と放課後待ち合わせて自転車2人乗りしたり、文化祭でクラスT作ってみたり、仲間たちと受験戦争を共に戦い抜いたり、、、

憧れをあげたらキリがないが、結局は無いものねだりだ。

私は私なりにこの一風変わった生活と、ここで出会えた仲間を愛しているし、若いうちからかなり贅沢で貴重な経験を沢山させてもらったと思っている。

この10年間がなかったら今の自分も形成されてなかったと思うと、1つ1つのおかしな思い出、全てに感謝だ。




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