「-MASHLE-」THE STAGE #マシュステ 感想

今作のざっくりとした内容は、『魔法が使える者が正義の世界で、魔法が使えない者として生まれた主人公が筋力だけで魔法界を制覇する』みたいな感じである。

舞台そのものの感想の前に、このストーリーとか設定にとても突っ込みどころしかないのでその話を先にする。
あのさ……滅茶苦茶ハリー・ポッターのパクリじゃない?
原作を全く知らない状態で行ったため「え!?ハリポタ!?」と思うことが多すぎて客席で動揺してしまった。
パッと思いつくだけで以下の通り

  • マッシュ(主人公)の顔の痣が稲妻の形(これの有無が魔法使えるか使えないかの見分けになるため、フェイクで付けた)

  • マッシュは両親がいない

  • 校長のビジュアルがどう見てもダンブルドア

  • マルフォイみたいなビジュアルをした最初にマッシュに突っかかってくる雑魚キャラがいる

  • クィディッチみたいなスポーツがある

  • 寮もハリポタのような組み分け方をする

などなど……。よく怒られないな!?しかも、開演前に劇場に流れていたBGMがヘドヴィグのテーマに似ていたりもした。ここまで来るとオマージュというより、パクリでは?
とりあえず、J.K.ローリングに見つからないように気をつけて欲しい



さて、舞台そのものの感想だが、まず、めちゃくちゃ歌う。かなり歌唱パートが多い。ミュージカルとは銘打っていないのが何故なのか分からないぐらいに歌う。何故ですか?
歌唱パートが多い、つまり大事な設定や話の流れは歌で説明することが多いのだが、結構聞き取るのが難しかったりする。今作ではフィン(演:広井雄士)の歌が聞き取りやすく、メインキャラクターであったためかなり助けられた。
その一方で、ユニゾンが汚いのが気になった。名指しするのは控えるが、ユニゾン時に周りを中和するような声質の役者を数人入れた方がユニゾンは綺麗だったのでは無いかと思う。声質に特徴的な役者が多いと、ユニゾンは汚くなりやすいので……。

全体を通して、ステージ上に映像を投影する演出が多いため、この舞台を100%楽しむには前方席ではなく真ん中より後方で観劇がベストな気がする。私は前方で見たが、映像が歪んで見えたので後方を取らなかったことを後悔した。というか、国フォのホールC傾斜無いから普通に見にくい。
また、小道具(大きいから大道具?)が多く、特に終盤のマッシュ(演:赤澤遼太郎)とアベル(演:笹森裕貴)の戦いの際に出てきたアベルが操っているデカい人形が出てきた時は、とてもワクワクして楽しい気持ちになった。エーステ春単独2023の劇中劇ナイランでも、小道具で作られた敵を見てとてもワクワクしたので、こういうのが好きなのかもしれない……(笑)

脚本はこの手の舞台にありがちな『忙しい人のためのマッシュル』という感じなのでかなりのスピード感で進む。一幕はマッシュが学校に入学し、アドラ寮の面々と信頼関係を結ぶまでが描かれ、二幕では神覚者を目指す過程で立ちはだかるレアン寮の面々との戦いが主に描かれるが、レアン寮との戦いがこの舞台の山場である一方でほぼ一幕では出番が無いため、レアン寮の面々のキャラクター性等を把握する前に戦いが始まるというスピード仕様。原作読んでいないので原作もそうなのかもしれませんが……。
展開が早くて着いていけない、ということは無いがもう少しキャラクターを掘って欲しかったな〜と思うところはあった。

長々と書いたが、個人的には割と楽しめる舞台だった。もし自分が原作のオタクだったら間違いなくマッシュとレモンちゃん(演:河内実里)のカップリングに狂っていたと思う。……この2人って原作でくっつくんですか?
あと、フィロソフィーのダンスが結構好きで、曲は割とよく聞いていたので舞台の最後に『「シュークリーム・ファンク」を踊りましょう!』とレモンちゃんに言われた時に初めてフィロのスがEDを担当していたアニメだったことに気が付きました(笑)劇場でフィロのス聞けたのも嬉しかったです!

続編が無いと分からない伏線が色々あったので(ランスくんが偽物!?だとか、フィンくんとお兄さんの関係性とか……)、いつか続きが見れる事を祈っております!


この記事が参加している募集

#舞台感想

5,904件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?