”心本主義経営”とは?

初めまして。合同会社Coaching4Uの渡邊と申します。
組織開発・人財開発のコンサルティング、コーチングを生業としております。詳細のプロフィールについては、また別途発信いたします。

突然ですが、“フラクタル”という言葉をご存知でしょうか?

“フラクタル”とは、部分が全体と自己相似となるような構造のことです。
例えば、以下の写真は脳細胞のネットワーク(左)と宇宙を形成する銀河同士のネットワーク(右)ですが、よく似ているのがわかると思います。

図3

(出典:https://news.nicovideo.jp/watch/nw3920483)

我々の知覚のレベルからすれば、極小とも言える、脳細胞のネットワークと、極大とも言える銀河のネットワークがこれ程似ていることに、知的好奇心が高まるのではないでしょうか。

我々は、自然界の本質はこのフラクタルにあると考えています。
つまり、“ミクロ”に働くシステムを知ることで、“マクロ”を司るシステムを知ることに繋がると考えています。

何故、いきなり、一見経営とは関係ない話をしたのか。
それは、経営の在り方を考える場合も同様だと考えているからです。

“経営の原則”を探求する時に、我々は様々なアプローチをすることが可能です。様々な事例の共通点を探し抽象化・一般化することを通じて、経営における原則を明確にする方法、内省を繰り返し新たな原則を創造する方法、戦略領域、ファイナンス領域、人材・組織領域など、領域を分けそれぞれの原則を追求する方法など無限にあると思います。

我々は、この“経営の原理原則”を探求する際の拠り所を“心(マインド)の原理”に求めています。
“心の仕組み”そのものは、一般的に“個人の内部”(ミクロ)で働くものですが、その原理に基づき応用することを通じて個人を超えた“組織”におけるマクロな原理原則を導けると考えています。

よって “心本主義経営”では“心(マインド)の原理”をベースに、経営組織における最適解を見出すことを志向しています。

“資本主義”という言葉がありますが、これは「生産手段の私的所有および経済的な利潤追求行為を基礎とした経済体系」(Wikipedia)すなわち“所有”や“金”を重視した概念と言えます。日本含む資本主義の経済圏では、この考えの上に経済・経営が成り立っています。

一方、一橋大学名誉教授・伊丹教授らは“人本主義経営”という考え方を提唱しています。“人本主義経営”とは、「「人のネットワーク」を編成の原理とする日本の企業システムの特徴を表現した概念である。(中略)従業員主権,分散シェアリング,組織的市場の3つから成る。」(宮島英昭(2011)「人本主義」日本労働研究雑誌)とあり、“人”を中心に据えた概念と言えます。

では改めて“心本主義経営”とは何か?
それは、前述の“人本主義経営”の言葉をなぞって説明すれば「「心のネットワーク」を編成の原理とする企業システム」ということになります。
・人の心(マインド)はどのような仕組みになっているのか?
・人の心(マインド)はどのような時、その可能性を最大限に発揮し、人々の幸せを実現することができるのか?
・上記を組織で考えたときにはどのような原理原則が見出せるのか?

我々は、これらの問いへの最適解を常に模索しています。
その意味においては、今回提唱する「心本主義経営」はまだまだ「Ver1.0」と言えます。
今後「Ver2.0」「Ver3.0」とバージョンを上げていく中で、より普遍的で応用可能性の高い理論へと磨き上げていきたいと考えています。

今後このNOTEを通じて、企業における“自我の確立”とも捉えられる“ブランディング”を専門とされている、松下一功氏と共に、“たたき台”の位置付けとして、我々の考える「心本主義経営」を発信していきます。

そして、“たたき台”に基づきより多くの知見を持った方々と議論を重ねていきたいと思います。

文責・合同会社Coaching4U 代表・渡邊佑

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