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ココロにギミックたっぷり

鬼に金棒、ネロにパトラッシュ、そして『浅生鴨短編小説集 すべては一度きり』には『ココロギミック』である。

ちょっと何言ってるかわからないが、危ぶむなかれ、行けばわかるさ。


『浅生鴨短編小説集 すべては一度きり』は、note連載中の『浅生鴨の短編三〇〇』を書籍化したものである。

このnote連載には、SNSを通じて挿絵が寄稿されている。

これが、実に良い。ちょっと奇妙な話にピッタリのモチーフ、浅生鴨さんの筆致を思わせるあたたかなタッチ。

挿絵は、短編が公表された後に寄稿され、それはいち読者の私にとっても楽しみとなっている。黙っていたら作家様に伝わらないので、ここで声を大にして、いや文字を太にして記す。

スミタ2022さん、いつもありがとうございます!

見ず知らずの人に感謝されて気持ち悪かったらごめんなさい。


残念ながら、単行本『すべては一度きり』には、その挿絵は掲載されなかった。実際に本を手にしたとき、かなり寂しかった。そこには大人の事情があるのかもしれないし、私も大人の一員なので深くは詮索しない。

その挿絵が『ココロギミック』に載っているのだ! ワオ!キツネザル!

そして、この間も書いたが、『すべては一度きり』に登場するキャラクターが『ココロギミック』に寄稿している、というココロにくいギミックもある。ワム!ウキウキウェイクミーアップ!

すみません、取り乱しました。


さて、『ココロギミック』のことも、全部読み終えてから書こうと思っていたのだが、読書渋滞でいっこうに読み終えられそうにない。

いいのだ。週刊の少年漫画雑誌だって読みたいところだけ読んでほったらかしじゃないか。気になった所だけ、好きなように読みちらかせばいい。


私が今の段階で言えることは、高橋久美子さんの小説は、これまでの作風から一歩踏み出したのではと思うようなホラー要素を盛り込んだ意欲作で、これだけ読んでもお金を出す価値があるということだ。

あと、永田泰大さんのエッセイは、同世代にはたまらないテーマであり、著者らしい細かさとドライブ感のある掘り進み方も素晴らしく、これだけ読んでもお金を出す価値がある。

あと、燃え殻さんとムラ係長の対談インタビューは、もう、すごく良くって、これだけ読んでもお金を出す価値がある。

あと、前田将多さんの小説は、ズバリ名作で、これだけ読んでもお金を出す価値がある。

あと、今日読んだ野口桃花さんの小説は心に刺さる渾身作だったし、上田豪さんの描く美意識にジーンときたし、あと、堀向健太さんのエッセイもすごいし、とにかくゴトウマサフミさんの絵と文が好きで、ああ、ちゃんと全部読まなきゃならんわ。


まだ読んでない作品は、楽しみを取ってあるのだ。

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