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ジミヘンという名の関所

忌野清志郎さんのウェブサイトが「地味変」なのである。もちろん「ジミヘン(ジミー・ヘンドリクス)」をもじっているのでしょう。

ジミヘンといえば、僕ら世代のロック好きは必ず一度は通る関所のようなものだ。なにせ、好きなバンド、ギタリストの記事を読むと、影響を受けたミュージシャンとして、ジミヘンの名前が必ず出てきたから。

そして、ジミヘンがカッコいいと思った人は、ジミヘンがカバーしているマディ・ウォーターズやハウリン・ウルフをたどり、さらにブルース沼にハマっていく。僕は少なくとも胸くらいまでは浸かっていたと思う。

当然ジミヘンが苦手なものもいる。そういうタイプはジミヘンを通過しないのでブルースへの関心も薄い。僕調べのサンプル数は一人(マイワイフ)だが。

さておき。

数日前から、ツイッターで画像を見かけたせいで、再び心の炎が燃え出し、ジミヘンを聴いている。じっくり聴くと、やっぱりすごいわ、ジミヘン。

ギターのフレーズは今聴いても古臭く感じない。やっぱりこの人からギターのプレイスタイルが大きく変わったことを改めて実感する。ボーカルは好みがわかれるらしいけど、僕はやっぱり彼の声でなくちゃと思う。

ジミヘンがリスペクトしていたブルースマンのひとりに、バディ・ガイがいる。バディ(相棒)・ガイ(野郎)だなんて、本人個人のアイデンティティかどこにあるのかちょっと不安になるけど。

バディ・ガイの自伝を読むと、昔から客ウケを狙って片手(フレット側)だけで弾いたり、頭の上に持ち上げて弾いたり、歯で弾いたりということもやっていて、なんとそれをジミヘンが見て取り入れたらしい。まさにジミヘンのルーツ、オリジナルと言ってもいい人。

僕は当然のようにバディ・ガイにもハマり、CDはほぼ全て持っている。札幌でライブがあって、そりゃあ何をさておいても行ったさ。もう一人で興奮しっぱなし。

バディガイは、先輩ブルースマンや後輩のギタリストたちをとてもリスペクトしていて、ライブでも、マディ、ジョンリーフッカー、ジミヘンやクリームのフレーズを披露してくれた。それが観客にウケるからっていうのもあるんだろうけど、とにかくウケることをやるっていう可愛らしさがいいのよ。

とまれ、ジミヘン。

ジミヘンを通じてブルースを知る。ジミヘンはロックとブルースの関所である。

あ、ストーンズでもいいけどね。