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紙の本を五感で楽しむ

今日はこちらのイベントを拝聴した。

もともと書店員向けのイベントだったそうだが、フリーで見られるようにししていただいたらしい。心から感謝。これまでも、これからも、本は書店で買います。

さて、張り切って仕事を早く切り上げ、パソコンの前で正座して、すぐに足がしびれて、伸ばしてたらそのうち足がつったりとかそんなことはどうでも良く、2時間楽しく観覧した。

新刊本『33の悩みと答えの深い森。』と、書店と、虎ノ門駅の話が中心だったが、特に書店に関する話題は興味深かった。

いろいろ考えさせられたのは、紙の本がなくなるのではないか、との問い。

田中さんは「そんなことはないだろう」と言いながら、「美しく、高価なものになっていくかもしれない」と語っておられた。確かにそういう流れのようなものは感じるかも。音楽CDも飾りやDVD付きなど凝ったものが増えているが、同様の傾向なのだろう。

自分自身が紙の本が好きだから、「無くなる」なんて考えたこともなかったけど、電子書籍が当たり前の人にとっては現実的な感覚なのかもしれない。

フリー視聴したYoutubeのコメント欄には、紙の本を肯定する意見が多かった。データではなく、印刷された文字でこそ物語を感じられるという意味のコメントもあって、なるほどなぁと思った。

私が感じる紙の本のメリットとしては、特定の箇所に行ったり来たりしやすいこととか、ページ数全体のどのあたりまで来たかが直感的にわかるとかがあげられる。結構大事なポイントだと思う、あとは、付箋を貼ったり書き込んだりということも、紙の本の方が便利だと思う(慣れている人はタブレットで上手にやるのかもしれないが)。

それだけではなく、五感で楽しむという感覚もあるのではないかと、トークとコメントを見ながら思っていた。

両手で感じる本の質感(触覚)、ページをめくる音(聴覚)、紙とインクのほのかな香り(嗅覚)、装丁と文字と挿絵(視覚)。そして味覚、、、、、え?

はっ!五感になってない!

なめたら甘い本とか、手にするだけで旨みが広がる本とか、そういうのないですか?!

すみません、味はしなくても良いです。想像で補えるし。

そう、想像! 幻覚だ。

本の五感は、触、音、嗅、視、そして幻、そういうことにしよう。

紙の本は、五感で楽しむものである。

書棚に並んでいるのを見るのも好きだしなぁ。

イベントでも話題になっていたが、Webですでに公開された記事でも、本になって文字の並びやフォントが変わることで感じ方が違う。これはとてもよくわかる。


最近は、CDよりもレコードが売れているという。紙の本もやはりなくなってしまうことはないだろう。とはいえ、紙の本の市場全体が縮小していることは事実らしい。その結果、書店で新しい本に出会う機会が少なくなっていくのは困る。毎週同じ書店に行っていてさえ、ふと新しい本に気づくことだってあるのに。

小さいことかもしれないけど、どうせ同じ本を買うなら、ちょっとくらい時間がかかっても身近な書店を大事にしたいなぁと、つくづく思うのであった。


主催者の皆様、お話しいただいたお3方、楽しいトークイベントをありがとうございました。