ひとやすみさん
「あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。」
アニメ『一休さん』でCMに入るときのヤツだ。わかる人は同世代である。
「一休さん」だから「ひとやすみ」なのだと、いま初めて気がついた。40年以上たってからの大発見だ。
たとえ昔から知られていたことであっても、当人が自分で気づいたことならばその瞬間が「発見」の時である。
もちろん「人類最初の偉業」というわけにはいかないし、同じようなことは誰かがどこかで気づいているであろう、ありふれたことかもしれない。それでも、本人が「発見」した瞬間は、なんともいえない喜びがあるものだ。
誰かに教えてもらったことではなく、自分で気づいたこと。
自分で気づくということが、喜びとかモチベーションの基本である。
ここのところ「ネタバレ」というものに、とても敏感になっている。
SFなどの小説を読む機会が増えているのだが、大まかなストーリーすら何もわからない状態で読み進めたい。自分だけで謎の存在に気づいて、驚ろきたいのだ。わずかな事前情報があっただけでも、ドキドキが減ってしまう。そんな気がする。
そう思うようになったので、最近は帯すら読みたくない。
本を買う段階では、多少のあらすじがわかった方がよいと思うかもしれない。私もそうだったし、以前はそれで平気だった。
でも、いまは、少しでもその本を楽しみたい。そう思うと、ひとつのネタバレも、入れたくないのだ。信頼できる読み手が「面白かった」「すごかった」と言っていた、その情報だけで十分である。
以前よりも、本を読むことに欲張りになったのかもしれない。
で、読み終えると、これから読む人にネタバレしたくなくて、また悶々としてしまうのだが。
なんの話してたんだっけ。
最近読んだ本では『ゲームの王国』(小川哲)がすごく面白かったです。