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王様のススメ

20数年前、彼女(後の妻)のアパートでのんびりしていた時、ラジオから聞こえてきたのは馴染み深いディープパープルの『ハイウエイスター』。原曲と違わない演奏だけどちょっとクリアで新録?と思っていると、歌声は日本語、しかも中学英語の「日本語に訳せ」のようなド直球の直訳!

「俺の車は誰も勝てぬすごいスピード出す」(ギャハハ!)

「こーそくーどーろのーほしー」(本当にそのまま!)

ゲラゲラ大笑いしながらも、原曲どおりの完璧な演奏に衝撃を受けたことをよく覚えています。

アーティストの名前は「王様」。

60〜70年代洋楽ロックの虜だった私には、どストライクな選曲。どの曲も完璧に弾きこなすめちゃうまギター。ふざけているようで実は真摯な直訳詞と歌。英語で聞いているとカッコいいのに、実はそんな意味だったの!と驚きとアイドルのデビュー曲のような微笑ましさを感じたり。

『深紫伝説』(上記『ハイウエイスター』を含むディープパープルおいしいところメドレー)はレコード大賞の話題賞にもなり、レッドツェッペリンやローリングストーンズの直訳なども続けて発表していて、しばらく時の人でした。

直接ライブを見たのは「深紫伝説」が注目されてほどない時期だったと思います。比布スキー場(北海道旭川市の隣町)での野外イベント。メインは爆風スランプ(!)で、そのカップリング(前座)として王様が3ピースバンドで登場しました。

爆風スランプは学生時代から好きだったのでそちらも見たかったところですが、私個人としては王様がメインでした。

演奏は4〜5曲、20〜30分だったと思います。王様曰く、

野外はいいですね。ロックファンにとって野外フェスといえばウッドストックフェスティバル、王様訳「木の在庫まつり」にちなんだ曲をやります。

うわぁすげぇ、ウッドストック!

「ユラユラとグルグル(Rock And Roll / Led Zeppelin)」、

「キツネっぽい女(Foxy Lady / Jimi Hendrix)」、

そして

「夏の憂うつ(Summer Time Blues / The Who)」

イントロが流れた時は、涙が出ました。The Who 大好きなんです。中学の頃から洋楽にはまり、特にThe WhoとThe Kinksは特別なバンドでした。

ラストには代名詞となった「湖上の煙(Smoke On The Water / Deep Purple)」。

活動休止中の人気バンドのカバーライブって、観客が多いらしいですね。よくわかります。

中学高校から何度も何度も聞いたあの曲、ラジオやLP、CDでしか聞いたことのないあのバンド。さらにYoutubeも配信もなく、数少ないライブビデオ(テープ)でしか本人映像を見ることができない時代でした。

コピーバンドなんですが、ギターの演奏はすごいし、音色もフレーズも再現度が高い。あこがれたロックスターが、まさに目の前で演奏しているかのような感激。

冷静に見たら、すごく変な格好なんですけどね。


ウエブサイト「王様の銭湯通信」の会員になって、手ぬぐいもらったり、銭湯バッグもらったり、アルバムを買ったりと応援していました。

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こちら手ぬぐい(プリント部分)。愛用しすぎてボロボロ

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手ぬぐい別バージョン

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銭湯バッグ。いまやレアグッズ?

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缶バッジもあった。

その後、結婚し子供ができたり、引越しがあったり、仕事が忙しくなったりして、自然とウエブサイトからもライブからも遠ざかりました。

ただ、車にはずっと『深紫伝説』を入れたMD(!)を常備し、子供が小さい頃から一緒に聞いて熱唱していました。


あれから20年経ち、子供が一人暮らしを始め、時間に余裕ができてきました。ライブにも行く時間が作れるようになってきて、そういえば王様って何をしているんだろうかと調べたら、ずっとライブ活動をされているんですね!

昨年ライブの回数が通算3,000回を超えたとか! すごい!!!

北海道にも年に2回ほど来てくれたいるみたいで、これから機会をつくって参戦しよう。楽しみが増えた。


こんなことを思い出したのも、先ほど有料配信を観たからです。

20年経っても同じスタイルでいてくれて嬉しい。応援します!





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