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ダンドリーキチンと

なにごとも段取りが重要だ。

アンソロジー集『雨は五分後にやんで』に収録されている「よなかくん」さんの小説で、家に帰って足を洗うのを習慣にしている主人公が登場する。

ああこれ気持ちよさそうだなぁと思って、読んでから仕事から帰ってまず足を洗うようになった。もちろん手も洗うし、暑い日が続くようになってからは顔も洗っている。

で、洗う順番を間違うと悲劇が起こる。

手を洗ったあと、ついつい足を先に洗ってしまうのだ。

足を洗うときは、濡れた足を床につける前にタオルで拭く。洗面所で、片足ずつ洗っては拭いてという作業になる。両足を洗い終えた瞬間に、顔を洗っていないことに気づき、しばしば絶望に突き落とされる。

せめて、タオルのどちらの面で足を拭いたかを覚えておけば良かった。


こうして、足を洗ったタオルで顔を拭くか、新しいタオルを出して洗濯物を増やして家の者にブチブチいわれるかのどちらかを選択しなければならない。

などということになる。


段取りは大事だ。

農作業でも段取りが極めて重要である。

『カウボーイ・サマー』でも、農作業未経験の著者が、日々移り変わる牧場での様々な作業に、それぞれ準備(段取り)が必要であることに感心するシーンがある。

作業の順番を間違えただけで、機械の作業効率が著しく低下したり、せっかく手伝いに来てくれた作業員をぼーっと待たせてしまうこともある。

仕事のできる農家さんは、ほんとうに段取りが素晴らしい。


これは、他の仕事でもおそらく同じだろう。一般的には、段取り=マニュアルなんていわれるだろうか。


なお、私はマニュアルがあっても読まないでまずは使ってみるタイプである。

何が言いたいかというと、足を拭いたタオルで顔を拭くのは、言わなければ誰も気がつかないということだ。