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男性にも知ってほしい、女性のうつを防ぐ3つの方法〜うつ対策は妊娠前から閉経まで


 産後うつ、自分には関係ないと思う人が多いかもしれませんが、実は日本の女性のほとんどがその予備軍です。

 それはイコールほとんどの男性もまた、その家族予備軍や同僚予備軍ということです。

 なんでうちのカミさんはすぐキレるんだ?
 いつもイライラしてるな
 子どもに厳しすぎないか?
 情緒不安定だなぁ
 最近口数が少ないな
 甘いものばかり食べてるな
 いつも寝てるな
 太り過ぎだろ
 痩せすぎだろ
 抜け毛が多いな
 爪がボロボロだな
 肌の艶がないな
 顔色が悪いな

 それらはどれも「助けて」のサインかもしれません。

 すでに「うつ」になった本人は、なかなか自分から対策できません。
 そうなってから対策しようとしても、なかなかうまくいかないことも多いでしょう。

 元気なうちに自分のこととして、家族ぐるみ企業ぐるみ自治体ぐるみでの対策が必要です。

 心の病に対して、話を聞くなどの心理的ケアはもちろん大切です。

 ただし、それだけでは解決が難しいのも事実です。

 「人間」としての「悩み」の前に、「生き物」として「生きる」条件が崩れているからです。

 救急搬送される女性たち、自傷行為などはもちろんですが、頭痛・腹痛・吐き気・過換気・不安など訴えは様々です。

 本人は訴えることができない状態で搬送される人も珍しくありません。

 精神科なり心療内科を受診しなければ「うつ」の病名はつけられませんが、身体の中は似たような状態なのです。

 そうした女性たちの多くに、共通点があります。

救急搬送される「うつ」な女性の共通点

①貧血、鉄欠乏(フェリチン低下)
 こんな人は要注意:頭痛、吐き気、不安感、恐怖感、落ち着かない、冷え性、立ちくらみ、イライラそわそわムズムズ、暴飲暴食、甘いもの好き、変なもの(氷など)が食べたくなる、運動嫌い、考えられない、抜け毛が多い、肌のツヤがない、便秘、子どもや家族にあたってしまう

②色白(ビタミンD欠乏)
 こんな人は要注意:やる気が出ない、落ち込みやすい、ストレスに弱い、ストレスと戦う気も逃げる気もしない、風邪を引きやすい、風邪が治りにくい、高血圧、喘息、花粉症、アレルギー、リウマチなど自己免疫疾患、肥満、がん、など様々な慢性疾患、慢性下痢、便秘

③昼夜逆転(体内時計の乱れ)
 こんな人は要注意:夜眠れない、朝起きれない、昼はっきりしない、不機嫌、キレやすい、怒りっぽい、人の話に逆らいたくなる、ミスが多い、集中できない、人に厳しく自分に幻滅する、自傷行為をしたくなる、反社会的なものに惹かれる
 
ですから、対策はこうなります。

女性のうつを防ぐ3つの方法

①鉄分を補う。
②ビタミンDを補う。
③体内時計を調節する。

①鉄分を補う。

 閉経前の日本の女性の99%は鉄分不足(フェリチン100以下)です。

 日本の基準値では、フェリチンが5以上あれば基準以内とされます(施設にもよる)が、欧米では正常は100以上、40を下回ると妊娠は危険と判断されます。

 女性は月経で血液を失うのはもちろん、妊娠から出産、さらには授乳まで、母体は胎児にあらゆる栄養を分け与えます。

 赤ちゃんの「赤」(=血液の赤み)は、全てお母さんの鉄分です。

 妊娠していなくても鉄不足なのに、さらに赤ちゃんにもあげなくてはならないのだから大変です。

 鉄分は身体へ酸素を運ぶ赤い色素ヘモグロビンのもとで、人にとって最も大切なミネラルの一つです。

 鉄分が足りないと、心は常に不安定になります。

 鉄は足りなければ、補給すればいいだけです。

 逆に補わなければ、産後に限らず上がりません。

 一生鉄分不足のままのママがたくさんいます。

鉄分を補う3つの方法

①サプリメント「フェロケル」を飲む。
(追記:
鉄サプリはフェロケルが強力ですが、酸化から肝障害・発癌(真偽不明)なども言われます。過剰に注意。また鉄摂取は酸化が大敵、ビタミンCが不足してると鉄を吸収・利用できません。)

一番簡単です。

 鉄はタンパク質、ビタミンCと一緒だと吸収されやすいので、サプリで摂るなら、アミノ酸、ビタミンCも一緒に摂りましょう。
 ドラッグストアに売っている「ヘム鉄」はフェロケルほど吸収が良くありません。

②肉、魚を食べる

肉や魚にはタンパク質と結びついたヘム鉄が入っています。

特に赤身に多いです。

サプリより自然に美味しく鉄を摂ることができます。


③鉄の調理器具を使う

 フライパンや鍋などを鉄にすると、それで調理した全ての料理から鉄分を摂ることができます。お酢を一匙入れると調理器具の鉄が溶け出してくれます。


ただし、これはヘム鉄ではないので、吸収にビタミンCを必要とします。サラダや果物を一緒に食べましょう。

特にりんごは、それ自体のビタミンCは少ないのに、血中ビタミンCを大きく上げてくれます。


鉄分をうまく使う3つの方法

鉄を口から入れても、ちゃんと吸収されないと身体が使うことはできません。

①胃を大切に

 鉄が吸収されるには胃酸が必要です。

 胃薬で胃酸を抑えたり、鎮痛剤で胃が荒れていると鉄の吸収を妨げますので使用を控えましょう。

 胃を守る食材はズバリキャベツです(キャベジンという薬にもなっている)。

 生姜焼きとキャベツの千切り、ロールキャベツなんて最高です。

海苔を食べる

 葉酸、ビタミンB12は体が鉄を使うために不可欠です。

 海苔を食べましょう。

 鉄火巻きなんて最高です。

③食事時のお茶はハーブティーで

 緑茶、ほうじ茶、紅茶、コーヒーなどのタンニンは鉄分の吸収を邪魔します。

 お茶を飲むなら食事からはなれた時間に。

 食後などは苦味の少ないハーブティにしましょう。

 ビタミンCを含むローズヒップティーなんて最高です。

 玄米も鉄分吸収を邪魔するので、鉄不足を心配している人は避けましょう。

なぜ甘いものが欲しくなるの?

鉄不足の女性ほど、甘いものが好きです。
そして運動は嫌い、というかできません。
なぜか?

それは、鉄分が足りないと酸素をうまく使えないからです。

酸素を使うと、人間は一つの糖から36のエネルギーを得られます。
酸素がないと、同じ一つの糖から2のエネルギーしか得られません。
また、酸素なしでは脂肪(脂肪酸)を燃やすこともできません
酸素があって脂肪を燃やせれば脂肪酸1つから130ほどのエネルギーをつくれます。
マラソンなどが走れる人は脂肪酸を燃やせる人です。
酸素が足りない状態では、糖だけを効率悪く使うので、すぐエネルギー切れになってしまいます。だから鉄不足の人はいつも疲れて、甘いものを欲しがっているのです。筋肉は減り、肥満にも繋がりやすくなります。

酸素を使うには、鉄、マグネシウム、ビタミンB群などが必要です。
砂糖やアルコールはビタミンB群を奪ってしまうので、ビタミンB群はさらに不足し、悪循環になります。

また、鉄はタンパク質とくっついてないと身体の中で働けません
ところが、鉄不足の人は、タンパク質も不足している人が多いです。
肉などのタンパク質はあまり食べられないと言います。
それは、タンパク質が足りないと唾液、腸液などの消化酵素が出にくくなってしまうからです。

いくつもの悪循環を解決するには、不足している鉄、タンパク質、ビタミンBを補い、糖質を減らしていく必要があります。

まずは、サプリメントで補うのが簡単です。
鉄はフェロケルで、タンパク質は消化された状態のアミノ酸で、ビタミンB群もサプリメントで補うことができます。

アミノ酸はいわゆる「ダシ」や「旨み」なので、鰹節や昆布、キノコ類もオススメです。

食事は食べられる範囲で、まず肉、魚、卵などのタンパク質を食べ、米、麦などの糖質は最後に摂るとよいでしょう。

タンパク質を摂った後に少しの糖質を摂ると、タンパク質の吸収がよくなります。

マグネシウムなど他のミネラルは、海水の様々なミネラルを含む天然塩で補うことができます。

ある程度、鉄、タンパク質、ビタミンB群が補えると、元気になって身体を動かすことが苦でなくなります。

そうしたら、テレビ体操やヨガ、散歩から身体を動かし、タンパク質を食べ、糖質も少し食べるという流れを作ると、脂肪を燃やせるようになり、よい循環でエネルギーいっぱいの元気な人になっていきます。

②ビタミンDを補う。

 出産前後、安全を考えたりして、外出を控える妊産婦の方は多いと思います。

 人間は、日光を浴びることでビタミンDというとても大切な物質をつくっています。

 ビタミンDが足りないと、人は気分が落ち込みやすくなります

 ビタミンDが足りない人は、そうでない人より11倍うつ病になりやすい

 ビタミンDを投与するとうつ病の人の74%が改善したという報告もあります。

 1990年代の美白ブーム以降、日本人女性の多くがビタミンD不足になり、主要国でワースト3に入っています。

 そしてうつも増えたのです。

 ビタミンD不足は要注意に上げたような様々な病気の原因にもなります。

 ビタミンDも、足りなければ補えばいいだけです。

 逆に、補わなければ増えません。

 一生ビタミンD不足のままのママがいっぱいいます。

 これは女性に限らないので、一生ビタミンD不足のままのパパもいます。

 ママでもパパでもない人にも多いです。

ビタミンDを補う3つの方法

①日光を浴びる

 なんと無料です。

 ビタミンDをつくるには、皮膚に日光を直接浴びる必要があります。

 日焼け止めを塗ったり、ガラス越し、衣服ごしでは作れません。

 赤い日焼けを起こす紫外線UVBがビタミンDを作ります。

 黒い日焼けを起こす紫外線UVAでは作れません。

 冬は日光が弱すぎてあまり作れません。

 春から秋の晴の日のランチタイムを外で過ごすのがオススメです。

 海水浴は最高です。

 ビタミンDは貯められますので、夏にいっぱい陽を浴びて一年分貯めておきましょう。
 
②魚とキノコを食べる

 魚には人間が作るのと同じビタミンD3が含まれます。

 キノコには別タイプのビタミンD2が含まれます。

 どちらもおいしく食べましょう。

③サプリメントでビタミンDを摂る。

 肝油ドロップが有名です。

 ただし肝油はビタミンAも多いので、決められた量を守りましょう。

 ビタミンDだけのサプリもあります。1日4000国際単位(IU) =100μgを目安にしましょう。

 調子悪いなら最初は多めに飲んで、あとで減らしてもいいでしょう。

 1粒5000IUのものがコスパが良くておすすめです。

 乳酸菌と一緒に摂ると吸収が良くなります。

 朝、味噌汁と一緒に飲むか、味噌汁に溶かしてしまうと良いでしょう。

③体内時計を調節する

 体内時計が乱れると、人は不機嫌になります。

 時差ボケ、徹夜明け、誰でもおかしくなります。

 そして周りの人に腹が立ち、無性に逆らいたくなります。

 ぐずるのは、小さい子どもだけではありません。

 自覚がないだけで、大人もしょっちゅうぐずっています

 うつで落ち込んでるだけなら、人はわざわざ自分を傷つけたりなんだりしません。

 とにかく気にくわない、なんかしでかしてやりたい、めちゃくちゃにしてやりたい、という衝動は、どこからくるのか?

 脳内的には子どもの「グズリ」と一緒です。

 セロトニンという脳内物質が急に下がる時、人は猛烈に不機嫌になります。

 セロトニンは強い光を浴びることで増えます。そして夕方太陽の光が減ってくると、セロトニンは下がり、代わりにメラトニンという睡眠物質が増えて、眠くなります。

 ところが、夜までスマホやパソコンの画面を見ていたり、夜更かしが続いたりすると、このセロトニンとメラトニンのリズムとバランスが崩れてしまいます。

 それが体内時計の乱れ、「グズリ」の正体です。

 体内時計を調節するには、朝起きたら、太陽の光を浴びること、朝に納豆や卵などのタンパク質を食べ、メラトニンのもととなるアミノ酸(トリプトファン)を補給すること、昼、特に夕方は体を動かして体温をあげること、夜は強い光を避け眠ることが大切です。

 授乳期間など、夜ゆっくり眠ることが難しい期間は、特に注意が必要になります。
 無理、と諦めるのではなく、少しでも改善する工夫をしていくことが大切です。
 子どもと一緒に、朝日を浴びて、昼は動いて、夜は暗くして、リズムを整えていきましょう。

 悩みの原因を解決するのはなかなか難しくても、悩みに負けない心と身体になる方法はあります。

 そしてできることからやっているうちに心と身体が強くなったら、あれ?何で悩んでたんだっけ?となることも、珍しいことでは無いですよ^^

 本人か周りの人が「助けて」のサインに気づいて、少しづつよくしていけるといいですね。

参考図書




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