子宮頸がんにかからない方法4 カロリー制限ダイエットをしない
ええっ⁈
ダイエットでがんリスクが増えるってこと?
驚かれる方が多いのではないでしょうか。
肥満は悪いって聞きますよね?
過度の肥満がいいとは言いません。
ダイエットがよくないと言っているのです。
どういうこと?
もう一度、子宮頸がん死亡率の変化を見てみましょう。
1960年代からがん検診が始まる1980年代前半まで、子宮頸がん死は減り続けて40代では3分の1ほどにまで減りました。
この間は、がん検診もHPVワクチンもなかったのに(なかったから?)、なぜ子宮頸がんはこんなに減ったのでしょうか?
それは、食べられるようになったからです。
1950年代後半から、家庭用冷蔵庫が普及して、新鮮な肉や魚を食べてタンパク質や脂質を十分に摂れる人が増えました。
それとともに結核や脳出血など多くの病が減りました。
子宮頸がんもその一つです。
栄養状態が改善すると、がんも減るのです。
検査値で言うと、重要なのは血液のコレステロール値です。
総コレステロール値、あるいは医学界では悪玉とされるLDLコレステロール値が高い方が、がんが少ないのです。
下図は茨城県の約10万人を17年間追跡したデータからの抜粋ですが、グラフを見ると、コレステロールが高い方が、全死亡リスク、全がん死亡リスクが低いことがわかります。(注:コレステロール値が低い方が上に並べられていること、LDLのグラフが作られていないことは、製作者の「常識」への忖度がうかがわれます)
総コレステロール>260の人は、総コレステロール<180の人より50%もがん死亡リスクが低いのです。
220以上だと検診でひっかかりますから、検診で引っかかるくらいコレステロールが高い人ほど死亡リスクが低いということです。
さらに、善玉とされるHDLコレステロールでは差がありませんから、高い方がいいのはHDL以外、つまりLDLということになります。
コレステロールは、身体の細胞やホルモンの最も重要な材料の一つです。(LDLは肝臓から各組織に運ばれるコレステロール、HDLは各組織で使い終わって肝臓に帰るコレステロール、いわば通勤電車の行きと帰りです。行きが悪玉で帰りが善玉だなんてデタラメな話です。)
身体は、皮膚にUVBを浴びることでコレステロールからビタミンDをつくります。
ストレスを和らげ長寿ホルモンとして注目されるDHEA、若さと活力の源の性ホルモンなども、コレステロールからつくられます。
コレステロールが低いと、がん、脳卒中、心臓病、いずれもリスクが上がります。
唯一、コレステロールが高い人に多いのは循環器疾患の一部である虚血性心疾患(心筋梗塞)ですが、これは喫煙者が多いため、炎症を起こした血管などの修復に多量のコレステロールが必要になるからで、コレステロールが悪いわけではありません。
コレステロールは糖質からも脂質からもタンパク質からもつくることができます。こんな物質はとても珍しいのです。重要な物質だから、身体はいくつも作る経路を持つように進化したのです。
血液のコレステロール値は、栄養状態を最もよく表す指標の一つです。
コレステロールが高い人は、本当はトップアスリートや長生き家系の人に多いのです。
ですから、コレステロールを下げるクスリは、がんをはじめ多くの病のリスクを上げます。
そんなクスリを飲まないのは当然として、最近、特に女性たちのコレステロールを下げてしまう原因がもう一つあります。
カロリー制限ダイエットです。
カロリー仮説自体が全くのデタラメです。
糖質、タンパク質、脂質はそれぞれ別の栄養素です。
必須アミノ酸や必須脂肪酸を他の栄養素からつくることは人間にはできません。
あなたが必要な栄養素を摂ったかどうかはカロリーではわからないのです。
カロリーを減らそうとすると、カロリーが高い脂質を減らすことになります。
脂質が多い食品はたいてい脂溶性ビタミンやタンパク質も多く含みます。
そして糖質は脂質よりカロリーが低いので、糖質中心のメニューになります。
(そうするとあ〜ら不思議、病院食の出来上がりです)
それが「バランスのいい食事」ということにされていますが、実はとてもバランスが悪いのです。
糖質はいくら食べてもなかなか満足せず、またすぐ食べたくなります。
これはインスリンが血糖値を乱高下させることもありますが、何より、栄養が足りていないからです。
白米や小麦粉はタンパク質が少ない上に、アミノ酸バランスがヒトと穀物ではかけ離れているため、パンや麺を食べて必要なアミノ酸や脂質を補うには膨大な量を食べなくてはなりません。
生きるためには必須アミノ酸、必須脂肪酸、必須ミネラル、ビタミンが必要なので、身体はそれが手に(腸に)入るまで、栄養を欲しがるのです。
それらが豊富に含まれる例えばボーンブロススープのような食事をいただくと、不思議なほど少量で満足でき、我慢しなくてもなかなかお腹が空きません。
過食の人や肥満の人というのは、糖質ばかり摂って必須栄養素が足りていないことが多いのです。(私もかつてそうでした)
肥満が病気のリスクを上げる一番の理由は、体脂肪が多いからではなく、必須栄養素が足りていないからです。
ですから、食事を減らせばいいわけでは全くありません。
「何ヶ月で何キロ痩せる」と謳う無理なダイエットで痩せたけど病気になったという人はよくいます。(「痩」の字はヤマイダレですね)
栄養が足りていない肥満の人が食事を制限すればますます栄養状態は悪化します。
運動などする気にならないのは身体を守るために当然であり、無理に活動すればさらに栄養不足が深刻になります。
「糖質制限」という言葉にも注意が必要です。糖質を減らすつもりで、食事全体を減らし他の栄養も減らしてしまう人が多いからです。
またこれまで糖質に依存してきた人の身体ほど、ミネラル不足などのために脂質を使うのが下手になっていることも多く、糖質を減らすとエネルギー不足になりやすいからです。
健康にスタイルを良くしたいなら、糖質を減らそうとするより、カロリーを「減らさず」に、むしろタンパク質や脂質を増やし、糖質への依存度を下げることでどちらかといえばカロリーの高い食生活をしつつ、栄養を満たした上で、余分な体脂肪を使う活動(身体活動でも頭脳活動でも)をしなくてはなりません。
栄養が充足している人の短期間の計画的な断食は臓器の休息と代謝への刺激という意味で「あり」ですが、長期間食事を減らして運動せずに痩せるどんな方法でも健康にも美しくもならないと断言します。
アスリートでも、オーバーワークや減量しすぎでコレステロール値が下がりすぎていることがあり、栄養不足は故障や慢性疲労症候群いわゆる「燃え尽き」の大きな原因になりますから要注意です。
ダイエットと称して必要な栄養を減らして、辛くなると糖質ばかり摂ってリバウンドする人が多すぎです。
そのやり方で痩せているのは筋肉と骨と血管と脳と免疫力です。
体脂肪はカロリーではなく、糖質を取るほど増えます。
ちなみに脂肪肝の原因も脂肪ではなく糖質過剰です。
おいしく食べて、必要な栄養素をしっかり摂ること、当たり前ですが、それが健康に生きるためにも、がんにかからないためにも、とても大切で基本的なことなのです。
(Facebook2019年11月6日より)
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