症例検討 重症化の原因はやっぱり脱水とクスリだろう

 中国で退院後に再増悪して死亡した36才男性の詳細な経過が記事になった。(参考1)


 それを読むと、なぜ新型コロナWARSで命を落とすのかがわかる。
 結論から言えば、やはり脱水と余計なクスリの害と考える。

 経過をまとめると以下になる

「李亮は36歳。体は健康かつ丈夫」

2月3日(0日目)発熱。CTで左右肺にすりガラス影。

2月8日(5日目)隔離 消炎剤(解熱鎮痛剤であろう)処方

2月9日(6日目)新型コロナ陽性

2月12日(9日目)コンテナ病院入院「軽症患者として」「わずかな発熱と咳のみ」
漢方 肺炎3号 肺炎2号 服用

2月20日新型コロナ陰性

2月23日新型コロナ陰性 CT検査悪化

2月26日(23日目)退院 隔離施設入り

2月28日(25日目)「口が乾く」「医師は夫に、口が乾くのは漢方薬を飲んでいるからであり、水をたくさん飲みなさいと言った。そのため夫は水をたくさん買い、果物も買って部屋で食べていた」

3月1日(27日目)「食事をしたくなくなった。水を飲む量も少ない。ベッドの上にいると動きたくなくなって、ずっと眠い」

3月2日(28日目)「食欲がない。体温はわずか35度3分で、脈拍が弱くてだるい」「舌が口にくっついたようなしゃべり方だった」病院に「意識朦朧」で救急搬送。死亡確認。

 これだけ読んで「やっぱり新型コロナは怖い」と思ってはいけない。

 私の解釈を加えると、全く違う側面が見えてくる。

「李亮は36歳。体は健康かつ丈夫」

 年齢も若く、基礎疾患もない彼がなぜ亡くなったのか?

2月3日(0日目)発熱。CTで左右肺にすりガラス影。

 ウイルス性肺炎の所見だ。

2月8日(5日目)隔離 消炎剤(解熱鎮痛剤であろう)処方

 まず解熱鎮痛剤を使ったことがこじらせる原因になっただろう。記事では消炎剤を処方された日が明示されていないが、一般的には初診の2月3日から飲んでいたと考えられる。

2月9日(6日目)新型コロナ陽性

2月12日(9日目)コンテナ病院入院「軽症患者として」「わずかな発熱と咳のみ」

 この段階でも軽症だった。長引いているのは解熱鎮痛剤の影響か。

 漢方薬のみ使用 肺炎3号、後に肺炎2号に切替えた。

「熱はすぐに下がり咳も減った」

 クスリで「熱が下がった」「咳が減った」は必ずしも良くなったとは言えない。
 ただ免疫応答を下げていただけの可能性がある。

 さらに重要なのは、漢方薬が使われたこと。肺炎3号、肺炎2号が何かわからないが、(参考2)

 によると、治療に広く使われる清肺排毒湯には、柴胡16gが入っている。

 柴胡はステロイド作用があり炎症を抑えるが、ステロイド同様、長期連用は免疫を低下させてしまうことにつながる。

 さらに柴胡の最も恐るべき副作用は間質性肺炎である。

(参考3)小柴胡湯による問質性肺炎について

 柴胡を使ったら間質性肺炎の増悪がウイルスによるものなのか、薬剤性なのか全くわからなくなってしまう。
 私ならウイルス性肺炎の患者に柴胡剤を使うことはあり得ない。
 クスリを使わなくても身体は治るが、クスリをやめない限り副作用が治ることはないからだ。
 特に、はじめは「実」証の患者でも、長引くうちに「虚」証に移行するものである。
 体力の低下した「虚」証に強い柴胡剤は禁忌である。

 どうしても炎症を鎮めたければステロイド1回注射あるいは最低限の吸入ステロイドの方がよほど安全だ。(漢方だからいい西洋薬?だから悪いみたいなこだわりは無意味だ。いるものはいる、いらないものはいらない)

2月20日新型コロナ陰性
2月23日新型コロナ陰性 CT検査悪化

 新型コロナの核酸検査(PCR)が全く当てにならないことを示す実例。(感度50%はコイントスと一緒だ。)

 実際にウイルスがいないとしたら、感染はすでに終わっており、彼の死はウイルス以外の原因ということになる。

 CT検査記録「両方の肺に密度の高まった影が多く見られる。大部分はすりガラス状の密度だが、一部は網状に変わった。大部分が胸膜の下にあり、両方の肺の下葉に小結節の病巣が見られる。最大0.4cmで、再検査を勧める」
 は間質性肺炎が主で、一部に細菌性肺炎を合併したことを疑わせる。
 血液検査や痰のグラム染色と培養で細菌性肺炎を鑑別し、必要に応じて抗生物質を投与しなくてはならない。

 
2月26日(23日目)退院 隔離施設入り

2月28日「口が乾く」「医師は夫に、口が乾くのは漢方薬を飲んでいるからであり、水をたくさん飲みなさいと言った。そのため夫は水をたくさん買い、果物も買って部屋で食べていた」

 脱水に陥っていたことは明らかだ。
 医師が「漢方薬を飲んでいるから」と言ったのは、漢方に脱水を起こす成分や副交感神経をブロックする成分が入っていることを医師が認識していたことを示す。
 それでも処方を変えない頑迷さは救いようがない。
 私は漢方でもほぼ1日か2日の処方で、4日以上出すことはまれだ。

 「水をたくさん飲みなさい」:低ナトリウム血症を促した可能性がある。

 「果物も買って部屋で食べていた」:果物はカリウムが多く脱水を助長し身体を冷やす。特に塩を摂らない場合。

3月1日「食事をしたくなくなった。水を飲む量も少ない。ベッドの上にいると動きたくなくなって、ずっと眠い」

 まさに低ナトリウム血症の症状である。
 生理食塩水など濃い塩水の点滴が必要である。

3月2日(28日目)「食欲がない。体温はわずか35度3分で、脈拍が弱くてだるい」「舌が口にくっついたようなしゃべり方だった」病院に「意識朦朧」で救急搬送。死亡確認。

 低ナトリウム血症、敗血症、脱水による循環血液量減少からショックをきたし死亡したと考える。
 柴胡連用による間質性肺炎、副腎不全もあったかもしれない。

 彼を死なせたのはウイルスではない。

 いらない検査・いらないクスリ・間違った医者の指示、そして自分の身体の声を聞かずにそれらを受け入れてしまった彼の恐怖心・群衆心理だ。

 医者やクスリが病を治すという思い込みが彼を殺したのだ。

(中国では検査拒否も難しいだろうから、熱や咳が出ても受診せずに自宅療養しなくては無理やり検査されてクスリを飲まされるかもしれないが。そんなことが世界中で繰り返されているのが、このWARSパンデミックだ)

 もし彼が最初から解熱鎮痛剤を使わず、漢方も飲まず、ビタミンDと味噌汁(中華スープでもいい)だけ飲んで、塩うがい・鼻うがいしていたら、数日で良くなったのではないか?

 読者の皆様には、ぜひ彼を教訓に、より幸せな選択をしてほしい。

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