幸せな結婚の『3つの袋』
結婚式の定番スピーチではあるが、一周まわって聞いたことがない人も多いらしいので、予幸医学的アレンジを加えてお伝えする。
病の多くは家族をはじめとした人間関係の問題を基礎にしている、と言うと驚かれるだろうか?
典型的なのは子宮頸がん・乳がんなど女性特有のがん。
子宮頸がんの原因はHPV(ヒューマン・パピローマ・ウイルス)と言われる。
HPV自体が性感染症で、風俗好きの夫が感染させることが多いが、実はHPVに感染してもそれだけでは多くは発症しない。
子宮頸がんを発症し命を落とすまでには、ビタミンD低下や夫との関係など様々な問題がある。
乳がんで亡くなる女性も、パートナーとの関係に問題を抱えていることが多い。
夫はまず自覚がない。病んだ妻は言いたいことがあっても言えず、我慢している場合がほとんどである。
言えないからこそ、病という形でメッセージが表れるとも言える。
幸せな結婚には、3つの袋が肝心と言われる。
妻を病で苦しませたり、ましてや亡くしたくないなら、男は3つの袋を妻に預けるべきである。
1つ目は、『給料袋』。
男の役割は、妻や子どもに食べ物を獲ってくることである。
男の筋力も分析的な思考力もそのためにある。
獲ってくるのは歴史的には狩りの獲物、田畑の作物、今は、お金だ。
給料袋(今は通帳か)を全部妻に渡してお金の管理は妻が行い夫はお小遣い制、というのは日本だけ(?)だそうだ。
欧米やイスラムでは逆に夫がお金を管理し、妻は夫の所有物のようになっている場合が少なくない。
そんな国々は乳がん死亡率が日本よりはるかに高い。
なぜ男が稼いだお金を女に渡さねばならないのか?
「ならない」のではない。
そうする方が男も女も幸せになるから、日本人はそういう仕組みを発明したのだ。
日本では、主神は天照大神という女神だ。
女神が主神なのも日本だけで、キリストもアラーもゼウスもシヴァも男だ。
日本では妻は「うちのかみさん」だ。
かみさんが笑ってこそ、家には幸せが訪れる。
妻が泣いていたりましてや病んでいては、どんなにお金があったり高い地位を手に入れても、夫も幸せにはなれない。
それはスサノオの悪さに悲しんだ天照大神が天の岩戸に隠れてしまったら世界は暗闇に閉ざされたという古事記の故事にも記されている。
元々男の脳とは、自分で幸せを感じられるようにできていない。
子どもの時は母ちゃんに、大人になってからはかみさんに、
「見て見て!」
と自分の仕事を見てもらって
「すごいねぇ、よくやったねぇ、ありがとう、嬉しい」
と言って女性に笑ってもらって初めて幸せを感じられるようになっている。(女が喜んで嬉しいという字になる)
どんなに自分一人が一時的に気持ち良くても、喜んでくれる人がいなければ虚しくなるだけであることは、中学生以上の男はみんな知っている。
(オナニー、ゲーム、ギャンブル、マネーゲームから世界征服まで、不幸な男は虚しくドーパミンの上下動を繰り返して一生を終える)
男は立てられなければ役に立たず、女は潤わなければ満たされない。
身も心もだ。
女を潤わせるためには、安心が重要である。
寒い時、ひもじい時、貯えがない時、女は不安になる。
温かく、お腹がいっぱいで、貯えが十分にある時は安心する。
妻がお金の管理は苦手、やりたくない、という場合もあるだろう。
それでも通帳を預け、どれだけの貯えがあるか示すこと、夫が不審な使い方をしていないことを示すことは妻の安心にとって重要な意味を持つ。(妻が稼いで安心できていればそれはそれでよい)
2つ目は『胃袋』
妻に給料袋を渡すと美味しい食事となって夫を幸せにしてくれる、という循環は日本人の幸せの象徴とも言える。
妻は料理が苦手、夫の方が料理が上手、という場合もあるだろう。
必ずしも女が料理しなくてはなならない、ということではない。
それよりも大切なことは、一緒に食事をして、妻が美味しそうに食べる姿を夫が見ることだ。
もちろん夫が美味しそうに食べる姿を妻が見ることも大事なのだが、男の脳は美味しそうにするようにできていないことが多い。
めちゃくちゃ旨そうに食べる男もいるし、そうでもない女もいるから個人差が大きいが、一般的には女性の方が表情が豊かだ。
男の脳は分析することは得意だが、感じることは苦手なことが多いのだ。
私もよく
「美味しい?」
と聞かれて
「うん」
とか
「美味しい」
とか生返事しながら、頭の中は世界の人々の健康や自転車のサドルの角度でいっぱいだったりする。(どちらでも怒られる)
回転寿司に言っても、私は一番安価な皿が多い。どれを食べても美味しいし、栄養価はあまり変わらないからだ。
しかし一緒に行く女性陣の顔を見ると、高い皿には十分に価値があると思える。
男の胃袋を掴むとは、必ずしも手料理が上手で、毎日何品も振舞わなくてはならないということではない。
それよりも大切なことは、夫を気遣って身体に良い食べ物を与え、一緒に食べて自分(妻)が美味しそうにしている顔を見せることである。
3つ目は『金玉袋』。
「お袋」「堪忍袋」など諸説あるが、医学的な重要性は『金玉袋』がはるかに上だろう。(結婚式のスピーチにふさわしいかどうかは各自ご判断いただきたい)
「いしい君『もう一生セックスはこの人とだけでいい』と思ったら結婚するんだよ」
研修医の頃、外科医の先輩に教わった。しかし別の先輩は仮面夫婦状態で浮気しまくりであった。風俗通いを続けている同僚もいた。
離婚や死別せず、今も幸せそうな家族写真の年賀状をくださるのは最初の先輩だけである。
矛盾したことを言うようだが、ヒトは浮気できるようにできている。
そもそも性が2つに分かれたのは、多様な子孫を残すためである。
ゾウリムシのように自分のコピーをつくるのではなく、ちがった人と違った子をつくることに意味がある。
だから、浮気するなとも言わないし、離婚再婚するな一生一人と添い遂げろ、とも言わない。
ただ結婚したら、相手を寂しくさせてはいけない。
特に女にとって、寂しさは何よりの毒である。
男はテストステロンという筋肉増強ホルモンが生きる力をくれる。
女はオキシトシンという愛情ホルモンの役割が大きくなる。オキシトシンが出ることで、筋力も思考力も免疫力も強くなる。
オキシトシンを出す最も良い方法は、触れ合うことである。
性交はもちろんだし、ハグ、キス、手を繋ぐこと、なんなら見つめ合うことも有効だ。
子どもができると、夫婦は男女よりも子育てをする父母となるのは自然なことだ。
夫は仕事に、妻は育児に夢中になりがちだ。
それでもなるべく、夫婦間の触れ合いを減らさないようにしよう。
コロナ禍で厳しくロックダウンし、ソーシャルディスタンスを取るようにした国々ほど、コロナ感染者・死者ともに激増し、例年に比べて超過死亡が増えた。
これは日光不足によるビタミンD低下、タンパク質不足によるトリプトファン・ナイアシン低下に加えて、オキシトシンの減少も免疫力低下を助長した結果と考えられる。
古来、日本では病んだ者や傷ついた者を介抱することを『手当て』と言う。触れることに癒しの力があり、触れ合うことで互いの生命力が強まることをご先祖様は知っていたのだ。
だから、相手のためにも自分のためにも、大切な人と触れ合おう。
愛を込めて。
以上、結婚生活を幸せにし、互いの健康を守るために大切な『3つの袋』をご紹介した。
『金玉袋』関係ねぇじゃん?と思われるかもしれないが、『金玉袋』を含めこれら3つの袋を夫は妻に預けている、妻はいつも握っているとイメージすることが大切だ。(『金玉袋』は医学的に男の急所でもある)
そう思うことでお互いが安心し、大切なものを大切にする選択ができるようになるのである。
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