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国立台湾大学MBA授業編 - 組織行動論 Organizational Behaviour

NTU GMBAのJinです。

今回は実際の授業の様子をちらっと紹介します。内容をより深くについては他のサイトでググって頂くほうがより詳しく書いてありますし、入学してからのお楽しみに取っておいてもいいと思うので、ここではサラッとコアコース(必修科目)の組織行動論 (通称:OB)について紹介します。

スウェーデン人女性の教授で、かなり早いテンポで授業は進み、個人的にはお気に入りの授業ではあったものの、かなりの文献を読み込む必要があり、生徒からの評判は両極端の授業でした。(残念ながら教授は今期で我が校を退職なので次期以降の内容は変わります)

ネガティブ部分についてなぜかというと、出席重視で3回欠席したら自動で落第。~分以上の遅刻は欠席とみなすこと、授業中の携帯・PC使用禁止等規則が厳しく、忙しいビジネスマンも多いなか時間に間に合わず言い訳なしの問答無用で落第くらっている生徒が過去に出ていること。

ペーパーテストはなく、授業中の発言内容と発言頻度などの授業への貢献度がしっかり助手がカウントしている。学期の初期から期末のチームプロジェクトのプレゼンのために準備が必要ではあるもの、定量的でなく「定性的な研究」を各チームはすることとなるため、答えのない答えを探し、おぼろげなものを追い求めながら彷徨い、結論の見えない議論を重ねることとなると、教授も最初から分かっていながら学生にやらせているということ。

また、プロジェクトは全てのチームメンバーが揃って行うこと、全てのメンバーが全てを把握していることが条件であるため、分担作業は基本的になし、授業後も週末もチームミーティングと外部インタビューが必要になることから、授業時間以外でこのOBに費やす時間は計り知れなく、具体的な数字も扱わず、ビジネススクールであるにも関わらずビジネスらしくないと、アカデミックすぎて実務的でない等、OBを批判したり、鬼門と位置付ける生徒も少なくない。

そんな意見もある中で、逆にOBはMBAコースの中ではユニークで貴重な存在であること、また教授の独特のペースから作られる魅力のファンも多い。また、実務的ではないという声もあるものの、各産業界をリードする超一流企業からゲストスピーカーを招いたディスカッションもあり、今学期はアメリカメディアのVerizon Mediaアジア統括と、元P&G, Google Taiwanの人事を招いて有意義な講演となった。

そんな感じでどんなことをやったのか、トピックだけでも記録に残しておく。個人的にはボスマネジメントというトピックやりたかった。

組織管理: 意味付け(センスメイキング)

ケーススタディ:マンガルチ火災の悲劇 - 1949年 米国モンタナ州のマンガルチで起こった山火事で消火にあたった消防士13人が亡くなった。リーダーと他2名が生き残ったが、亡くなったチームメンバーはリーダーの指示に従わなかった。

ディスカッション:なぜ悲劇はおこったか。自分ならどうするか。 

モチベーション: 内的報酬と外的報酬

社内報酬制度v.s.出来高報酬制度など社員のモチベーションを上げるベストな方法は?

ケーススタディ&ディベート

リーダーシップ

各世界の指揮者のリーダーシップスタイルを評価し分析

チームワーク

グループワークとチームワークの定義とチームワークの類型

プロセス重視v.s.結果重視

バファバファ=異文化体験ゲーム

準備中 そもそもバファバファってなに?ってところから始まる

権力と階級

ヒエラルキー

組織構造の種類と特徴

ピラミッド型、プロフェッショナル型、ホラクラシー型等

プロジェクト - 「台湾の職場環境における外国人リーダーの異文化適合プロセスの光と影」

教授からは「もっと深く」「明確に」「様々な視点から」「きれいごとだけでなく、闇の部分も」とアドバイスをされて試行錯誤しながらテーマを決め、研究の方向性を詰めていきました。

僕のチームは「台湾の職場環境における外国人リーダーの異文化適合プロセスの光と影」をテーマに、10以上の文献を読み、毎週定期的なチームミーティングで集まり、台湾で働く10人の外国人リーダーにインタビューし、定性的な分析をし結果をツールにあてはめながら可視化しました。

また、文献から得たツールはあくまでもフレームワーク、別の見方をすればステレオタイプであるので、大まかに枠にはまる部分の全体像と、そこからはずれる異常値ともいえる極端なケースを抽出し、問題点にフォーカスしました。

最後は研究結果を一つのポスターにまとめ発表しました。4~5人で一組となり、クラスに6チーム、投票の結果、僕らのチームが最優秀賞を取ることができました。

このプロジェクトから得たものは研究結果と成績だけでなく、一緒にプロジェクトを遂行したチームメンバーとの強固なチームワークの醸成、インタビューに応じてくれた10人の外国人リーダーとの新しいネットワーク、また、結果として僕らのチームに投票してくれた他チームとのインタラクションだったと思います。

他のチームのトピックは「リモートワーク下におけるリーダーシップ」、「両利きの経営:イノベーションチームの構成と躍動」、「クライシスマネジメントと広報活動」、「人材獲得プロセスにおけるサイバー審査がどのように信頼性とバイアスに影響するか」などでした。



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