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MBA戦略的選挙 - 生徒会会長選挙の場合

国立台湾大学GMBAでは来期の生徒会会長の選挙の季節になってきました。

GMBAの生徒会会長選挙


毎年12月、生徒会会長は1年生の候補者の中から1名選ばれ、当選した会長が現役生の中から副会長、会計、広報担当等、チームを組む指名権を得ます。投票する権利を持つのは今年は全てのGMBA現役生です。

単に雑務で大変なことが増えるだけ、というわけでなく、生徒会には大きな価値があると思います。MBAはリーダーシップも重要要素なので、在学中に経営者・管理職・将来のリーダー候補たち(しかも多様性のあるメンバー)をまとめる経験を積むことが出来るわけです。

生徒会を運営するモチベーションとなるのは「リーダーとしてGMBA全体を理想の方向へ導くことができる」というのが第一かと思いますが、当然、当校の中で突出した学生が選ばれることになり、名前が残るのは名誉なことです。そこから派生して、卒業後も継続して内外でのネットワークが強まる、奨学金も有利となるし、転職にもプラスに勘案される可能性があるというメリットもあります。

ということで、会長、生徒会メンバーの枠を狙う生徒は毎年一定数います。
歴代ではローカルコネクションがあり、英語/中文が両方ネイティブである台湾人生徒が会長に選出されやすい傾向ではありますが、数人非台湾系の生徒も会長となっています。2012年に日系ハワイ人が生徒会会長を務めたことがありますが、少なくとも近年では日本人生徒が学生会メンバーとなったことはないようです。

直近の選挙の状況

2019年に行われた選挙

2019年 候補者

候補者は、①フランス人ジェネラルマネジャーのロナウド、②台湾系カナダ人(パーティー向き)のアラン、③台湾系カナダ人でフレンドリーなピート

下馬評は、台湾ビジネスの経験も豊富でEMBAと台北ヨーロピアン工商会とのコネクションもあるロナウドと人当たりの良いピートの一騎打ち。結果、ピートが選ばれ、残り2名の候補者も学生会のメンバーとして迎え入れた。

確かこの年は1年生にしか投票権がなかったと思う。
前年である2018年の選挙は「卒業生」にも投票権があり、卒業生に広報活動を積極的に行ったケイが下馬評をひっくり返すこととなったからだと聞いている。

2020年に行われた選挙

2020年 候補者

候補者は、①台湾系アメリカ人でベンチャーキャピタリストのオリバー、②香港人で発言貢献度ナンバーワンのチョイ、③典型的な理屈を好むドイツ人のヨハン、④台湾人で起業家のリリー、⑤台湾系カナダ人のピクサー

下馬評は混戦であった。本人はめっちゃいいやつだが中国に対する政治的発言を公でするチョイは危険人物として敬遠されがち、ヨハンは入学後も入国制限で2ヵ月オンライン参加、台湾入りしたので11月になってからだったのでそもそもサポートしてくれる友人がいるのか?という状態、ピクサーはフレンドリーでジョークも面白いがチャラい。結果、唯一のローカル生徒、唯一の女性候補者であり、留学生の就職支援や中国語の語学サポートイベントの企画を押したリリーが勝った。

リリーは候補者からは学生会メンバーを選ばず、自分の仲の良い生徒を中心に選んだ。この年は全ての在校生に投票権があった。

そして2021年の選挙

2021年 候補者

そして今回の候補者は、①アメリカ生まれ台湾育ち、米大卒の女子アナのエイミー、②台湾人で医学部出身のトーマス、③台湾人でフランスのビジネススクールに交換留学経験のあるエレン、④インド人で奥さんがGMBA2021年卒のプリディープ

下馬評では1年生から支持が強いトーマスかソーシャルバタフライのエレンが有力。エイミーは選挙公約においては間違いなく一番理論的且つ戦略的なビジョンがあり有力候補として申し分ないが、一方でダブルスクールであるがために1年生内での友人が少ないこと、女子アナは女性陣の中で浮く傾向もあり女性陣からの票がカギかと。

また1年生は既にグループが固まってきており、1年生内での票は分かれることは確実なので、最も注力しなければならないのは2年生以上の生徒からの票をいかに集められるかであると考えられる。

個人的見解

台湾では国内政治が盛んではあるものの、台湾永住権を持っていても外国人は国政には選挙権がない。台湾に来たからには分野は違うが選挙活動に参加出来る機会なので、毎年興味を持ちながら学生選挙に参加している。選挙は台湾の醍醐味なのです(笑)

なのでベスト・ロビイストを目指すべく、影の活動を推し進めることにしました。そう、エイミーの一本推しです。(👈全然影の活動じゃねーやん)

個人的には純粋にチームメイトとして、友人としてエイミーに頑張ってほしいなという気持ちですが、それだけではロビイストとして他から票は集められないため、正当な適格性、ベネフィットを示さなくてはなりません。

1) ケイパビリティ。情報処理能力、言語能力、特に英語/中文が両方ネイティブなのは候補者でエイミーだけであること、
2) 人間性、社交性。メディアの人間なのでパブリックスピーチ/コミュニケーションに関してもプロであること、
3) 新しいコネクション。台湾の政界、メディア業界、政治大学国際コミュニケーション学院とのダブルスクールなので政治大学、EMBAとEiMBAとの既存コネクションがあり、GMBAに新しい繋がりをもたらすことが出来る。

また、エイミーは日本語10年勉強していたこともあり、日系企業とのコネクションづくりにも興味を示しており、現在ぼくらが行っているGMBA日本の広報活動との親和性が高いこと。(当選した場合のコラボ案の協力取り付け済み)
個人的に仲がよいので学生会に日本人として一定の影響力の確保が期待出来ること。

トーマスはあまり知りませんが、最初の言葉を交わした際に、思考が若すぎること、ポリティカルコレクトネスの観点でも公のスピーチは向いてないと感じたこと、エレンは話したことすらありませんが選挙公約に理論の欠如と新しさや強みはないこと、プリディープの選挙公約は既存事実の羅列に過ぎないこと等、消去法でもエイミーしかないなと思います。

と、まぁ、いろいろな人の思惑が交錯する選挙は面白いなと思ったり。
推し過ぎるとウザがられるのでソフト推しを心掛けながらベスト・ロビイスト賞取りにいきます。

そういえば他の学校の生徒会はどうしているのかな?というのも気になるので、コメントで教えてくれたらうれしいです。

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