キャリアコンサルタント資格勉強〜Vol.14「キャリアカウンセリングにおける代表的理論その5」

キャリアカウンセリング理論の代表的な3名についてまとめています。

1.ダグラス・ホール
2.サニィ・ハンセン
3.マーク・サビカス

今回は3.マーク・サビカスについて!

■理論的背景
21世紀にふさわしいキャリア発達、キャリアカウンセリングの理論として「キャリア構築理論」を提唱した。
これはスーパーのキャリア発達理論を進化させたもので、スーパーの断片的な理論を1つの包括的な理論に統合したもの。

キャリア構築理論は社会構成主義に端を発している。
社会構成主義とは自然や自己についての正確で客観的な説明と言うのは世界からの産物であり、会話や人々の関係性から生まれたものであると言う考え方。

キャリアは客観的なものではなく主観的なものであり、単なる事実の羅列ではない。過去の職業経験や現在の経験などを振り返って、自分なりの意味付けをすることにより未来につながっていくという考え方となる。

またサビカスは、特定の組織に長くとどまって貢献することを前提とするのではなく、組織や職業の変化を前提として柔軟性を重視したキャリアの構築を目指すことの必要性を主張している。

キャリアコンサルタントはクライエントの経験を「意味あるストーリー」にする手助けを行い、クライエントとともに物語を構築していく。

■理論上の主要概念
・職業パーソナリティ
キャリアの「what」を示す職業パーソナリティーは、キャリアに関連した能力、欲求、価値観、興味によって定義される。
どのような職業に関心を持つかによって、個人が得する集団におけるその個人の評判を決めることがよくあるが、これこそがまさにその職業の意味が世界的に構成されていることの表れである。

・キャリア・アダプタビリティ
キャリアの「how」を示す。
多様な役割を担う職業人が、その役割を果たし職業生活に成功と満足を得るには、絶えず変化する社会環境への適応することが求められると言う概念。

 1.社会からの要請である発達課題とトランジション
 スーパーの唱えた人生の5段階の発達段階とそれぞれの間にあるとされるトランジション(転機)を、社会環境が激しく変化する今日において各発達段階の中においても起こりえるものでありまた予測困難な変化を伴って生じるとしている。

 2.キャリア・アダプタビリティの重要性
 アダプタビリティとは「適応」のこと。
 人々は、絶えず変化する環境の中で自らも変化し適応を繰り返すダイナミックなプロセスを通じて、その都度自らの可能性を拡大させながら、自己概念を発達させ実現を目指していく。「ありたい自分になる」ための方法、つまりキャリア構築理論の「how」がキャリア・アダプタビリティである。

 3.キャリア・アダプタビリティの4次元
 キャリア・アダプタビリティは関心・統制・好奇心・自信の4つの次元から成り立っている。

 ①キャリア関心(職業人として自らの未来について関心を持つ)
 最も重要な次元。
 職業に関する過去を振り返り、現在を見つめ、未来を展望できるようになり、未来が現実になると感じられるようになっていくと言うことであり、計画的な態度によって促進される。

 ②キャリア統制(職業上の未来に対して自らが統制する)
 キャリア統制とは自分のキャリアを構築するのは自分の責任だと自覚し確信することを意味する。

 ③キャリア好奇心(自らの可能性と未来のシナリオを模索することに好奇心を発揮する)
 キャリア好奇心とは自分と職業を適合させるために、好奇心を持って職業に関わる環境を探索すること。

 ④キャリア自信(自らの願望を実現するために自信を持っている)
 挑戦し、困難を乗り越えることで得られる自己効力感のこと。

・ライフテーマ‪
キャリアの「why」を示す。
個人が職業行動に意味や方向性を与える解釈や人との関わりのプロセスに注目する。サビカスによると解釈や人との関わりのプロセスはキャリアストーリーの中で語られ、そこにライフテーマが見える。

1.キャリアストーリーとは何か
キャリアストーリーとは個人が直面した課題や職業上の転機を語ったものであり、その中で個人が何を感じどのような行動をとるのか、意味付けが含まれたものである。

2.キャリアストーリーにまとまりを与えるものがライフテーマ
キャリアストーリーにはその個人の独自性が表現されている。語られた経験は各のライフテーマによってパターン化されており、その一貫性を見いだすことにより、一見バラバラに見えるキャリアストーリーにつながりが生まれる。

3.ライフテーマは個人にとって重要なことそのもの
ライフテーマは個人が何のために行動するのか、その意味付けが色濃く現れたものであるため、自己概念にとって重要なものとなる。

■キャリアコンサルティングへの応用
1.キャリア・アダプタビリティへのアセスメント
キャリア・アダプタビリティの4次元(関心・統制・好奇心・自信)に対するクライエントの反応を見ることでキャリア・アダプタビリティの程度をアセスメントすることができる。

2.ライフテーマの発見
話の事柄のみに注目するのではなく背景や考え欲求価値観などを捉えることが重要。さらに語りの中にあるパラダイム転換を見いだすことによりライフテーマを見つけやすくなる。

3.キャリア構成インタビュー
クライエントの内部テーマを明らかにし、天気についての意思決定を支援する面接手法のこと。5つのトピックに対する質問から構成される。

トピック5つは下記
ロールモデル、お気に入りの雑誌、お気に入りの本、モットー、幼少期の記憶

■学びや考察、感想
スーパーのキャリア発達理論を学んだときの不足感のほとんどがサビカスのキャリア構築理論で満足させられた。

ライフテーマの先にキャリア・アダプタビリティがある。

たまたまだけども人事時代、学生向けインターンでライフテーマの言語化を行った経験がある。
インターンのコンテンツの中にサビカスの理論にあるキャリア構成インタビュー5つのトピックも含まれていたが、ライフテーマの言語化に至るには「なぜ?なぜ?」と深掘りがとても重要だった。
全体の2-3%の学生は自力でたどり着くがその他の子は丸一日かけてサポート必要だった。

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