キャリアコンサルタント資格勉強〜Vol.13「キャリアカウンセリングにおける代表的理論その4」

キャリアカウンセリング理論の代表的な3名についてまとめています。

1.ダグラス・ホール
2.サニィ・ハンセン
3.マーク・サビカス

今回は2. サニィ・ハンセンについて!

1.理論的背景
キャリア発達、成人発達の理論、ジェンダー役割の理論、女性学や新しい男性像に関する研究、多文化理論など、幅広い分野を取り入れつつ統合的な理論構築を試みた。

長年取り組んだ「BORN FREE」プログラムの開発と実践がその理論の基盤となっている。

BORN FREEプログラムは、調査研修プログラムとして、キャリア発達、ジェンダー役割の社会科、社会的かつ教育的変革の3つの分野を結びつける初の試みだった。

2.理論上の主要概念
ILP 総合的人生設計
ILP=人生やキャリア設計への包括的なアプローチ。仕事を家の生活上の役割や人生全体の中で唱えると言う考え。

ILPではキャリア・コンサルティングを通じて、クライエントが仕事だけではなく人生全体を包括的にとらえることができるように支援する。
個人の利益だけではなく、社会に目を向けた仕事選びや生き方、さらには創造性を発揮してなすべき仕事に取り組むことがこれから求められると論じ、組織と個人の変革を結びつけて捉えている。

ハンセンは「統合的人生設計」と言う概念が示す結合性と全体性と言うテーマを説明する上で、「キルト」と言う小さな布を縫い合わせながら大きな布を作っていく方法を象徴として用いている。
ハンセンの示す統合的ライフプランニングこそ役割や文化、地域、考え方といった様々な側面を組み合わせ、つなぎ合わせてできる人生を表現している。

キャリア発達と変化するライフパターンのための重要課題
1.グローバルな状況を変化させるためになすべき仕事を探す
自分に合う仕事を探すと言う観点だけではなく、地域や地球規模で起こっている問題にも目を向け、その解決に貢献するといった観点で仕事を作り出し、取り組むべきである。

2.人生を意味ある全体像の中に織り込む
人生における役割を4L(愛、労働、学習、余暇) と表現。人生の複数の役割と職業をどう組み合わせることができるかを考え、仕事だけでなく社会性、知性、肉体、精神、感情等の統合を図ることが重要である。

3.家庭と仕事の間を結ぶ(共働共生)
「女性だから」「男性だから」といった役割に固定するのではなく、男女が平等のパートナーとして協力し合うことを強調。

4.多元性と包括性を大切にする
自分と異なるものを重んじるべきであり、様々な視点から物事を見ることができることが重要。

5.個人の転機と組織の変革に共に対処する-チェンジエージェント(自分の人生を自分で変えていく)
社会や組織も激変の時代だからこそ、変化を見極め個人も柔軟に転機に対応していく力が求められる。

6.精神性、人生の目的、意味を探求する
何のために仕事をするのか、何のために生きているのか、個人が見出し、変革の世の中を確固たる自己を意識しながら生きる必要がある。

7.健康
何よりも健康でないと何もできない。
肉体的、精神的、社会的に調和のとれた良い状態を保つ、目指す。

3.キャリアコンサルティングへの応用
ハンセンの「統合的人生設計」の概念を学生やクライエントと関わる仕事に応用するには、「自己の充足と社会の向上を伴った意味のある包括的なキャリアパターンを開発していくために、この人生課題をどのように利用し続ければ良いだろうか」といった問いかけが有用である。

「統合的人生設計」を行うために重要な7つの課題を人生の各段階において優先順位をつけた上でいくつかの課題に取り組むことで、「統合的人生設計」はより意味あるものとなる。
ハンセンは個別カウンセリングよりも、ワークショップやクラスといった形態でこのプログラムを提供することを推奨している。

■学びや感想、考察。
ダグラスと同様にハンセンもスーパーの影響を大きく受けている。
一方で、ダグラスがやや組織よりな理論であったことに対し、ハンセンは個の観点から組織や社会への貢献も視野を拡げようと言う、個と組織のバランス感や結合を重んじる理論だと言う印象。

グループ向けのワークショップをたくさん実践されたようなので今後学んでみて改めてnoteで情報発信していきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?