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コロナ時代で変わる!高校新卒就職の勉強会(前半)

2020年6月17日(水)に「コロナ時代で変わる!高校新卒就活の勉強会」を開催いたしました。
弊社代表取締役の佐々木に加え、一般社団法人スクール・トゥ・ワーク 代表理事である古屋星斗様、高校の進路指導の先生3名にご登壇いただき、学校現場でのリアルな声を伺いながら、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、高校生の就職活動の実態や今後の変化についてお話頂きました。本記事では、その勉強会の内容を振り返ります。
今回は勉強会前半を振り返ります。
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【勉強会開催の背景】
高校生を取り巻く就職環境が新型コロナウイルス感染症の影響により一変しました。ジンジブは未来を担う高校生と成長に向かう企業を輝かせるという想いのもと、高校生が就職選択をしやすく、さらに活躍できる世界をつくる一心で事業を行っています。
今年度はまさに高校生や高校生を採用したい企業に支援が必要であり、皆様にも一緒にお考えいただければと思い勉強会を開催することになりました。--------------------------------------------------------------------------------------【高卒新卒採用の動向アンケート調査結果からの考察、21卒の就活の課題、ジョブドラフト21年卒および今後の取組】代表取締役 佐々木 満秀

コロナ禍の中で高校就活においても大きな課題を抱えており、勉強会を開催させて頂きました。弊社で取らせて頂いたアンケート結果をもとに高校生の就職活動の現状と新型コロナウイルスの影響によって変わる動向を考察します。
株式会社ジンジブの代表取締役の佐々木と申します。ジンジブには前身の会社があり、1998年の創業から22年を迎えております。他にも事業会社を経営しておりましたが、この事業に命を懸ける想いで、2020年1月1日にジンジブに集約し、1社体制で経営をしております。
高校生の就職活動のルールは戦後約70年間変わっておらず、未来を担う若手の活躍、そして日本の経済を支える中小企業の採用支援に取り組みたいという想いからこの事業を始めました。もともと私自身が高卒で就職をした身です。現体験をもってこの事業に対する想いはどんどん強くなっております。
約6年前にジンジブを創業し、5年前からこの高卒採用事業を始めました。これからの経済の中でどのようにマーケットが縮小する日本を支えていくのかと考え、中小企業をこのまま衰退させて行くわけにはいかないと、中小企業を経営している身として思っておりました。中小企業の繁栄を支えるのは「人」であると、私自身の経営の中でも常々感じてきました。しかし中小企業の人材確保に関して、若手の人材確保は極めて難しいのが昨年までの情勢でした。大卒採用は大企業でも難しく、中小零細企業に関しては費用をかけても採用が出来ない情勢が何年も続いておりました。
そんな中、良いサービスや洗練された技術をお持ちの中小企業を何とか復興していきたいという想いと、若手の人材を入れていかないと企業の永続性はないという信念のもと、どのように若手を採用するのかという視点で中卒・高卒・大卒人材の中でも「高卒」に注目していくことが必要だと感じました。改めて仕組みを見ると、高校生の就活では学校斡旋の紹介での応募しかほぼできません。地場の企業へ先生からの推薦、応募開始から一定期間は1人1社ずつ応募を行う「1人1社制」、文字情報しかない求人票、限られたスケジュールという厳しい制約の中で就職活動を行わなければなりませんでした。これからの日本においては学歴や自頭の良さによって仕事ができるということではなく、ポテンシャルが大切だと私は思っています。一部の職種に関しては、学校教育の中での学びが活きることは間違いありませんが、これからの時代は間違いなく「挑戦する」「創造する」「成果をつくる」ことが必要になります。。高校生と中小企業をマッチングしていくことを目的として事業を始めました。

1.変わる!21卒高校新卒就活
高校新卒就職では現在のコロナ禍で、厚生労働省から、就職活動のスケジュールに1点大きな変更の発表がありました。本来の7月1日からの求人解禁・企業の学校訪問に関しての変更はありません。採用選考に関しては、新型コロナウイルス感染症の影響で夏休みの短縮により、沖縄県を除いて、応募開始を9月5日から10月5日に、それに伴い、選考開始を9月16日から10月16日と1ヶ月間の延長に変更になりました。Withコロナで学校の先生方の業務も生徒には学業優先で単位を取らせなければならないということもあり、なかなか就職活動に時間を宛てられないということが想定されます。

スケジュールの変更による学校側からの反応としては、「進路指導以前に授業のスタートが遅れているため、スケジュールに余裕が出来た」「高校生の採用スケジュールはもともと短い上に1か月間短くなるので年内で内定が貰えるのかを懸念している」という声があがっています。また、企業側の反応は高校の場合はまだオンラインの設備が整っていない学校やご家庭も多く、企業のリモートワークが続く中で企業見学の対応や面接の実施をどのように行えばいいのかという悩みも出てきています。

この事業を始めて、高校生の就職活動に関しては学校斡旋が一般的で民間の支援がほとんどありませんでしたが、2020年2月10日に高校生の就職活動の在り方を見直すワーキングチームが発足し、ようやく民間の職業紹介事業者が取り扱いできることが発表され、我々の目指すべきところに近づいてきたと感じております。私自身感じている、学校斡旋の良さは近年でいうと平均的に99%以上の高い内定率が確保されており、内定の取りやすさがあります。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、今年度の内定率は大きく変わると言われております。こういう時こそ、我々民間企業の力が新たに発揮されて、民間と学校、行政が協力しながら並走することを目指していきたいと感じております。


2.高卒採用アンケート結果考察

勉強会1

約2割の企業様が採用数を減らす方向という結果でしたが同様に、近年若手の採用にお困りの業種・業界を中心に約2割の企業が採用数を増やすと回答しました。しかし、このアンケートは企業の数の比率になります。このコロナ禍においての不況はかなり厳しくなっておりますので、全体の企業の中の求人全体の数は減ってくるのではないかなと思います。


・高卒採用の募集人数の増減 従業員数別

企業規模

従業員が30名以下の少人数で経営している企業に関しては、「前年と同じ」もしくは「増やす」というご回答を頂いています。一方、30名以上になると採用人数を「減らす」という声も若干見られます。業種や業界によっても異なりますが、人数を抱えれば抱えるほど採用数を「減らす」傾向があると分かります。

・高卒採用の募集人数の増減 業界別

業界別

新型コロナウイルスによる影響を受けている業界、例えば旅行・宿泊・飲食・サービス業に関しては採用人数を減らすという回答が多いです。一方で、比較的コロナウイルスの影響を大きく受けていないインフラ・介護福祉・医療・建築・物流などの業界は人員不足もあり、この時期を採用のチャンスと捉え採用数を増やしていこうという傾向が見られます。


・高卒採用の募集人数の増減 地域別

地域

これまでの高校生の求人倍率は全国平均で約2.9倍ありました。求人数に対して求職者数が約1/3くらいであったため、売り手市場で内定率も約99%という非常に高い水準でした。新型コロナウイルスによる不況期に入り、今年度は地域による大きな差が出るのではないかと想定されています。関東エリアに関してはもともと人材不足で求人倍率も10倍程あったため大きな影響はありませんが、観光で支えられている九州・東北・北海道・沖縄などの地域に関しては大幅な減少が見込まれます。21年の卒業生にとっては非常に厳しい環境になると思われます。


・高卒採用を導入している理由

採用する理由

高卒採用を導入している理由は長い目で見たときに、「若い人材を採用したい」という企業様が中心です。

・まとめ
アンケート結果より、高卒採用を減らす方針の企業が少ないことは非常に安心した部分ではありますが、業界・地域によって全体的に求人数は減少します。地域によっては求人数が求職者数より少ない可能性も出てきますので、学校斡旋の就職活動のみでは内定が得られない生徒も多く出てくるのではないかという懸念があります。

3.21卒高校新卒就活の課題
1点目は、全体の求人数が大きく下がる可能性を秘めています。本来であれば約18万人就職者に対して、50万近い求人数がありますが、今年度は大幅に減ってしまうのではないかということです。

2点目は、進学希望から就職希望者が増えるのではないかということです。現在約20%の大学生が家庭の収入減により大学の退学を検討されております。そういった面では、進学をやめて就職をする高校生も増えることも考えられます。

3点目、スケジュールの後ろ倒しにより、学校教員全体の方の業務量がキャパオーバーになるのではないかと思われます。夏休みの短縮もあり、授業の補完が最優先になりますので、学校斡旋のみの就職活動には限界がくるのではないかと思われます。

4点目、地域によって内定率の格差が出てくることです。現在、学習格差も高校現場の課題として叫ばれていますが、今年度は就職格差も出てくると思われます。北海道や青森県などの各都道府県の地方新聞でも取り上げられておりました。高校生の就職では製造業に就職する方が4割以上いるので、製造業の求人数が大きく減ることが予想されます。

4.21卒ジョブドラフトの取り組み
①全国13都市でのジョブドラフトFesの開催
今年度は新型コロナウイルスの影響によって、高校生の就職活動は正直かなり四苦八苦しながら活動していますが、我々の出来ることをお伝えします。7月から多くの企業様にご参画頂き、合同企業説明会を沖縄から北海道まで全13都市で開催をさせて頂きます。高校生にとっては1日で多くの企業を見て、選択の幅を広げることができます。

コロナの関係で、リアルで参加するのが怖い、遠くて足を運べないという生徒さんもいると思います。後日、ジョブドラフトFesに出展した企業500社以上の全企業の説明動画をオンラインで視聴が可能となります。


②ジンジブのキャリアコンサルタントによる就職相談
学校の先生のキャパオーバーや業務量の過多という問題もあるため、キャリアコンサルタントの育成にも力を入れて参りました。学校の先生には授業に時間を取られる傍らで、就職支援もしなければなりません。私たちジンジブのキャリアコンサルティング部隊が学校に出向いたり、オンラインで就職相談をさせて頂きます。内定率99%の裏で進路が未決定のまま卒業する生徒が毎年約6万人ほどいます。そういった方の就職相談も受け付けております。


③地域流動性を持たせた就職活動を可能にする
今年度の就職活動において、東京は内定率が高いが沖縄はあまり内定が取れていないというように都道府県ごとに地域格差が出ることが予想されます。学校斡旋では地域に限られた情報しか集まらなかった部分を「ジョブドラフトNavi」をご活用いただくことで、北海道から沖縄の求人票が見れたり、東京から地方の求人情報が見ることができます。、全面リニューアルをし高校生にとってより探しやすく見やすく、自分に合った条件で就職先を見つけられるサービスを行って参ります。


④オンラインでの支援
全国のジョブドラフトFes参加企業の説明をオンラインで視聴可能に
オンラインでの職場見学の実施
オンライン就職相談
コロナの影響を受けて、先生の同行やリアルので職場見学を行うことが非常に難しい状況になっています。そういった中で、先生方のご協力もいただきながら、全国の高校生のために全力でご支援をしていきたいと思っています。

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アンケート調査概要
【調査期間】  2020年5月11日~5月12日
【調査内容】  2021年卒の新卒採用に関するアンケート
【調査対象】  インターネット調査法
【有効回答】  N=327人(うち高卒採用実施は147人)
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